- あんしんワイドの借入限度額がいくらか知りたい
- 限度額がどのように決まるか知りたい
- 限度額を増額できる方法があるか知りたい
この記事では、GMOあおぞらネット銀行が提供しているビジネスローン「あんしんワイド」での借入限度額について解説する。
このビジネスローンは、事業開始時期や赤字のときでも事業資金が調達できるため、スタートアップ企業や中小企業からの利用が多い。
ローンサービスの借入限度額が高ければ高いほど、企業の事業拡大にともない支出が増えたときでも、容易に事業資金の調達ができる。
このため、あんしんワイドでの限度額、その金額が決定する仕組みを紹介する。
さらには限度額を増額する方法、および借入限度額が減額されるケースについても説明する。
スタートアップ企業や中小企業の経営者や経理担当の人は、参考にしてほしい。
GMOあおぞらネット銀行「あんしんワイド」の借入限度額とは?
ここでは最初に通常の銀行融資とビジネスローンとの違いを解説し、そのうえでビジネスローン「あんしんワイド」の借入限度額を説明する。
また、このビジネスローンの借入限度額には幅がある。
誰もが限度額の上限に設定されるわけではないため、高い限度額が設定されるための条件についても説明する。
ビジネスローンと銀行融資の違い
ビジネスローンとは、銀行以外に、消費者金融や信販会社でも取り扱っているローンサービスだ。
両者の違いを以下の表でまとめたのでみていこう。
ビジネスローン | 銀行融資※ | |
---|---|---|
融資額 | 数百万円~1,000万円程度 | 数千万円~数億円 (場合のよってはそれ以上) |
金利 | 年1.0%~18.0% | 年1.0%~15.0% |
審査にかかる時間 | 申込即日~数日 | 1週間~2週間 |
審査難易度 | ビジネスローンと比べて、銀行融資の審査基準は厳しい傾向がある | |
保証人や担保の有無 | 不要 | 保証人や担保が求められる場合もある |
借入金を契約期間中に返済していくビジネスローンには、借入金が一括で支払われるローンサービスもあるが、借入枠を与えられるサービスもある。
この借入枠は借入限度額とも呼び、その限度額の範囲内であれば、何度でも繰り返して借入や返済ができる。
つまり限度額が高ければ、事業の状況に応じて、柔軟な資金調達が容易に行えるようになる。
※事業規模が小さいスタートアップ企業や中小企業は、銀行から資金調達することが難しい場合があるため、信用金庫や信用組合などの金融機関から資金調達することが多い
あんしんワイドの借入限度額
このビジネスローンの限度枠は、利用初年度は10万円〜 1,000万円までの範囲のなかで、10万円単位の額で設定される。
このローンサービスでは、限度額の範囲内ならば、手数料がかからず借入や返済が何度でもできる。
申し込みの際に設定される限度額は、GMOあおぞらネット銀行での審査によって決定される。
ローン契約は1年ごとに更新され、その際に限度額や金利などの借入条件が見直されることもある。
借り入れに対して着実に返済を行い、銀行側からの信用が高まれば、利用開始から2年目以降の契約更新時に最大1,500万円まで限度額が拡大されることもある。
あんしんワイドの限度額の決まり方
先述したように、このビジネスローンの限度額は、GMOあおぞらネット銀行での審査によって決定される。
だが、この銀行での審査内容や審査基準は、公開されていない。
このためビジネスローンでの一般的な審査内容を前提に、GMOあおぞらネット銀行が限度額を検討するうえで、重視されるポイントを説明する。
さらに、このローンサービスの限度額を高額にするための方法も紹介する。
ビジネスローンの審査とは
ビジネスローンでは、一般的に「企業の収益力」と「代表者の信用力」が審査される。
それぞれの内容を説明するとともに、あんしんワイドでの限度額を設定するうえで重視される点を、ここでは解説する。
企業の収益力
企業の収益力とは、企業が事業を通じて得た利益額のことだ。
企業の利益額が多ければ多いほど、ビジネスローンでの借り入れに対する返済能力は高まるため、ビジネスローンの審査に通過しやすくなる。
また返済能力、つまり収益力が高ければ、借入限度額も高く設定される。
この収益力を判断するため、一般的にビジネスローンでは、企業の事業計画書や決算書の提出が求められることもある。
あんしんワイドでは、これらの書類提出は不要だが、申込前月とそれまでに継続した入出金明細を最低2ヶ月分提出しなければならない。
提出された企業の入出金明細をもとにして、銀行側では、その企業の収益力を評価する。
