- 一括返済すると利息は戻ってきますか?
- 一括返済の流れや具体的な方法がわからない
- 一括返済のメリット・デメリットを知りたい
カードローンの利息を抑えたいときの選択肢として「一括返済」がある。
一括返済とは、借りたお金を任意で一度に返し、完済する方法だ。
ローンの返済は、毎月決まった日に決まった額を返済する「約定返済」が一般的であるが、これまでの借り入れをまとめて返す一括返済も使える。
本記事では、カードローンの一括返済について、どのような利点や気を付けるべき点があるのか解説する。
手続きのながれやどのような場合に一括返済を選択すると良いのかなど、実用的な内容も記しているため、参考にしてほしい。
一括返済について知識を深め、コストを抑えつつ便利にカードローンを活用しよう。
カードローンを一括返済するメリットとは?
カードローンを一括返済すると、どんな効果があるのだろうか。
主な利点は、次の通りだ。
利息を減らし返済総額を軽減できる
カードローンを一括返済しても、支払い済みの利息は戻ってこない。
しかし、将来負担する利息を無くすことはできる。
カードローンの利息計算は、日割りで計算を行い、1日過ぎる度に増えていく仕組みだ。
つまり、借り入れの日数が短くなるほど利息は減少する。
一括返済を早く行えば、総支払額は少なくなるのだ。
カードローンは住宅ローンなど他のローンと比べて金利が高く設定されているため、たとえ少額でも返済期間を短縮することで、利息を大きく減らせる。
一括返済による利息軽減の効果というのは、非常に大きい。
例えば、100万円を年利15%で借りると、1年で約15万円の利息がかかる。
これを半年で一括返済すると、利息は半分以下に抑えられる。
また利息を減らせるだけでなく、借入枠も増やせる。
新たに借入枠を確保しておけば、突発的な出費に柔軟に対応でき安心だ。
一括返済は、総負担額を軽減するだけでなく、将来の資金計画にも良い影響を与える。
信用情報に良い影響を与えることがある
カードローンの返済状況は、信用情報として登録される。
信用情報とは、借り入れや返済の履歴を残したもので、新たなローンの審査に活用される。
遅滞なく完済すれば、信用情報機関に「完済」と記録され、プラスの評価がつく。
これにより、「返済能力が高い」とみなされ、次回のローン審査が有利に働くこともある。
金利面や借り入れ限度額の面でより条件の良い契約ができる可能性が高まるのだ。
これは、カードローンの審査だけでなく、クレジットカードや住宅ローン、自動車ローンなど、その他の借り入れにも当てはまる。
将来大きな額の借り入れを検討しているのであれば、信用力を高めておくことで、よりスムーズに融資を受けられる。
一括返済は、単に現在の債務を無くすだけでなく、将来の金融取引全般にわたって良い影響を与える可能性がある。
借り入れの精神的な負担を減らせる
一括返済は、お金を借りていることに対するプレッシャーを解消できる。
借り入れをすると、残債が減らない焦りや資金が足りるかといった不安を持ち続けなければならない。
また、返済期日の管理や手続きの煩わしさもある。
借り入れがあることで、日常でストレスを感じる機会も多くなるのだ。
しかし、完済をすれば、返済のプレッシャーを手放せる。返済の負担が早い段階でなくなれば、新たなライフイベントや大きな支出の計画を立てやすくなる。
結婚や家の購入、起業など、人生の転機に向けて準備を始めやすくなるだろう。
経済的な柔軟性が増すことで、より前向きな人生設計が可能になるのだ。
借金をなくせば、生活にゆとりが生まれ、精神的な安定につながる。
カードローンを一括返済する具体的なやり方と流れ
この章では、一括返済の手順を解説する。
返済完了までのポイントを押さえながら順番に見ていこう。
現在の借入額を確認する
借入先のウェブサイトやアプリなどで、現在の借入額を確認しよう。
定期返済の直前のときは、数日で借入額が変動するため、できれば返済後の金額を確認した方が把握しやすい。
カードローンによっては、専用のフリーダイヤルに問い合わせなければならないケースもある。
一括返済の日にちを決める
