- おまとめローンのデメリットが知りたい
- おまとめローンを利用する際の注意点がわからない
- おまとめローンを上手に使う方法が知りたい
おまとめローンのデメリットを知ることは、メリットを十分に享受し、上手に活用するために欠かせない。
そこで本記事では、おまとめローンのデメリットや利用の際の注意点について、詳しく解説する。
複数の借入を一本化できることで注目されるまとめローンのデメリットを十分に理解して、賢くまとめローンを利用するために必須の知識だ。
おまとめローンの利用を考えるなら、ぜひ参考にしていただきたい。
おまとめローンのデメリットとは?
おまとめローンには、金利が下がったり、返済金額を減らせたり、スケジュールを管理しやすくなったりといったメリットがある。
その反面で、デメリットがある点は見逃せない。
おまとめローンのデメリットには、次のようなものがある。
- 審査が厳しくおまとめローン自体を利用できないことがある
- 金利が高くなるケースがある
- 支払い総額が増える可能性がある
- 新たな借り入れが難しくなる
一見すると、おまとめローンのメリットとして紹介した内容と矛盾する項目も含まれている。
どうしてこのようなことが起きるのか、詳しく説明する。
審査が厳しくおまとめローン自体を利用できないことがある
おまとめローンは、通常の借入よりも審査が厳しい傾向があり、申込しても審査に通過できないケースが多々ある。
これは、複数の借り入れを一本化することで総借入金額が大きくなることから、貸付する金融機関側のリスクが大きくなるためだ。
おまとめローンの審査では、次の点がチェックされる。
- 申込者の収入状況と返済能力
- 属性情報
- 信用情報
申込者に十分な収入と返済能力があることは、審査通過するための重要な要素だ。
審査に際しては申し込み者の収入状況や雇用形態、他社からの借入額が厳密にチェックされ、その上で返済能力が評価される。
これに加えて、申し込み者の年齢や家族構成、住居状況、勤務先と勤続年数といった属性情報も、返済能力や収入の安定性を評価する際の審査項目の一つだ。
また過去の金融取引の中で、延滞や債務整理の履歴がないか、念入りに確認される。
金利が高くなるケースがある
おまとめローンを利用したことで、金利が高くなるケースがある。まとめローンで適用される金利が高くなる場合として挙げられるのは、次のような状況だ。
- 信用情報が悪化している
- おまとめする前のローンの金利が低い
- 金利が高いおまとめローンを利用している
信用情報の悪化は、金利が高くなる原因の一つだ。
おまとめローンでも、通常の借入審査と同様に信用情報機関で信用情報を照会するといった手続きが取られる。
返済が滞った実績が信用情報に記録されている場合、仮におまとめローンの審査を通過できたとしても、高い金利での契約になる可能性がある。
また、すでに金利が低く設定されているカードローンを利用していた場合、おまとめローンに借入を一本化してもかえって金利が高くなる可能性もある。
そのため、おまとめローンを利用する場合はどのカードローン会社で契約するかも重要だ。
おまとめローンに該当する金融商品は、消費者金融と銀行のカードローンの両方で展開されている。
そしておまとめローンといっても、カードローン会社によって金利が異なるため、審査申し込みを検討する際は、各社の金利を確認することが大切だ。
なお以下は、各社のおまとめローンの金利をまとめたものである。
カードローン会社名 | 借入可能額 | 金利(実質年率) |
---|---|---|
アコム | 1万円~300万円 | 7.7%~18.0% |
SMBCモビット | 800万円まで | 3.0%~18.0% |
アイフル | 1万円~800万円 | 3.0%~17.5% |
プロミス | 300万円まで | 6.3%~17.8% |
レイク | 10万円~500万円 | 6.0%~17.5% 100万円以上の場合は6.0%~15.0% |
オリックスマネー | 50万円~800万円 | 3.0%~17.8% |
三井住友銀行 | premiumおまとめローン:500~999万円 plusおまとめローン:500万円まで | premiumおまとめローン:1.5%~4.5% plusおまとめローン:4.5%~14.5% |
東京スター銀行 | 30万円以上1,000万円以下 | 9.8%・12.5%・14.6% |
楽天銀行 | 10万円~800万円 | 9%~14.5%※ |
2024年10月現在
出典:アコム「借換え専用ローン(おまとめローン)」・SMBCモビット・アイフル・プロミス「おまとめローン(借換用ローン)」・レイク「貸金業法に基づくおまとめローン