一方で2ヶ月以上の入出金明細がない場合には、銀行側は企業の収益力を評価できないために、借入限度額も低く設定されることが多い。
代表者の信用力
企業の収益力が高くとも、借り入れへの返済が着実に実施されなければ意味がない。
このため、代表者の信用力も調査され、審査を行う際の判断材料になる。
代表者の信用力は、信用情報機関で管理されている、代表者本人の信用情報の内容によって評価される。
この信用情報に代表者が債務整理などを行った記録、あるいは借り入れへの長期滞納などの記載が頻繁にあれば、ビジネスローンの審査に通過しない場合が多い。
これは、ビジネスローンの審査で、代表者の信用力が評価されなかったためだ。
GMOあおぞらネット銀行では、一般社団法人全国銀行協会の全国銀行個人信用情報センターに問い合わせ、信用情報を確認する。
この信用情報だけでビジネスローンの利用可否の判断ができない場合は、電話やZOOMを用いて、代表者本人へのヒアリングをオンラインで行うこともある。
初年度の契約から限度額を高額にするための方法
あんしんワイドを申し込む際には、最低2ヶ月分の入出金明細を提出すればよいが、できるだけ多くの入出金明細を提出するようにしよう。
企業への入出金額は、季節要因などによって収益が低い月、つまり入金が少ない時期や出金が多いときもあるだろう。
収益が低い時期にビジネスローンを申し込み、通常よりも内容が良くない情報だけを提出すれば、銀行側から「収益力が低い企業」とみなされることになるだろう。
収益力が低いと判断されれば、借入限度額も低く設定されるだけではなく、金利も割高になってしまう。
さらにGMOあおぞらネット銀行で、代表者個人の普通預金口座や企業の法人口座を事前に開設し、定期預金などの預け入れを行っておくと優遇される場合がある。
これは代表者本人や企業の資産状況が、銀行側で事前に把握でき、審査の際に返済能力を評価されることもあるからだ。
返済能力を高く評価されれば、金利は低く、借入限度額は高額に設定される可能性がある。
あんしんワイドの限度額を増額する方法
このビジネスローンでは、契約中のユーザーから借入限度額の増額を申し入れても、受付はされない。
ただし利用中のビジネスローンの返済状況、あるいは入出金状況が良好であれば、銀行側から増額などを含めた利用条件の変更案内がくる場合がある。
ここでは、この増額案内がくる可能性を、さらに高めるための方法を解説する。
freee入出金管理を法人口座に連携させる
無料で利用できる「freee入出金管理」を使って、他行の自社口座とGMOあおぞら銀行の口座を連携すれば、限度額や金利が好条件になる可能性がある。
このサービスで口座を連携すれば、GMOあおぞら銀行は、他行にある自社口座への入出金データーが把握できるようになるからだ。
つまり入出金データーが把握できれば、売上としての入金額や経費支出としての出金額が、銀行側でも確認できるようになる。
売上拡大や経費削減ができれば、企業の収益力も向上し、借入限度額を増額できる可能性も高まるはずだ。
この状況を銀行側でも入出金データーを通じて把握しているため、収益力の上昇が認められれば、GMOあおぞら銀行からも増額の案内が届くだろう。
このサービスは1,000社以上の金融機関と接続が可能だが、自社口座のある金融機関と連携が可能であるかを確認しておこう。
また連携が可能な金融機関であっても、その法人口座がインターネットバンキングの設定をしていなければ、freee入出金管理との口座連携はできないので注意しよう。
※freee株式会社「電子決済等代行業について」(ページ下部の「契約締結済みの金融機関」参照)
繰上返済や一括返済なども検討する
あんしんワイドでの借り入れに対して、着実な返済を続ければ、銀行側からの信用力も高まるはずだ。
企業への信用力が高まれば、銀行側も取引を増やすために、借入限度額の増額を案内する場合がある。
とくに、頻繁な繰上返済や一括返済など積極的な返済を行えば、銀行の信用はさらに高まるはずだ。
銀行からの信用が高まれば、借入限度額の増額が案内される可能性も高まるだろう。
GMOあおぞらネット銀行の口座での取引を増やす
この銀行を、企業のメインバンクにすれば、借入限度額が増額される可能性は高くなるだろう。
しかしメインバンクにすることが難しければ、この銀行の口座を使った取引を増やすように努めよう。
GMOあおぞらネット銀行での取引が増えれば、銀行側での審査が優遇され、限度額増額が案内されることもある。
具体的には、以下の取引を増やすことが、借入限度額の増額につながる。
- 入金取引
- 顧客からの入金用のメイン口座にする
- 各種助成金や補助金の受取口座に設定する
- 出金取引
