- カードローンを借り換える際のデメリットは何か知りたい
- 借り換えのデメリットを上手に回避する方法を知りたい
- 借り換えが自分にとって本当に有利かどうか判断したい
カードローン借り換えのデメリットとは、なんだろうか。そして乗り換えは、本当に有利で賢い選択なのだろうか。
うまく借り換えれば、返済総額を抑えて賢く借入できる。しかしデメリットがいくつかあるため、カードローンの借入に際しては慎重な対応が必要だ。
本記事では、カードローンを借り換える際のデメリットについて、またデメリットを回避する方法についても解説する。
カードローンの借り換えは、すべての利用者にとって利益をもたらすとは限らない。
本記事は、自分にとってカードローンの借り換えが有利な選択肢であるかを検討する有力な手掛かりとなる。
カードローン借り換えのデメリットとは?
借り換えには、次のようなデメリットがある。
- 審査の難易度が高い
- 返済期間が長期化することがある
- 返済額が増える可能性がある
- 利便性が低下する可能性がある
審査の難易度が高い
借り換えでは、新たに審査を受けなければならない。そして審査に際しては、信用情報機関に記録されているこれまでの返済履歴や現在の借入状況が厳しくチェックされる。
たとえば、仮に借り換えのために新たな借入の申込をしている場合でも、信用情報の上では、新たな借入によって借入金を増やそうとしている事実しか把握できない。
この場合カードローン会社は、申込者が返済状況に問題を抱えており、他社の返済のために新たに借入しようとしていると解釈する可能性がある。
また収入の増加がないにもかかわらず、借入金額だけを増やそうとしていると判断されれば、返済能力が不十分であるとの評価をくだされ、審査通過はより難しくなるだろう。
借入審査への申込や審査落ちした実績もまた、信用情報に記録される。これによって今後の借入申し込みの際に、不利に作用するリスクは否めない。
返済期間が長期化することがある
カードローン借り換えによって、返済期間が長期化する可能性がある。
借り換える場合、より金利が低い金融商品を選ぶのが定石だ。これによって、月々の利息を減らし、総返済額を減らす効果につながるためである。
しかし借り換えによって金利が下がると同時に、毎月の返済額が減額されることがある。
このとき、以前のカード会社よりも減額された返済額で支払いを続けた場合、元金への充当額が減少するため、返済期間が長くなる可能性がある。
返済額が増える可能性がある
返済期間が長くなれば、より長く利息を支払い続けることになり、結果として総返済額が増えるデメリットが高まる。
またカードローン借り換えした後に追加で借入をおこなうと、返済期間がさらに長くなり、総返済額が借り換え前よりも高くなるケースもあるだろう。
これでは、カードローン借り換えのメリットを享受するどころか、デメリットの方が大きくなる。
利便性が低下する可能性がある
利用する金融機関を変更すると、返済方法やサービスの内容が変化する可能性が高い。
たとえば、乗り換え前のカードローン会社であれば、インターネットバンキングや自動引き落としによる返済が可能であったにもかかわらず、乗り換え後のカードローン会社では返済に対応する金融機関が少なく、また利用できるATMが限定的である場合はどうだろう。
うっかり返済日を忘れており、返済能力があるにもかかわらず滞納するリスクが高まる。
また現在利用している金融機関のサービスが新しいカードローン会社のサービス提供元と異なる場合、たとえばポイントプログラムや特典といったメリットを継続的に受けられなくなるのもデメリットだ。
カードローン借り換えのデメリットへの対処法
先に述べた借り換えの弱点を補うために、次のような方法が有効だ。
- 審査申し込み前に収入・借入状況を確認する
- 月々の返済額を増やす
- 返済方法やサービス内容をあらかじめ確認してから審査申込する
審査申込前に収入・借入状況を確認する
カードローン借り換えを申し込む際は、審査で不利になるような要素がないかあらかじめ確認することが大切だ。