出典:レイクdeおまとめ」・オリックス・クレジット「ORIXMONEYおまとめローン」・・楽天銀行「返済の見直しにも楽天銀行スーパーローン」・東京スター銀行「複数のローンはおまとめで返済額軽減」
支払い総額が増える可能性がある
おまとめローンに一本化したことによって金利が高くなる場合、支払い総額が増えるデメリットにつながる。
その理由は、次のとおりだ。
- 利息の負担が増える
- 返済期間が長くなる
- 元本への充当額が減少する
金利が高くなるとはつまり、毎月の支払い利息が増大することと同義だ。1
00万円を金利5%で借りた場合と金利15%を、返済期間5年で借りた場合を例に挙げて考えてみる。
金利5%の場合 | 金利15%の場合 | |
---|---|---|
月々の返済額 | 約1万8,871円 | 約2万3,789 |
借入総額 | 約113万2,241円 | 約142万7,378円 |
同じように100万円を借りても、金利が5%から10%に上がった場合、返済総額は約29万5,200円増加する。
また、月々の返済額の負担を軽減するために借入期間を長くした場合も同様だ。100万円を金利10%で借り、3年間で返す場合と7年間で返す場合を比較した場合、次のようになる。
返済期間が3年の場合 | 返済期間が7年の場合 | |
---|---|---|
月々の返済額 | 約3万2,267円 | 約1万6,609円 |
借入総額 | 約116万1,599円 | 約139万4,447円 |
返済期間を長くした場合、月々の返済額の負担は約1万5,658円減少する。しかし総返済額は23万2,848円増加する。
このような事態になる理由は、利息は借入残高に対して日割で計算されるためだ。返済期間が長くなるほど借入残高が減る速度が遅くなるため、利息が多く発生する。
また返済期間が短い場合、毎月の返済額に占める元本の割合が高くなる。
一方返済期間を長くすると、月々の返済額は減るものの、返済額に占める利息の割合が高くなるため、元本が減る速度が遅くなる。
こうして、返済期間が長くなるほど総返済額が増えるのだ。
新たな借り入れが難しくなる
おまとめローンを利用した場合、新たな借り入れが難しくなるケースが多い。その理由は、3つある。
- 信用情報の影響
- 返済能力の評価の低下
- おまとめローンには返済専用の商品が多い
おまとめローンを利用すると、信用情報上では多重債務の解消が記録されると同時に、新たな借入をおこなった実績が登録される。
これによって大きな返済の負担を負っていることが伺えるため、新たな借入の審査では不利に働く可能性が高い。
さらにおまとめローンの多くは、返済専用に設定されている。これは複数社での借り入れを一本化し、確実に返済するための措置だ。
しかし返済専用に設定されているため、一般的なカードローンの貸付のように、契約金額内での追加融資は受けられない。
前述のように他社からの新たな借入の難易度も上がるため、おまとめローンで1本化した借入金の返済が終わるまで、新たな借入が困難になる可能性は十分にある。
おまとめローンが返済できなかったらどうなる?
おまとめローンで借り入れを一本したものの返済が滞った場合、考えられるリスクには次のようなものがある。
- 信用情報へのネガティブな影響
- 遅延損害金による返済額の増大
- 一括返済を求められる可能性
- 法的措置を講じられるリスク
信用情報へのネガティブな影響
おまとめローンに限らないが、借入金の返済が遅れた場合、信用情報に滞納した実績が記録される。
こういったネガティブな情報は、新たな借り入れ審査にネガティブな影響をおよぼす。
他社の借入審査に通りにくくなったり、借入できても金利が高く設定されたり、といったリスクにつながる可能性が高い。
遅延損害金による返済額の増大
遅延損害金とは、返済期日までに返済がなされなかった場合に、本来の返済金額に上乗せして支払う賠償金だ。
利用者が返済期日までに支払いしないことによってカードローン会社が被る損害を補填する目的で請求される。
おまとめローンを返済できない場合、毎月返済する元金と利息に加えて、返済が遅れた日数だけ遅延損害金を上乗せした金額を支払わなければならない。
遅延損害金の上限利率は、利息制限法によって年20%と定められている。
消費者金融の多くは20%、銀行カードローンは19.9%前後の遅延損害金利率に設定されているケースが多い。
1つ具体例を挙げよう。おまとめローンで100万円を借りていたが、30日間返済が遅れたとする。
遅延損害金は年利20%である。この場合、遅延損害金は1万6,438円だ。返済すべき金額に遅延損害金を上乗せして支払わなければならない.
