- カードローンとクレジットカードの分割払いはどちらが良いのか知りたい
- クレジットカードのショッピング機能やキャッシング機能について理解したい
- 分割払いが信用にどう影響するか不安がある
クレジットカードの支払い方法のひとつである「分割払い」だが、カードローンを利用する場合とどっちがお得なのだろうか。
両者の違いを正しく理解した上で、適切なサービスを利用することが大切だ。
本記事では、カードローンとクレジットカードの分割払いの特徴をそれぞれ紹介し、違いを比較していく。
どっちのサービスを選ぶべきかという点も解説していくので、ぜひ本記事を参考に最適なサービスを利用しよう。
カードローンとは?メリットと注意点
カードローンとは、銀行や消費者金融が個人消費者向けに提供するローン商品だ。
契約時に借入限度額を定め、その範囲内で繰り返し融資を受けられる仕組みとなっている。
毎月一定額を返済したり、任意のタイミングで返済したりすることで利用できる枠が復活し、再び借入を行えることが特徴の商品である。
ここでは、カードローンのメリットと注意点をそれぞれ紹介していく。
自由な用途に使える
カードローンで借り入れた資金は、事業性資金を除けば使い道が原則自由となっている。あらゆる用途に使える点が大きなメリットだ。
住宅ローンやマイカーローン、ブライダルローンなどの商品は、それぞれ使い道が決まっている。
事前に見積書などを提出し、必要な金額だけを借り入れて利用する。ほかの使い道に利用すると規約違反となってしまう。
しかし、カードローンは買い物や毎月の支払い、友人・知人の結婚式のご祝儀など、あらゆる使い道に利用可能だ。
借り入れた資金を柔軟に使える点が大きなメリットである。
借入限度額が大きい
カードローンの大きな特徴として「借入限度額が大きい」という点が挙げられる。まとまった資金の借入にも対応している点も魅力のひとつだ。
例えば、大手消費者金融のレイクでは1万円〜500万円、アイフルでは1万円〜800万円の範囲で借入限度額が設定される。
商品によっては借入限度額の上限が1,000万円となっているケースもあり、高額な融資を受けられる可能性がある点は大きな魅力となっている。
ただし、カードローンは比較的金利が高めに設定されているため、借入額に対する利息が膨らみやすい。
まとまった金額を借りてしまうと返済時の負担が重くなる可能性がある点には注意が必要だ。
長期の借入で利息が膨らむ可能性がある
カードローンは返済期間や毎月の返済額を比較的柔軟に設定できることが特徴だ。一方、返済期間が長期化して利息が膨らむ可能性がある点には注意しなければならない。
利息は日割りで加算されていくため、返済期間が長引くほどトータルの利息額は大きくなる。
しかし、利息負担を減らすために短期間で返済を終えようとすると、毎月の返済額が大きくなってしまう。
適度なバランスで返済期間・返済額を設定することが重要となるのだ。
柔軟に返済計画を立てられる分、先の見通しを立てて返済計画を考えなければならない。
無計画に利用すると利息負担が膨らんだり、月々の返済が重くなったりする点に注意しておこう。
クレジットカードの分割払いとは?仕組みと特徴
次に、クレジットカードにおける分割払いの仕組みや特徴について解説していく。
ショッピング機能とキャッシング機能の違いや分割払いの基本的な特徴、実質年率の目安を解説するので、ぜひ参考にしてほしい。
ショッピング機能とキャッシング機能について
ショッピング機能とキャッシング機能は、ともにクレジットカードに搭載された機能のことだ。まずは、2つの機能の特徴を押さえておこう。
ショッピング機能とは、クレジットカードを使って商品やサービスの代金を支払う際に用いる機能のことだ。
代金の支払いをクレジットカード会社が立て替えており、後から代金を請求されて支払うという仕組みになっている。
一方のキャッシング機能とは、一定の利用枠の範囲内でお金を借りる機能のことだ。
契約時に一定の利用枠が付与されており、コンビニや金融機関のATM、インターネットバンキングなどで借入を行える。
2つの機能のうち、分割払いは主にショッピング機能における支払い方法のことを指す。分割払いの特徴を確認していこう。
分割払いの特徴
ショッピング機能を利用した場合、クレジットカード会社から請求された代金の支払いはさまざまな方法から選べる。
分割払いはそのうちのひとつであり、代金を複数回に分けて返済していく方法だ。
例えば、30万円という高額な商品を購入した場合、一度にまとめて支払うと家計に大きな負担がかかってしまう。
しかし10回に分けて支払うのであれば、月々の支払額が3万円程度になるため負担を抑えられる。
一度での支払いが厳しい場合に、支払い回数を分けることで負担を軽減するのが分割払いだ。