返済日を決定するのは、利息を含めた実際の返済額を確定させるためだ。
利息は1日ごとに加算されていくため、日付によって支払う返済額は変わる。
そのため「いつ返すのか」をはっきりさせる必要がある。
当日返済ができなかった、忘れていたとなれば支払額も変わってきてしまう。
確実に手続きができ、ローン会社に着金できる日をしっかり見定めてほしい。
一括返済に必要な金額を計算する
一括返済では、借入金額だけではなく、借入金額に日割り計算の利息を足して手続きをしなければならない。
延滞があれば、そこに遅延損害金も加わる。
利息は、返済日に応じた金額を正確に把握する必要がある。
利息の計算方法は以下のとおりだ。
上記の計算式を用いて算出したり、公式サイトの試算ツールを使って正しい利息を算出しよう。
一括返済の方法を決める
返済方法は、次のようなものがある。
- ATMを利用し借入先に入金する
- インターネットバンキングにて振り込む
- 窓口に赴いて直接返す
なおATMを使う場合は、手数料が必要になることもあるため注意が必要だ。
一括返済は利息分を含むため、1円単位の支払いになることが多い。
その場合コンビニのATMなどでは硬貨を取り扱っておらず、金融機関の店舗内にあるATMでしか手続きできない。
利用時間等を確認の上、確実に手続きができるように気を付けよう。
返済を実行する
返済日に、手続きを行う。
万一金額を誤って完済できなかったときは、不足分を改めて入金する必要があるため、間違いなく手続きをしよう。
入金後は、完済したか確認のため、ウェブかアプリで借入残高がゼロになっているか見ておきたい。
完済時は、「完済証明書」を発行してもらえる場合がある。
完済証明書は、住宅ローンやマイカーローンの審査を受けるにあたって提出が求められる書類だ。
完済証明書発行の依頼方法は、カードローン会社により異なるため、借入先に確認しておこう。
カードローンを一括返済するデメリットと注意点
一括返済には、デメリットもある。
手続き前に知っておきたい、注意点をまとめた。
手続きに手間や手数料がかかる
一括返済は、自動で口座から引き落とすことはできない。別途ATMで入金や振り込みなど特別な手続きが必要となり、手間がかかる。
また、事前にカード会社への連絡が必要なケースもある。
利息は、日割り計算のため日々変動するため、一括返済日を起点に返済金額の正確な確認が不可欠だ。
さらに金額が確定すれば、日をまたぐことなく迅速に手続きを完了させなければならない。
このように返済のタイミングにも細心の注意を払う必要があるのだ。
加えて、振込手数料やATMの利用手数料が必要なことがある。手数料は、元金と利息に加えて支払う必要があり、予想外の出費となることもあるため注意が必要だ。
返済額によっては自己資金が大きく減る
一括返済を実行するには、まとまった資金が必要だ。
しかし、一括返済を目的とするあまり、貯金を切り崩し、本来必要な生活費を使ってしまうと、家計に大きな負担がかかる可能性がある。
最悪の場合、生活費が足りず、新たな借り入れのきっかけになってしまいかねない。
一括返済はかえって経済的負担が大きくなるケースもあるため、手持ちの資金が、十分でない場合は無理に返済をするべきではない。
あくまで余裕資金ができたときに検討するものであって、無理のない範囲で計画的に進めていくべきだ。
一括返済には数々のメリットがあるものの、今後の生活に支障をきたすようでは本末転倒である。
自身の経済状況を冷静に見極め、長期視点で判断してほしい。
返済完了後は確認や解約が必要
返済額の思い込みや計算ミスにより、返済金額が不足してしまうというケースもある。
一括返済したつもりで放置し、そのまま残金に利息がかかり続けるといった事態も起こりえる。
意図せぬ利息負担を防ぐためにも、確実に完済ができているか、必ず確認するようにしてほしい。
またカードローンは借入額がゼロになっても契約自体は残る。
契約が残ったままだと、借入枠を確保していることになり、他のローンの審査に影響が出ることもある。
解約は別途手続きが必要だ。
ただし、一度解約してしまうと、次の申し込み時に再び審査を受けなければならない。