しかし月々の返済が難しいにもかかわらず、さらに遅延損害金を支払わなければならない状況では、より一層返済の負担が重くのしかかるだろう。
このままでは、債務超過による返済不能に陥りかねない。
- 出典:アコム「返済が遅れてしまうと、どうなるんですか?」・アイフル「遅れた場合利息はどうなりますか?」・レイク「延滞してしまった場合、どのような影響があるのでしょうか?」・三井住友銀行「カードローンの返済方法は?借りる前に知っておきたい返済額の計算法も解説」・楽天銀行「(カードローン)遅延損害金はいくらですか?毎月の請求額より多く支払う必要はありますか?」
一括返済を求められる可能性
おまとめローンを契約する際、指定された期日までに必ず返済することを約束して契約を締結している。つまり返済が滞るとは、契約不履行だ。
そして利用者による一方的な契約不履行の状態が続けば、カードローン会社から一括返済を求められるケースがある。
法的措置を講じられるリスク
おまとめローンの返済が滞った状態が解消されない場合、カードローン会社から法的措置を講じられる可能性がある。
法的措置とは具体的には、給与や財産の差し押さえを含む強制執行の請求だ。
カードローン会社が法的措置を講じた場合、裁判所から自宅に当てて訴状が届く。
返済不能に陥っているという事実が家族にバレるため、精神的な負担が増大するだろう。
また十分な対処をせず財産を差し押さえられた場合、経済的かつ社会的に甚大なリスクを被る可能性がある。
おまとめローンのデメリットへの対処法
先に述べたおまとめローンのデメリットを軽減するために、以下の方法が有効だ。
- 借入は年収の1/3内に留める
- 可能な限り借入件数を減らす
- 借入限度額を確認する
- 各社のおまとめローンの金利を比較検討する
- あらかじめ無理のない返済計画を立てる
おまとめローンの審査は、難易度が高い。借入審査を申し込む前に、万全の準備を整えることが大切だ。
安易に借入審査を申込し、審査落ちした実績を作れば、信用情報に悪影響を及ぼす可能性が高い。
こういった負の連鎖を回避するために、すでに借入している金額が、おまとめローンの借入限度額に収まるのか確認しよう。
借入金額が多い場合は、まとめローンの申込前に返済を進めて、借入件数と総額を減らすことが大切だ。
また、おまとめローンの借入限度額や金利は、カードローン各社によってさまざまだ。
さらにまとめローンの審査に通過したら、滞りなく返済し続けなければならない。慎重に比較検討し、無理のない返済計画を立てた上で、審査申込しよう。
おまとめローンを利用している間は新たな借り入れが難しくなる可能性が高いため、収入と支出の状況を見直すことも欠かせない。
おまとめローンを上手に活用する方法
おまとめローンは、借入金額を増やすための金融商品ではなく、借入金の返済を進めることを目的とした商品だ。
多重債務や債務超過に陥ることがないよう、おまとめローンを上手に活用する方法を説明する。
- 借入額を必要最小限に抑える
- 早期返済を目指す
- 返済計画を定期的に見直す
借入額を必要最小限に抑える
複数の借入を一本化する目的で利用されるおまとめローンには、借入限度額が数百万円と高い傾向がある。
また信用情報や収入の状況によっては、おまとめローンを申し込みした際、現在の借入総額よりも高い金額の貸付を受けられるケースもあるだろう。
しかし、おまとめローンのデメリットを最小化しながらメリットを最大化するために、借入金額は必要最小限に抑えることが大切だ。
借入金額が増えれば、信用情報にその旨が記録される。またあくまでも借入金額は借金であるにもかかわらず、気が大きくなることで、支出が増大する懸念がある。
借入希望額を高くするほど審査の難易度が上がるため、審査落ちのリスクにもつながりやすい。
おまとめローンを上手に活用するなら、借入額は必要最小限に留めることが大切だ。
早期返済を目指す
おまとめローンを利用する際は、早期返済を心がけなければならない。
返済期間が長くなるほど、利息が増加するため、総返済額が高くなる。収入が増えた場合は随時繰り上げ返済して、一刻も早く元金を減らせるように心がけたい。
早期返済を目指した実績は、信用情報にポジティブな影響をもたらす。将来、新たな借入が必要になった場合に、お金を借りやすくなるメリットにつながるだろう。
返済計画を定期的に見直す
返済計画は、定期的に見直す必要がある。定期的に返済計画を見直せば、返済の進捗状況を把握できる。
安定的に収入の増加がある場合は、毎月の返済額を見直して、早期完済を目指すとよい。
収入が減少している場合は、返済計画を見直し、返済が滞らないような計画を再構築する必要がある。
また市場の金利の変動に伴って、おまとめローンの金利が下がるケースがある。
より低い金利のおまとめローンに乗り換えれば、総返済額を減らすことも可能だ。
おまとめローンを利用する場合は、漠然と返済を続けるのではなく、収入状況や市場の金利の変動に注意を向けながら、少しでも総返済額を減らせるように工夫することが大切だ。
おまとめローンのデメリットを知ってメリットを最大化しよう
おまとめローンには、金利上昇や返済期間の長期化などのデメリットがある。
こういったデメリットを軽減するためには、金利比較や事前の返済計画が重要だ。
おまとめローンのメリットを最大化しながら効果的に利用するためには、適切な返済計画を立て、必要最小限の借入額と返済期間で利用することが賢明である。
まとめローンを十分に活用できれば、多重債務や債務超過を克服できる。
早速おまとめローンに申し込みして、メリットを最大限に享受しよう。