とくにチェックすべきは、次の項目である。
- 過去の金融取引で延滞や未払いがないか
- 他社からの借入状況
- 現在の収入状況
- 現在の属性
審査では、十分な返済能力があるか否かが厳しくチェックされる。
返済能力の評価において、現在の収入や属性、他社からの借入状況は、ほとんどのケースで厳密に審査される項目だ。
返済の実績は他社からの借入で、延滞や未払いがないか確認しよう。余裕があれば、少しでも他社からの借入金額を減らすために、追加返済するとよい。
またカードローンの借入は、収入の1/3を超えてはならないと総量規制によって制限されている。
現在の借入金額が収入の1/3以内に収まっているか、審査申し込み前に確認することが大切だ。
たとえば他社の借入で滞納した実績があるなど、不利になるような要素がある場合は、借り換えを申し込みしても、審査落ちする可能性が高い。
その場合は、良好な返済の実績を積み上げてから、時期を改めてからの申し込みを検討したい。
審査落ちした実績を信用情報に残さないことは、将来の借入を有利に運ぶために大切だ。
月々の返済額を増やす
より金利の低いカードローンに借り換えができた場合は、月々の返済額を増額することが大切だ。
月々の返済額を増額すれば、返済額を抑えて借り換えのメリットを最大化できる。
その理由を、具体的な例を挙げて説明する。たとえば100万円のカードローン借り換えの契約をした場合で考えよう。条件は以下のとおりだ。
- 借り換え前の金利
- 18%・返済期間は24ヵ月
- 借り換え後の金利
- 15%・返済期間は36ヵ月
借り換え前 | 借り換え後 | |
---|---|---|
借入金額 | 100万円 | 100万円 |
金利 | 18% | 15% |
返済期間 | 24ヵ月 | 36ヵ月 |
月々の返済額 | 約4万9,924円 | 約3万4,665円 |
総返済額 | 119万8,166円 | 124万7,934円 |
総利息額 | 19万8,166円 | 24万7,934円 |
この場合、借り換えによって金利が下がり、月々の返済額が低下した。しかし総利息額および総返済額が増えている。
ではこのケースで、借り換え後も借り換え前と同じ金額を返済し続け、24ヵ月で完済した場合は、どうなるだろうか。
借り換え前 | 借り換え後 | |
---|---|---|
借入金額 | 100万円 | 100万円 |
金利 | 18% | 15% |
返済期間 | 24ヵ月 | 24ヵ月 |
月々の返済額 | 約4万9,924円 | 約4万8,486円 |
総返済額 | 119万8,166円 | 116万3,668円 |
総利息額 | 19万8,166円 | 16万3,668円 |
借り換え後も、借り換え前と同じ金額を返済し続ければ、借入総額を抑えられるため、金利が低いカードローンに借り換えるメリットを最大化できる。
借り換えの際は、一刻も早く完済できるよう、また支払総額を抑えられるように、月々の返済額は維持したまま利用するのが鉄則だ。
返済方法やサービス内容をあらかじめ確認してから審査申込する
カードローンの借り換え先を検討する際は、返済方法やサービス内容についてあらかじめ確認することが大切だ。とくに重要なのが、返済方法である。
返済方法は、カードローン各社がそれぞれに定めている。例を挙げると、次のとおりだ。
カードローン会社 | 返済方法 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
インターネットバンキング | 口座振替 | スマホATM | ポイント利用 | コンビニ・提携ATM | カードローン会社ATM | |
プロミス | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
アコム | ◯ | ◯ | ー | ー | ◯ | ◯ |
レイク | ◯ | ◯ | ◯ | ー | ◯ | ー |
三井住友銀行 | ◯ | ◯ | ー | ー | ー | ◯ |