そのため、今後の資金需要を見据え、契約を残しておくという選択肢もある。完済後の対応は、自身の資金計画に応じて慎重に判断をしよう。
カードローン一括返済をするべきか迷っている場合の判断基準
一括返済の利点や注意すべき点をみてきたが、どのような場合に一括返済を選択するのが適切なのだろうか。
一括返済を判断するべきポイントを確認していこう。
返済総額や返済期間を再確認する
一括返済の検討時に、最も重要なのは今後支払う利息の総額を正確に把握することである。
一括返済により支払総額がどれだけ減るのかを確認し、その効果が大きければ一括返済が妥当といえる。
試算には、利用中のカードローンの公式ホームページやアプリに用意されているシミュレーションを活用すると良い。
シミュレーションのツールは現在の借入残高や金利、返済期間などを入力するだけで、一括返済した場合としなかった場合の総支払額の差額を簡単に算出できる。
また、一括返済のタイミングによっても利息軽減の効果は変わってくる。
残りの返済期間が長ければ長いほど、一括返済による利息の節約は大きくなる。
一方、返済期間があと数ヶ月だけの場合は、一括返済のメリットが少ない可能性も考えられる。
シミュレーション結果を見ながら、最適なタイミングを見極めることが大切だ。
繰り上げ返済など他の選択肢と比較する
一括返済が難しい場合は、負担が軽い繰り上げ返済を選ぶこともできる。
繰り上げ返済とは、毎月の定期返済とは別に、余裕資金があるときに随時返済することだ。
一括返済のようにまとまった資金を準備する必要がなく、少ない金額でも手続きできるため、負担も小さい。
資金に余裕ができるたびに返済できるので、柔軟性も高い。
他にも、返済期間が長くなっても定期返済を選択する方が賢明なケースもある。
例えば、低金利のカードローンの場合や、資金を他の高金利の債務の返済に充てられる場合などだ。柔軟に返済方法を使い分けて、最も効果的な返済方法を選択してほしい。
資金力と一括返済以外の資金活用を検討する
一括返済をすべきかの判断は、現在の資金状況と併せて将来の資金計画を考えることも大切だ。
今一括返済できる資金があるかに加えて、近い将来に大きな出費予定はないかを確認しよう。
さらに一括返済後も、安定した収入を確保できるかどうかも考慮してほしい。
実は、手元に資金があるからといって、必ずしも一括返済が最良の選択とは限らない。
その資金を別の方法で有効活用できる可能性もあるからだ。
例えば、次のような選択肢が考えられる。
- 家具や車を購入して生活の質を上げる
- 必要な物を早めに購入し使用期間を延ばす
- 投資をして利益を得る
特に、カードローンの金利が低い場合は、その資金を運用して得られる利益がローンの利息を上回ることも想定される。
最終的な判断には、現在の資金状況だけでなく、中長期的なマネープランを立てる必要がある。
5年後、10年後の生活やキャリアを想像し、それに向けた資金計画を立てる。
その中で、一括返済がどのような効果をもたらすのかを考えることで、より賢明な判断ができるだろう。
カードローンの一括返済を状況に応じて活用しよう
本記事では、カードローンの一括返済についてその効果と注意点を挙げ、検討する際に注目したいポイントについて解説した。
一括返済は、利息の削減や信用情報の向上、心理面の負担軽減という利点がある。
一方で、返済手数料の発生や自己資金の大幅な減少に気を付けなければいけない。
そのためにも、検討するときは、自身の収支バランスをふり返り、無理がない範囲で進めることが重要だ。
また、余剰資金の確認や、他の支出とのバランス、そして繰り上げ返済などの代替手段との比較も併せて行ってほしい。
さらに、完済後の生活への影響や今後の資金需要も考慮に入れておくと、より確度の高い計画が立てられるだろう。
カードローンは、適切に利用すれば生活の不安や悩みを解消し、人生の選択肢を広げる可能性がある。
一括返済という選択肢も、自身の状況に応じて実行することで、より効果的に使える。
返済方法のコツを理解した上で、カードローンを賢く活用し、より豊かな生活を実現してみてほしい。