- カードローンの返済が遅れたらどうなるか知りたい
- カードローンの延滞を回避する方法を知りたい
- 返済が遅れてしまった場合の適切な対処法が知りたい
契約時に定めた限度額の範囲内で繰り返し借入ができ、いつでも融資を受けられることが魅力のカードローン。
急な資金需要に対応しやすいことから便利なサービスだが、借りたお金は返済しなければならない。借りたお金を返済しないとどうなるのだろうか。
本記事では、カードローンの返済が遅れた場合のデメリットや延滞した後の流れを紹介していく。
返済が遅れそうなときの対処法や延滞を防ぐための対策も解説していくので、ぜひ本記事を参考に計画的な借入を実践しよう。
カードローンの返済が遅れた場合のデメリット
カードローンの返済が遅れた場合、以下のようなデメリットが生じる
- 遅延損害金が発生する
- サービスの利用が停止される
- 信用情報に「延滞」が記録される
- 法的措置を取られることもある
それぞれのデメリットを認識し、返済しないとどうなるのかを理解しておこう。
遅延損害金が発生する
返済期日を守れず、延滞した場合は「遅延損害金」が発生してしまう。遅れた日数分が加算されていくため、なるべく早く返済することが大切だ。
カードローンでは金利の上限が15%〜18%に設定されるケースが多い一方、遅延損害金はほとんどの商品で20%に設定されている。
金利よりも負担が重くなりやすく、日数を重ねるほどに金額が膨らんでいくため注意しておこう。
サービスの利用が停止される
期日を守れずに延滞してしまった場合、カードローンの利用が停止されてしまう。完済するまでは追加の借入ができなくなってしまう点がデメリットだ。
利用停止となるタイミングは商品によって異なるが、返済期日を過ぎて数日間で使えなくなるケースもある。
返済をうっかり忘れて延滞してしまったという場合も利用停止されてしまうため注意が必要だ。
信用情報に「延滞」が記録される
カードローンの申し込みや利用、返済に関する情報は信用情報機関に登録される。
そして信用情報には延滞した情報も記録されてしまう。個人の信用情報に傷が付いてしまう点も延滞のデメリットだ。
銀行や消費者金融、クレジットカード会社などは審査を行う際に信用情報に登録された情報の照会を行っている。
つまり、今後住宅ローンやマイカーローン、クレジットカードなどを契約しようとしたときに延滞した事実が審査でマイナスになってしまう可能性があるということだ。
延滞に関する信用情報は「完済から5年」は信用情報機関に残り続ける。すべて返済し終えた上で5年経過しないと回復しないため注意が必要だ。
一時的な延滞ですぐに返済していれば「うっかり返済を忘れていた」と判断される場合もあるが、延滞を繰り返したり、長期間滞納していたりすると今後の審査はかなり厳しくなってしまう。
信用情報に傷が付くリスクを頭に入れた上でカードローンを利用しよう。
法的措置を取られることもある
延滞が続くと督促状が送られ、最終的には法的措置を取られる可能性もある。
給与や預金などの財産を差し押さえられるリスクがあることを頭に入れておこう。
差し押さえが行われると阻止できず、給与や預金などが強制的に差し引かれてしまう。
特に給与の場合は全額の支払いが完了するまで差し押さえが継続し、その間はボーナスや退職金なども対象となる。
法的措置を取られる可能性があることを念頭に置いた上で、延滞をしないように計画的に利用しよう。
カードローンの返済が遅れたらどうなる?