三菱UFJ銀行 | ◯ | ◯ | ー | ー | ◯ | ◯ |
楽天銀行 | ー | ◯ | ー | ー | ー | ー |
出典:プロミス「ご返済方法」・アコム「ご返済方法」・レイク「ご返済方法」・三井住友銀行「カードローンのご返済について」・三菱UFJ銀行「カードローン「バンクイック」のご返済方法」・楽天銀行「カードローンご返済方法について」
たとえば、複数の返済方法から任意で選べるカードローン会社から、口座振替による返済のみに対応するカードローン会社に借り換えした場合、毎月の口座引き落としの際に残高が不足しないよう、必ず手配する必要がある。
残高の確保が遅れれば滞納になり、信用情報に金融事故情報が記録される。
また延滞した日数に応じて、遅延損害金を上乗せして支払わなければならない。
他社に比べて金利が低く設定されているカードローン会社の場合、サービス内容の充実度が低いこともある。
カードローンの借り換えを考えるなら、金利だけでなく総合的な利便性を考慮し、自分のライフスタイルにあった返済方法が用意されているかを確認することが大切だ。
カードローン借り換えのメリットとの比較
借り換えを検討する際は、デメリットを把握したうえで、メリットとのバランスを比較することが重要だ。
そこで、カードローン借り換えのメリットを示すとともに、デメリットと比較する。
借り換えのメリットとデメリットの比較を介して、借り換えが妥当か否かの判断基準を理解できるだろう。
併せて、カードローンの借り換えに適している人の特徴についても説明するので、自分に当てはまるかご確認いただきたいいただきたい。
カードローン借り換えのメリット【デメリットとの比較表】
カードローン借り換えには、次のようなメリットが期待できる。
- 金利が下がる可能性がある
- 総返済額を減らせる場合がある
- 月々の返済額を減らせる可能性がある
- 返済利息と期間の調整により無理のない借入計画を再構築できる
- 延滞による信用情報への悪影響を防止できる
そしてメリットとデメリットを比較したものが、下の表だ。
メリット | デメリット |
---|---|
金利が下がる可能性がある | 月々の返済額を増やさないと金利が下がったメリットを享受できない |
総返済額を減らせる場合がある | |
月々の返済額を減らせる可能性がある | 月々の返済額を減額した場合は借入期間が長くなるため、総返済額が増える |
返済利息と期間の調整により無理のない借入計画を再構築できる | |
延滞による信用情報への悪影響を防止できる | 借り換えの実績は信用情報に記録されるため、返済が進まないと新たな借入は難しい可能性が高い |
現在借入しているカードローン会社よりも金利が低い商品に借り換えできれば、利息の額を抑えることで、総返済額を減らせる可能性がある。
この場合は、借り換え前の返済額を維持することが大切だ。月々の返済額を減額して返済期間を長くした場合、利息の額が上昇することで総返済額がむしろ増加する可能性もある。
また月々の返済の負担に困っており、返済計画の立て直しが求められる状況の場合は、金利が低い商品に借り換えし、月々の返済額を抑えながら滞りなく支払いを続けるのもよいだろう。
月々の返済額を借り換え前より減額した場合、返済期間が長くなり、総返済額が増加する可能性は否めない。
しかし、毎月の返済の負担が重くのしかかっており、いつ返済が滞るともしれない状態の場合は、無理のない金額で返済し続けられる状況を整備することが最優先だ。
滞納による信用情報へのネガティブな影響を避けることが重要である。
いったん月々の返済額を下げて収支の状況を見直しし、お金の余裕が生まれた段階で繰り上げ返済すれば、総返済額を減らせることもあるだろう。
ただし借り換えした場合、新たに借入した実績として金融情報に記録が残る。
借り換え前のカードローンを完済しても新たな借入の実績は残るため、他社で再び借入する際に審査で不利になる可能性がある点に注意が必要だ。
カードローン借り換えでメリットを得やすい人の特徴
