- カードローンの限度額はどう決まるのか知りたい
- 年収に応じたカードローンの限度額が知りたい
- 自分がカードローンでいくらまで借りられるか確認したい
「カードローンを利用したいが、いくらまで借りられるのか」「収入によって上限は決まっているのだろうか」カードローンの仕組みは複雑で、いくら資金調達できるのか不明確なことも多い。
しかし、事前におおまかな目安を把握しておきたいという人もいるだろう。
本記事は、カードローン限度額の決定要素について、年収の影響を中心に解説する。年収別の借り入れできる上限額の目安を表に示しているため参考にしてほしい。
また、契約後に利用限度額を引き上げる方法についても説明する。
カードローンは、おおまかな上限額や決定の要素を把握しておくことで、適切かつスムーズな借入ができる。
年収と限度額の関係を整理し、計画的な借入を目指そう。
カードローンの限度額とは何か
まずは、カードローン限度額の定義やしくみについて解説する。
カードローンの限度額には2つの種類があるため、それぞれの違いも押さえておこう。
限度額は借入できる上限額
限度額とは、借り入れができる最大の金額のことを指す。この上限額の範囲内で、利用者は繰り返し自由に借入ができる。
例えば、限度額100万円で70万円の借入をしている場合、残り30万円を借りられる。返済が進むと、その分だけ再び上限額が増えていく。
限度額は、個人の返済能力を超えた貸付を防ぐために、厳正な審査を通じて決定される。
各カードローン業者は独自の基準で限度額を決定するが、その詳細は公表されていないことが多い。
カードローンの限度額には、2つの種類がある。
- 商品ごとの限度額
- 利用者ごとの限度額
どちらも「借入限度額」と表現されることが多いため、混乱しやすい。以下の章で、これら2つの違いについて詳しく見ていこう。
商品ごとの借入限度額
「商品ごとの限度額」は、各カードローン商品で定められている貸付上限額を指す。
その商品で借り入れできる金額の最大値を示すもので、多くは500万円から1,000万円の範囲で設定されている。
広告や商品説明で目にする「利用限度額○○円」という表示は、この「商品ごとの限度額」のことだ。
カードローンの紹介ページを見ると、大きな金額が明記されており、魅力に感じてしまう。ただ、この金額が必ずしも実際に借りられる金額とは限らない。
「商品ごとの限度額」は、商品の最大可能借入額を示すものであって、実際に借りられる金額とは異なることがほとんどだ。
実際の借入可能額は、別途決定する「利用者ごとの限度額」によって決まる。
利用者ごとの借入限度額
「利用者ごとの限度額」は各利用者に個別に決まる借入可能な上限額のことだ。上限額は、多くの場合1万円単位で決定される。
「利用者ごとの限度額」は、「商品ごとの限度額」の範囲内で、申し込み後の審査によって決まる。
広告や商品説明に記載されている額よりも実際の借入限度額が少なかったというケースがあるのは、このためだ。
「利用者ごとの限度額」は、個々の利用者の信用力や返済能力に応じて個別に設けられた実質的な借入上限額なのである。
カードローンの限度額の決まり方
カードローン選びでは、商品ごとの上限額を気にしてもあまり意味がない。
実際自分がどれだけ借りられるのかを把握するほうが重要だ。ここでは、上限額の決定要因を見ていこう。
利用実績などの信用情報
ローンの契約や借入、返済の際に記録される取引履歴のことを「信用情報」と呼び、国内では、主に3つの機関(CIC、JICC、KSC)が信用情報を管理している。
カード会社は、これらの機関に申込者の信用状況の照会を行い、他社での借入状況や過去の利用実績、延滞の有無などを確認を行う。
その上で、貸付の可否や上限額の判断をしている。信用情報は年収とも関連がある。
年収に対して借入額が多すぎる場合や、返済が滞っている場合は信用度が下がり、結果として限度額が小さくなる可能性が高い。
一方、安定した収入があり、適切な借入・返済履歴がある場合は、より高い限度額が認められることが多い。
信用情報はカードローンの審査において重視され、個人の返済能力を適切に評価するための指標となっている。
年収などの返済能力
カードローンの限度額を決める上で、もう一つ重視されるのが「返済能力」だ。返済能力は、主に収入によって判断される。
収入の多さは返済能力が高いという評価に繋がるが、収入の安定性も重視される。