カードローンの返済が遅れた場合、以下のような流れになることが一般的だ。
- 確認の連絡が入る
- 督促状が送られる
- 一括返済を要求される
- 裁判所から支払督促が届く
- 財産の差し押さえが行われる
流れに沿って解説していくので、延滞したときにどういった流れになるのかを確認しておこう。
確認の連絡が入る
返済期日を過ぎても返済が行われていない場合、まずはカードローン会社から確認の連絡が入る。
電話やハガキなどで返済の催促が行われる。このタイミングでは、先ほど解説した通りにサービスの利用が停止されることが多い。
確認の連絡で滞納に気が付いた場合は、すぐに返済を行うことが大切だ。この段階であれば深刻な事態に発展するリスクは低いため、早めに対処しておこう。
督促状が送られる
確認連絡などを無視したり、連絡があっても返済をせずにいたりすると、郵便で督促状が送付される。
督促状には法的な強制力はないものの、確認の電話よりも強く支払いを要求するという意味合いが込められている。
一般的に督促状には未払いの借入額や利息、遅延損害金などの内容が記載されており、早急な入金を求める内容が記載されている。
この段階でも早く対処することで深刻な事態を回避できる可能性があるため、なるべく早く返済しよう。
また、どうしても返済が厳しいと感じているのであれば、弁護士などへの相談を早めに行うことも大切だ。
一括返済を要求される
督促状も無視して対応せずにいると、内容証明郵便で借入額の一括返済を要求する内容の催告書が届く。
決められた期日までに借入額を一括で支払うことを求める旨や、法的措置を検討しているという内容が記載されているケースもある。
普通郵便で送付される督促状とは違い、催告書は内容証明郵便で送付されるため「気が付かなかった」では済まない。
催告書が届いて一括返済を要求された場合は、弁護士などの専門家への相談を推奨する。
裁判所から支払督促が届く
一括返済などの請求にも応じずに放置していると、裁判所から支払督促が届く。支払督促には、借入金や利息、遅延損害金の一括返済を要求する内容が記載されている。
裁判所から支払督促が届いた段階では、自力で対処することが不可能なケースがほとんどであるため、弁護士への相談を早急に行うことが大切だ。
財産の差し押さえが行われる
支払督促が送付された上でも対応をせずにいると、預金や給与などの差し押さえが行われる可能性がある。
特に、給与を差し押さえられると生活が苦しくなってしまったり、職場の人に延滞を知られてしまったりといったリスクがある。
早急に弁護士に相談し、適切な対処を行うことが大切だ。
先ほど延滞のデメリットとして「法的措置を取られることもある」と解説したが、実際には返済の要求や督促を無視して対応を怠り続けない限りは法的措置の可能性は低い。
法的措置のリスクを回避するためにも、なるべく早い対処が重要だ。
カードローンの返済が遅れてしまいそうな時はどうする?
延滞後の流れを見て分かる通り、返済が遅れそうなときに対応せずにいると法的措置を取られるリスクがある。
返済が遅れてしまいそうなときにはどのように対処すれば良いのだろうか。
ここでは、返済が遅れてしまいそうなときの対処法を紹介していく。
早めにカードローン会社に連絡する
今月の支払いが厳しく、返済が遅れてしまいそうだと判断した場合は早めにカードローン会社に連絡しよう。場合によっては返済期日を猶予してくれる可能性がある。
「支払う意思がありながら返済が難しい状況にある」という説明をするだけでも、会社側の対応が変わる可能性はある。
支払う気がないと判断されると淡々と然るべき対応が行われてしまうため、返済の意思がある上で厳しい状況にあることを相談しよう。
分割返済を提案する
どうしても期日までの返済が厳しい場合、分割での返済をカードローン会社に提案するというのもひとつの手だ。
分割で返済できる見通しを示して納得してもらえれば、分割返済の提案を受け入れてくれるかもしれない。
ただし、特に根拠もなく分割返済を提案しても認めてもらえない可能性がある。
収入や支出の見通しを立て、分割であれば返済できる根拠を明確にした上で返済計画を伝えると、分割返済に対応してもらえる可能性があるだろう。
しかし、分割返済を受け入れてもらえるかどうかは会社や状況によって異なり、必ずしも対応してもらえるとは限らないため注意が必要だ。
専門の相談機関を利用して債務整理を行う
「どのように計画を立てても返済できる見通しが立たない」「分割返済の提案が通らなかった」という場合は、債務整理を検討するほかないだろう。
弁護士事務所などの相談機関を利用し、債務整理の手続きを行おう。