カードローンの借り換えによってメリットを得やすい人には、次のような特徴がある。
- 現在のカードローンの金利が高い
- 返済期間が長い
- 借入残高が多い
- 現在の返済に困っている
現在借入しているカードローンの金利が高い場合は、金利が低い金融商品に借り換えることで、大きなメリットを享受できる可能性が高い。
金利が下がれば、同じ借入額でも支払う利息は大幅に減少するためだ。毎月の返済額を減らせるほか、支払い総額も抑えられる。
また返済期間が長い人や借入残高が多い人も、借り換えを検討する余地が大いにある。
たとえば100万円を金利15%で10年間の返済期間で借りている場合、毎月の返済額はおよそ1万6,133円、10年間の総返済額はおよそ193万5,960円である。
このとき金利が1%下がって14%になると、毎月の返済額は約1万6,072円、総返済額は約192万8,640円に減少する。
わずか1%金利が下がるだけで、1万円程度総返済を減らせるのは、メリットだ。
毎月の返済の負担が大きくなっている場合も、借り換えによるメリットを受け取りやすい。
金利が下がれば毎月の返済額が減るため、家計の負担が軽減される。さらに返済期間を伸ばすことで、毎月の返済の負担を軽減することも可能だ。
ただし借り換えには、デメリットも伴う。収入や借入の状況が改善し返済の負担が軽くなった場合は、繰り上げ返済を視野に入れるとよいだろう。
カードローン借り換えすべきか否かの判断基準
借り換えすべきか悩む場合は、次の基準に照らし合わせて検討するとよい。
- 金利
- 総返済額のシミュレーション
- 返済期間
- 審査通過の可能性
大前提として、金利が下がらないもしくは上がる場合は、カードローンの借り換えには適さない。
借り換えによるメリットが期待できるのは、金利が下がることによってのみもたらされるためだ。
金利が低く借り換えのメリットが期待できる金融商品を見つけたら、返済総額のシミュレーションを実施しよう。
各金融機関の公式サイトには、返済総額や月々の返済額をシミュレーションできるページが用意されている。
カードローンの借り換えをすることで総返済額がどのように変化するか、また月々いくら返済する必要があるか、返済期間の設定を変えながらチェックすることが大切だ。
さらに重要なのは、審査通過の可能性の有無だ。現在の収入や借入、返済の状況を確認して、審査にとおる可能性を慎重に検討したい。
カードローン借り換えを上手に行うためのポイント
カードローンの借り換えを上手に利用するためには、次のポイントを押さえることが重要だ。
- 金利とともに返済条件や手続きのスムーズさを考慮する
- 借り換え前に総返済額や月々の返済額をシミュレーションする
- 事前に信用情報をチェックし必要な対策を講じる
カードローンの借り換え先を選ぶ際は、金利の低さに加えて、返済条件や手続きのスムーズさなど、自分にとって最適であるかを確認しよう。
借り換えを申込む前に、総返済額や月々の返済額をシミュレーションし、メリットとデメリットを具体的に把握することも大切だ。
またカードローンの借り換えは、メリットが大きい分、審査が難しい傾向がある。信用情報に問題がある場合、借り換えの審査が厳しくなる。
審査申込の前に信用情報をチェックし、審査にネガティブな影響を及ぼすような要素がないか確認することが欠かせない。
カードローンの借り換えのデメリットを知ってメリットを最大限に活用しよう
カードローンの借り換えには、審査や返済期間の長期化などのデメリットがある。
これらのデメリットを回避するためには、事前の条件確認やシミュレーションといった準備が重要だ。
さらに借り換え先の選定と審査対策を慎重におこなうことで、メリットを最大限に生かせる。
カードローンの借り換えを検討する際には、しっかりとした準備をし、デメリットを把握した上で最善の選択をしよう。
借り換えを上手に活用できればより効率的な返済が可能になる。
本記事で紹介したデメリットとメリットを念頭に、自分にぴったりの乗り換え先を確認して早速、審査申し込みしよう。