ほかには代金を一度で支払う「一括払い」や利用残高にかかわらず毎月一定額を支払い続ける「リボ払い」などがある。
一括払いの場合は手数料が発生しないものの、分割払いやリボ払いの場合は返済時に手数料を上乗せして支払うことになる。
実質年率の目安
分割払いでかかる手数料は「実質年率」で把握できる。実質年率とは、元金に対して発生する利息・手数料といった諸費用の割合のことだ。
分割払いの実質年率は12%〜15%前後で設定されるケースが多い。支払い回数が少ないほど低い利率が設定され、支払い回数が増えるほど利率が高くなっていく。
例えば、楽天カードの分割払いの実質年率は以下の表の通りだ。
支払い回数 | 実質年率 |
---|---|
2回 | – |
3回 | 12.25% |
5回 | 13.50% |
6回 | 13.75% |
10回 | 14.50% |
12回 | 14.75% |
15回 | 15.00% |
18回 | 15.00% |
20回 | 15.00% |
24回 | 15.00% |
30回 | 15.00% |
36回 | 15.00% |
2回払いの場合は手数料が発生しないが、3回以上の支払いになると手数料が発生する。
支払い回数が増えるほど利率が高くなっていくことが上記の表から分かるだろう。
実質年率の目安を把握した上で、クレジットカードの分割払いを効果的に活用しよう。
カードローンとクレジットカードの分割払いの違い
カードローンとクレジットカードの分割払いをそれぞれ紹介したが、2つのサービスにはどういった違いがあるのだろうか。
ここでは、両者の違いを比較しながら紹介していく。
商品としての目的の違い
まず、商品としての目的が2つのサービスで大きく異なる。
カードローンが現金を借り入れることに特化した商品である一方、クレジットカードの分割払いは購入時の決済手段である。
カードローンは事業性資金を除けば自由な使い道を検討でき、借り入れた資金をどのように活用しても問題ない。
手元の資金不足を解消するための「資金の借入」が目的の商品であり、あらゆる用途を検討できることが特徴だ。
一方、分割払いは「資金の借入」というよりは「商品やサービスの決済手段」である。
商品やサービスの代金をまとめて支払うことが苦しい場合に、家計に負担をかけないように利用するのが分割払いだ。
「借入に特化した商品のカードローン」と「家計への負担を軽減できる決済手段としての分割払い」という違いを認識しておこう。
金利面での違い
カードローンと分割払いでは、適用される金利の面でも違いがある。金利の違いは返済や支払いのときの負担の違いに直結する部分であるため、しっかりと比較しておこう。
カードローンは金利が1%〜18%前後の範囲で設定されており、個人に適用される金利は契約時に定める利用限度額に応じて変化する。
借入限度額が低いと金利は高くなり、限度額が増えるほど金利が低くなっていく仕組みだ。
適用金利の幅が広く、まとまった金額を利用する際は利息負担を抑えやすい点が特徴である。
一方、クレジットカードの分割払いは実質年率12%〜15%に設定されることが多い。
支払い回数が多いほど利率は高くなり、短期間で返済を終える場合には利率が低くなる。適用される利率の幅はカードローンに比べて狭い。
利用額が少ない場合や短期間で支払いを終える場合、分割払いの方が負担は小さい。
しかしまとまった金額を利用する場合や支払い期間が長期間にわたる場合は、カードローンの方が負担を抑えられる。
金利・手数料の面での違いも頭に入れた上で、2つのサービスの活用法を検討していこう。
分割払いするときの注意点
クレジットカードの分割払いを利用する際、以下の3つの点に注意が必要だ。
- あとから一括払いには変更できない
- 手数料の負担が膨らみやすい
- 使い過ぎるケースが多い
クレジットカードでは、商品の購入後に一括払いから分割払いに変更できるケースが多い。
しかし、分割払いから一括払いに変更することは原則としてできないため注意が必要だ。
分割払いの選択後にまとめて返済したくなった場合は、早期返済を使って早めの返済を行うほかない。
また、前述の通り分割払いの利用には手数料がかかる。実質年率は12%〜15%と比較的高めに設定されており、手数料負担が重くなりやすい点に注意が必要だ。
そして、分割払いは複数回に分けて支払いを行うため、1回あたりの支払いが少額に収まる。
家計に余裕があるという感覚に陥ってしまい、使い過ぎてしまうケースが非常に多い。
気付かないうちに支払いの負担が重くなっていき、家計に大きな負担がかかってしまう可能性があるため注意が必要だ。
上記のような注意点があることを踏まえ、カードローンと比較してどっちのサービスを利用すべきか検討しよう。
カードローンとクレジットカード分割払いはどっちがいい?