- 事業経費の支払いのメイン口座にする(賃料など定常的に発生する支払先への振込設定をする)
- 税金や社会保険料などの納付口座にする
- 日本政策金融公庫などの公的融資金への返済のための引落口座に設定する
- 中小企業基盤整備機構の小規模企業共済などの掛金の振込口座に設定する
- その他取引
- 従業員の給与口座とする
- GMOあおぞらネット銀行が発行する「GMOあおぞらビジネスクレジットカード」を、コーポレートカードとして役員や従業員に配布し、経費の支払いに利用する
GMOあおぞらネット銀行の口座で上記の取引すべてを行うことができなくとも、取引が多ければ多いほど、増額できる可能性は高くなるはずだ。
あんしんワイドの限度額が減額されることはあるのか
このビジネスローンの借入限度額を増額する方法をここまで述べてきたが、限度額が減額されることもある。
限度額の減額は、企業の収益力や代表者の信頼力の評価が下がる場合に行われることが多い。
このような場合には、減額と同時に、金利も高く見直されることもある。
ここでは減額の原因となる、収益力や信頼力への評価が下がるケースを紹介するので、そのようなことにならないように注意してほしい。
口座連携が途切れている状態が長期間続く場合
先述したfreee入出金管理について、他行の自社口座との連携が途切れないように気をつけよう。
連携先となる他行のシステムの仕様やURLに変更があったときには、接続エラーにより連携できなくなっている場合がある。
もし接続エラーによって長期間にわたり口座連携ができなければ、GMOあおぞらネット銀行は、その間は入出金データーが把握できていない状態になる。
銀行側で企業の収益力が確認できなくなると、審査時の判断材料も得られないため、この状態が続くと減額される原因になる。
このサービスは、ユーザー側からも、複数の銀行口座の残高や入出金明細がまとめて管理できる。
このためfreee入出金管理での連携が途切れないように、定期的にシステムへログインして、口座連携の状況を確認しなければならない。
企業の収益力が継続的に低下している状況
売上低下による入金の減少、あるいは支払いの拡大による出金の増加が続けば、借入限度額が減額される場合がある。
入金が減少し出金が増えれば、銀行側は企業の収益力が低下していると判断してしまうからだ。
収益力が低下した企業に多額の借入限度額を設定していれば、企業が収益力以上の借り入れをしてしまうことを、銀行側は危惧するようになる。
この状態で、もし企業の経営が破綻した場合には、銀行側も多額の貸し倒れを被る危険性がある。
このリスクを回避するために、銀行側は借入限度額を減額することがある。
他社から借り入れが増加した場合
他社からの借り入れが増えると、借入限度額が減額される場合があるので、注意しよう。
銀行側はビジネスローンを契約中の企業に対しても、定期的に代表者の信用情報を確認する。
その結果、他社からの借り入れが増加していれば、その企業は資金繰りに困っているのではないか?と判断する場合がある。
全体の借入総額が増加し続けていれば、資金調達に行き詰まり、最終的に経営が破綻する危険性を銀行側は考えてしまう。
その結果、経営破綻による貸し倒れになることを恐れ、借入限度額を減額する場合がある。
返済の遅延が頻繁にあった場合
利用中のビジネスローンに対して返済の遅延などが頻繁にあれば、企業の信用力は低下し、限度額が減額される場合もある。
このため実現可能な返済計画を立てたうえで、ビジネスローンを利用し、着実に返済するように心がけよう。
もし資金繰りが厳しい場合には、リスケジュールを申し入れれば、銀行側も受け入れてくれることもある。
返済条件を見直す際には限度額が減額されることもあるが、事前連絡なく返済を遅延する場合と比べて、減額幅が抑えられることがある。
※リスケジュール:リスケとも呼ばれ、金融機関と協議のうえ、借入金の返済条件を変更すること
最大1,500万円までの借入限度額が設定できる「あんしんワイド」を活用しよう
この記事では、GMOあおぞらネット銀行が提供しているビジネスローン「あんしんワイド」での借入限度額について解説した。
このローンサービスの限度額は、初年度は1,000万円までだが、2年目以降の契約更新の際には最大1,500万円まで限度額を上げることができる。
ただし審査によって、企業ごとの限度額は異なる。
またビジネスローンサービスを利用中にも銀行側では定期的に審査が行われ、限度額が増額される場合もあれば、減額されることもある。
限度額を増額させるためには、返済計画を立てたうえで借り入れ、借入金を着実に返済することが最も重要だ。
堅実な返済計画を立てて、GMOあおぞらネット銀行「あんしんワイド」を申し込もう。