債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」という3種類がある。いずれも手続きが煩雑であり、自力で行うことは極めて難しい。
債務整理に強みを持つ弁護士に相談を行い、適切な手続きで債務整理を行おう。
また、弁護士への相談が遅れると訴訟や差し押さえなどの法的手段を取られてしまい、不利な状況となっていく。
返済が厳しいと感じたタイミングで速やかに弁護士に相談し、対策を講じることが大切だ。
カードローンの延滞を防ぐための対策
ここまで「カードローンを返済しないとどうなるか」を解説してきたが、重要なのは未然に延滞を防ぐことである。
延滞を防止するための対策法として以下の4つのポイントを頭に入れておこう。
- 無理のない借入額を設定する
- 定期的に借入残高を確認する
- 返済日を通知するリマインダーを設定する
- 自動引き落としを設定する
それぞれのポイントを解説していく。
無理のない借入額を設定する
まず、基本となるのが「無理のない借入額を設定してから借り入れる」という点だ。
身の丈に合わない借入を防ぐためにも事前に返済計画を立て、無理のない範囲で借入額を設定しよう。
返済計画を立てる際には、はじめに毎月の余剰資金の把握が重要だ。約定返済額(毎月の返済額)が余剰資金の範囲内に収まっていれば、無理なく返済できる。
収入・支出の見通しを立て、毎月どの程度の金額を返済に回せるのかを把握しよう。
そして、借入額ごとの約定返済額の確認も大切だ。「〇〇万円を借りたら約定返済額が△△円になる」といったイメージを理解しておくことで、適切な借入額を設定できる。
余裕を持って返済できる範囲内の借入に留めて延滞を防いでいこう。
定期的に借入残高を確認する
カードローンは借入限度額の範囲内で繰り返し利用でき、簡単に融資を受けられることが魅力の商品だ。
しかし利便性が高いゆえに借入残高を把握せずに借入を重ねてしまうケースも少なくない。
気が付いたときには借入残高が膨らんでしまい、返済できない水準まで借りてしまう可能性があるのだ。
過剰な借入を防ぐためには、定期的に借入残高をチェックして利用状況を把握することが重要となる。
追加の借入を行う前に必ず残高を確認し、更なる借入を行っても無理なく返済できるかどうかを確認しておこう。
もし、定期的に残高を確認していても自制心が働かずに借入が膨らんでしまうのであれば、借入限度額の減額も検討した方が良いだろう。
強制的に借入をストップさせる仕組みにすることで、過剰な借入を防げるためだ。
返済日を通知するリマインダーを設定する
返済期日が到来していることに気付かず、うっかり延滞してしまうというパターンも少なくない。
うっかり忘れてしまうケースを防ぐために、返済日を通知するリマインダーを設定しておくと良いだろう。
近年はスマートフォンの基本的な機能としてリマインダーが搭載されている。
返済期日の前日などに通知が来るように設定し、うっかり返済が忘れてしまうことがないようにしておこう。
自動引き落としを設定する
返済期日までに自分で振込を行う返済方法の場合、うっかり忘れて期日を過ぎてしまうケースが少なくない。
口座から自動で引き落とされる返済方法を活用し、強制的に返済を行う仕組みを構築しておくと良いだろう。
ほとんどのカードローンでは、口座からの自動引き落としによる返済に対応している。
わざわざATMに出向いて現金を入金する必要がなく、勝手に毎月の返済が完了するため非常に便利だ。
ただし、口座の残高が不足していると返済できず、延滞となってしまう恐れがある。
口座残高がギリギリの状態だと延滞するリスクがあるため、余裕を持って口座にお金を入れておくことが大切だ。
返済しないとどうなるかを理解してカードローンを計画的に利用しよう
カードローンの返済が遅れた場合、遅延損害金の発生や信用情報への悪影響といったリスクがあり、最悪の場合は法的措置を取られるリスクがある。
事前に自動引き落とし設定をしたり、リマインダーを利用したりするなどの防止策を講じて延滞を防ぐことが大切だ。
また、返済が難しいと感じた場合は早めにカードローン会社に連絡し、返済期日の猶予や分割返済の対応などを相談することが重要となる。
それでも返済ができないのであれば、弁護士に相談して債務整理手続きを進めることを推奨する。
延滞によるリスクは多いものの、借入額を適切に管理しておけば返済トラブルは回避でき、信用情報への影響も最小限に抑え込むことが可能だ。
ぜひ本記事の内容を参考にして延滞のリスクを回避し、賢く借入を利用していこう。