ここまで、カードローンとクレジットカードの分割払いの特徴を比較してきたが、結局どっちを利用すべきなのだろうか。
ここでは「カードローンと分割払いのどっちを選ぶべきか」という点を紹介し、クレジットカードのキャッシング機能とカードローンの比較も行う。
利用目的が異なるため比較は難しい
カードローンとクレジットカードの分割払いでは根本的な利用目的が異なるため、単純な比較は難しい。利用目的に応じて上手く使い分けることが重要と言えるだろう。
前述の通り、カードローンは幅広い目的に使える上に、まとまった金額の借入を行う際には適用金利が抑えられる。
「買い物以外の使い道を検討している」「まとまった金額が手元にほしい」という場合は、カードローンを利用して借入を行うと良いだろう。
一方、クレジットカードの分割払いは決済手段に特化しており、短期間での利用の際に手数料の負担を抑えやすい。
「商品・サービスの購入に利用したい」「少ない支払い回数で利用したい」という場合、クレジットカードの分割払いがおすすめだ。
単純な比較はできないものの、利用目的は明確に異なるため、適切な使い道を検討することが重要である。
なお、カードローンと特徴を比較しやすいのは、クレジットカードのキャッシング機能である。
キャッシング機能とカードローンの違い
クレジットカードで借入を行える「キャッシング機能」と借入に特化したローン商品の「カードローン」では、主に以下のような点で違いがある。
- ショッピング機能の付帯
- 適用される金利
- 借入限度額
まず、商品・サービスの決済手段として使える「ショッピング機能」の付帯の有無が異なる。
クレジットカードにはショッピング機能が付帯している一方、カードローンには決済手段としての機能はない。
クレジットカードは現金の借入以外の機能が搭載されている一方で、カードローンは借入機能に特化しているのだ。
また、適用される金利にも違いがある。キャッシング機能の金利は15%〜18%、カードローンの金利は1%〜18%の範囲で提供されることが多い。
全体的な金利の水準はカードローンの方が低くなっている。
そして、借入限度額も両者の相違点のひとつだ。キャッシング機能の場合、借入限度額は100万円程度であることが多い。
一方のカードローンは商品によって異なるが、借入限度額の上限が500万円〜1,000万円となっている。
本人の年収によって適用される借入限度額は異なるものの、カードローンの方がまとまった金額を借りやすい。
上記の違いを認識した上でどちらのサービスを使うべきか検討しよう。
キャッシング機能とカードローンの使い分け
上記の特徴の違いを踏まえると、キャッシング機能とカードローンは以下のように使い分けると良い。
- クレジットカードのキャッシング機能
- ショッピング機能も併用したい場合に使う
- カードローン
- とにかく好条件で借入をしたい場合に使う
前述の通り、クレジットカードにはキャッシング機能とショッピング機能が搭載されており、借入以外に決済手段としても使える。
借入と決済機能を併用したいのであれば、クレジットカードを契約してキャッシング機能を使うと良い。
一方、カードローンは借入に特化している分、金利や借入限度額といった条件はキャッシング機能よりも有利に設定される。
決済手段の利用は考えておらず、とにかく良い条件で融資してほしいという場合はカードローンがおすすめだ。
両者の特徴を踏まえ、場面やニーズに応じて上手く使い分けよう。
カードローンと分割払いを比較してどっちを選ぶべきか検討しよう
カードローンとクレジットカードの分割払いは「現金の借入」と「購入時の決済手段」という明確な目的の違いがある。
利用する目的や場面に応じて上手く使い分けるべきだ。
一方、クレジットカードのキャッシング機能とカードローンは比較の対象となる。
キャッシング機能はショッピング機能と併用した一時的な借入に適しており、まとまった資金を調達するなどの理由で好条件の融資を希望する場合はカードローンがおすすめだ。
利用する前には、それぞれの金利・手数料を比較して自分に合った選択肢を見つけることが重要である。
ぜひこの機会に各サービスの特徴を比較し、自分にとっての最適解を見つけ出そう。