正社員は最も安定的な収入を得られると見なされ、フリーランスやアルバイトの場合は、収入の波や雇用の継続性を確認される。
また、仕事内容、勤め先の規模、勤続年数なども判断要素となる。
これらの項目を総合的に判断して返済能力が評価されるが、中でも特に重要視されるのが年収だ。
年収が特に重視される理由は、次章で詳しく説明する「総量規制」に深く関わるからである。
総量規制は年収を基準に借入可能額を制限する仕組みのことで、カードローンの上限額に大きな影響を与えている。
限度額に大きく関わる総量規制
総量規制とは、年収の3分の1を超える貸し付けを禁止するルールのことだ。過剰な貸付を防ぎ、多重債務問題を解決するために設けられている。
例えば、年収300万円の人の場合、借入ができるのは100万円までと定められている。対象は貸金業者である消費者金融やクレジットカード会社であり、銀行系カードローンは対象外だ。
しかし、多くの金融機関が同基準のルールを設け、慎重に審査を行っている。注意すべきは、この規制が他社ローンを含めた総額で判断されるということだ。
カードローン会社間で借入の情報が共有され、申告がなくても審査時に判明する。
年収ごとのカードローン限度額の目安
ここでは、初回申し込み時の限度額の想定額を年収別にまとめている。大まかな上限額を知り、申込時の計画や希望額の参考にしてほしい。
また、初回限度額が低くなる理由や注意点についても解説する。
年収別カードローン限度額の目安一覧
参考までに年収別のカードローンカード限度額の目安をまとめた。
年収はあくまで審査基準のひとつで、それ以外の要素も含め最終的な上限額が決定される点に留意してほしい。
年収 | 総量規制による限度額 | 想定限度額 |
---|---|---|
100万円 | 33万円 | 10~30万円 |
150万円 | 50万円 | |
200万円 | 66万円 | 20~50万円 |
250万円 | 83万円 | |
300万円 | 100万円 | 30~80万円 |
400万円 | 133万円 | 50~100万円 |
500万円 | 166万円 | 50~150万円 |
限度額は審査によって決定されるため、明確には決まっていない。
ただ言えるのは、借入総額が年収の3分の1までと決まっている総量規制やそれに準じた制度により、最低限必要な年収額はおのずと決まってくるということだ。
年収が高ければ総量規制の範囲も大きくなり、上限額も高くなる傾向が強い。
初回申込の限度額は低いことが多い
カードローンの借入できる限度は、会社によって幅広く決められているが、初めて申し込む時には低く抑えられることが多い。
カード会社や銀行としても、どのような借り方をするのか、返済がきちんとできるかが把握できないからだ。
そのため、多くの場合、貸せる上限額の中で最も少ない額が設定される。
実績のない人に対して慎重にせざるをえないための措置であるため、適切に使い、遅れずに返済し続ければ、将来的に借りられる金額を増やせる可能性がある。
利用実績を積み重ねていけば、増額の希望が通ったり、カードローン会社の方より借入枠を増やす案内が来たりすることもある。
借入限度額に関する注意点
カードローンの上限額に関して、気を付けてほしいポイントは次の通りだ。
無理のない範囲で希望する
限度額が大きければ良いというわけではない。希望額が大きいと審査が厳しくなり、時間を要する。
また、必要以上の上限枠を持っていると、つい多めに借りてしまう危険性もある。特に新規の場合は、確実に返済できる範囲内で適切な額を希望することが大切だ。
計画的な返済を進められる金額を設定し、スピーディーに手続きができるようにしよう。
希望通りになるとはかぎらない
審査の結果によっては、申込金額よりも小さい額でしか契約できないことがある。例えば、100万円を見込んで申し込んでも、50万円しか承認されず、資金が足りず困ることもある。
資金不足の事態を避けるために、余裕を持った計画を立てることが重要だ。
収入証明書が必要になることもある
次の場合は、収入証明書類の提出が求められる
- 1社からの借入が50万円を超えるとき
- 複数社からの借入合計が100万円を超えるとき
大きな借入額を希望する際は、資金力を示す書類が必要になる。提出できない場合、希望通りの上限額が認められないこともある。
必要に応じて、事前に用意しておくことをおすすめする。
カードローンの限度額を引き上げるには?
利用限度額は一度契約をした後でも、変更できる。審査で承認されれば増額することも可能だ。
ここでは増額のメリットやリスク、適切な申請のタイミングについて解説する。
限度額引き上げのメリット
限度額を引き上げると、次のような利点がある。
新規契約よりもスムーズ
限度額の引き上げは、新規で契約するよりも手続きがスムーズだ。
増額審査はこれまでの利用実績が考慮されるため、問題なく利用や返済していれば有利に働き、素早く審査が下りる可能性が高い。
増額できれば、新たにカードを発行する必要がないので、手元のカードですぐに借入ができる。
金利が下がることがある
カードローンは一般的に、利用限度額が上がるほど金利が下がるよう設定されている。上限額が高くなると借入利率が下がり、結果として利息が減ることが多い。
長期的に見ると、大きな負担の軽減につながる可能性がある。
いざというときの備えになる
限度額を大きくしておくことで、急な資金需要に対応できるようになる。必要に迫られて慌てて申し込むよりも、余裕のあるときにあらかじめ増額しておけば安心だ。
増額申請のタイミング
限度額の増額がスムーズにいく時期は、主に2つある。
一定期間の利用実績を積んだとき
利用実績が少ないままの増額申請は、カードローン会社も判断材料がないため難しい。
そのため返済を順調に行っている実績を作ったのちに、申請をするのが望ましい。
実績があると見なされる期間に明確な基準はないが、商品によっては増額申請は利用6か月以上と明記されていることがある。
返済能力が上がったとき
収入の状況に変化があったときも、増額申請の良い機会だ。
収入が大きく上がれば、総量規制である年収3分の1のルールをクリアできる可能性が高くなる。
収入金額の増加だけではなく雇用形態が変更され、安定的な収入が確保できるようになったときも返済能力が上がったと見なされ増額になる可能性がある。
増額の申請は店頭や電話、ウェブサイトを通じて申請を行う。増額時も申請の内容の裏付けのために、再審査が実施される。
審査のポイントは基本的には新規申込み時と変わらないが、直近の収入や他社の借入状況なども確認される。
増額に伴うデメリットやリスク
増額には、デメリットもある。
注意点をまとめたので、あらかじめ把握しておこう。
借りすぎのおそれ
限度額が増えると、つい必要額を超えて借りてしまう危険性がある。余裕ができたからといって、安易に借入額を増やさないよう注意が必要だ。
常に無理なく返済できるかどうかを念頭に置き、計画的な利用を心がけよう。
他のローンへの影響
カードローンの利用上限額を広げると、他の借り入れにも影響を及ぼしかねない。
例えば、住宅ローンやマイカーローンの審査時にカードローンの限度枠が借入とみなされ、審査が承認されない原因になる可能性がある。
将来的な借り入れ計画も考慮し、増額を検討してほしい。
必ず増額されるとは限らない
増額の審査は、必ずしも通過するとは限らない。審査には利用状況やこれまでの返済実績も関わってくるため、年収が増えていたとしても、認められないこともある。
場合によっては、限度額を引き上げるよりも新規で申込みをしたほうが通りやすい。
実績や信頼が明らかに不足していれば、他社のカードローンに新規で申し込むことも一つの選択肢となるだろう。
カードローン限度額の目安を理解して有利に審査を進めよう
カードローンの限度額について、仕組みや決定の要因について解説した。
カードローンの上限は、主に信用情報や年収を基に決められ、年収の3分の1以下を目安に設定される。
ただし、個々の状況に応じて異なることもあり、特に初回は低い額で設定されることが多い。
カードローンを検討する際は、自身の年収や返済計画を把握し、適切な上限額で利用することが重要だ。
まずは現在の限度額の目安に申し込みをし、必要に応じて増額を検討しよう。
契約後、限度額の引き上げ申請は可能だが、再審査が伴い、リスクもあるため注意が必要だ。
また、上限金額に達した場合、増額申請だけでなく、利用実績を問われない他のカードローンの新規申し込みも選択肢の一つとなる。
カードローンは仕組みを知って慎重に検討すれば、いざというときに頼りになる存在となる。
自身のニーズに合った条件のカードローンを選び、安心で便利な資金調達手段を確保しておいてほしい。