アドバイザーナビ株式会社(本社:東京都中央区日本橋兜町8-1、代表取締役社長:平行秀)は、ユーザーの実体験を元にした資産運用や保険など、金融の様々なカテゴリーにおける情報を発信するサイトを運営しています。本記事では、2024年6月に行った資産運用の相談先に関する調査結果をご紹介いたします。
調査会社:アドバイザーナビ株式会社
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2024年6月24日 〜 2024年7月8日
調査母集団:193人
アンケート回答者の詳細データ:末尾に記載
アンケートサマリー
- 資産運用の相談先としては「銀行(36.8%)」や「FP(28.5%)」、「証券会社(28.0%)」が主に選ばれていた。この結果から、多くの回答者が知名度の高い金融機関や専門家を信頼しており、その安定性を評価していることが読み取れる。
- 資産運用の相談先に求められている条件としては「担当者の知識や専門性」が84.9%で最も重視されていた。このことから、資産運用に関する知識に不安を抱いている回答者が多く、専門的なアドバイスを求めている様子が伺える。
- 担当者を5段階で評価してもらったところ、「やや満足」や「どちらともいえない」と回答した人の割合が多かった。特に「どちらともいえない」と答えた人は半数近くおり、担当者を概ね評価しているものの、より良い相談先があれば知りたいと考えている投資家もいると推測できる。
- 担当者の良い点について聞いたところ、「自分に合った提案をしてくれること」が44.4%で最も多かった。また、改善点としては、「資産運用の知識を身につけてほしい」が26.5%で最も多く挙げられた。このことから、顧客目線でアドバイスを行う姿勢は評価される傾向にあり、知識量も重要な指標であると考えられる。
- IFAについて知っているか尋ねたところ、「知っている」と回答した投資家はわずか21.8%に留まった。IFAの認知度は未だ低く、その存在やメリットについて周知することが今後の課題といえる。
- IFAに資産運用の相談をしているのは、IFAを認知していた回答者のうちわずか9.5%であった。しかしながら、「知識が豊富で専門性が高い(50.0%)」ことを評価する意見が最も多く挙げられており、今後認知度が高まっていけばIFAを利用する投資家の割合が増えていくことも考えられる。
- IFAに相談するメリットには、「同じ担当者から長期的に支援が受けられる」点や「中立目線でアドバイスがもらえる」点が挙げられた。また、デメリットとしては「手数料が高い」点や「自分に合った担当者を探すのが難しい」点が指摘されており、顧客に寄り添ったアドバイスに評価が集まる一方、コスト面や担当者の探し方には課題があるといえる。
- 担当IFAを5段階で評価してもらったところ、「満足」と回答した人が75.0%で最も多かった。このことから、顧客に合わせて質の高いアドバイスを提供するIFAの姿勢が伺えた。
- 取引先のIFA法人として最も選ばれているのは「株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル(50.0%)」であり、推奨されているのも同社であった。また、IFA法人を選ぶ基準としては「取り扱い金融商品の幅広さ」や「IFA法人の資産運用に対する考え方」、「口コミや周囲の評判」が主に重視されていた。投資家がIFA法人を選ぶ際は、自分に寄り添ったサービスを提供してくれるかを見極めているといえる。
資産運用の相談先に関するアンケート
まずは、投資家の相談先と相談先に求める条件に関するアンケート結果について取り上げる。
現在、資産運用の相談は誰にしていますか?
アンケートによれば、資産運用の相談先として最も多かったのは「銀行(36.8%)」であった。保有資産の多くを銀行預金に回す日本の国民性を表す結果ともいえる。
ただ、「FP」や「証券会社」と回答した人が、それぞれ28.5%、28.0%であった点にも注目するべきだろう。
老後2000万円問題やコロナ禍での株式市場の変動、さらにはNISA制度の改訂など、近年では資産運用のきっかけとなる出来事が多く起こっている。このような過程で、長期的な資産形成を軸としたFPへの相談や、資産成長を狙った証券会社での運用に興味を示す人も増えているのだろう。
一方、IFA(独立系資産運用アドバイザー)を活用している回答者はわずか1.6%に留まっており、資産運用の相談先として認知している人はまだほとんどいないと考えられる。
- IFAとは、Independent Financial Advisorの略称で、特定の金融機関に所属せず投資家に金融商品の提案などの資産管理業務を行う人のこと。正式名称は金融商品仲介業、または金融商品仲介業。
なお、これらの相談先の特徴やどんな人におすすめなのかについては、以下の記事でまとめられている。どこへ相談すべきか悩んだ人は、確認して判断の参考にしてもらいたい。
あなたが資産運用の相談先に求める条件は何ですか?
アンケートによれば、資産運用の相談先に求める条件としては、「担当者の知識や専門性」が84.9%で圧倒的多数を占める形となった。
このことから、多くの回答者が自身の運用知識に不安があり、的確なアドバイスがもらえる相談先を探していることが読み取れる。
また、「会社の信頼性(52.1%)」や「担当者の経歴・キャリア(40.6%)」も重要な選定基準となっており、信頼性と専門性を兼ね備える相談先が選ばれていることがわかる。
アンケート結果から、多くの投資家がこれらの要素を総合的に評価し、安心して資産運用ができる環境を探していると考えられる。
資産運用の担当者に関するアンケート
続いて、資産運用の相談をしている担当者への満足度や担当者の良いところ・改善してほしいところに関するアンケート結果について取り上げる。
あなたの担当者を5段階で評価してください。
アンケートによれば、回答者の多くは担当者を概ね評価しているものの、より良い相談先を求める姿勢も読み取れた。
「満足」と回答した人は13.5%に留まった一方、「やや満足」と答えた人の割合が48.4%と全体の半数近くを占めており、少なからず何かしらの懸念や不安を抱えている投資家が多いと思われる。
また、「どちらともいえない」と回答した人も30.2%おり、特筆する不満はないものの、さらに良い相談先があれば好ましい、と考えている投資家が少ないとも考えられる。
ただ、「やや不満」もしくは「不満」と答えた人は合計でも7.8%に抑えられていた。
これらの結果から推測するに、担当者に対して少なからず不安材料を持っているものの、その原因を明確に把握している投資家は少なく、結果として「やや満足」「どちらともいえない」などと回答する人の割合が増えたのだろう。
あなたの担当者の良い点を具体的に教えてください。
アンケートによれば、担当者の良い点としては、「自分に合った提案をしてくれること(44.4%)」が最も多く挙げられた。具体的には、「自分の意見を聞き入れて希望に合ったプランを複数提案してくれる」「年齢や性別、ライフプランに合わせた提案をくれる」などの意見が寄せられた。
このことから、資産運用の担当者には顧客目線でアドバイスを行うことが求められているといえる。
また、「投資や金融商品に関する豊富な知識がある(40.2%)」点や「分かりやすい説明をしてくれる(33.9%)」点も多くの投資家から評価されていた。具体的には、「資産運用に加えて保険やライフプランの相談ができて助かる」「専門用語を使わずに優しく説明してくれるのでありがたい」といった理由が挙げられた。
このような意見は、投資家がどのような担当者を信頼し、評価する傾向にあるのかを判断する材料といえる。また、これから担当者を選ぶ人は、「顧客目線のアドバイスをくれるか」「個々のニーズに対して細やかな配慮ができるか」などを基準にすると、信頼できる担当者を見つけることができるだろう。
あなたの担当者に改善してほしい点を具体的に教えてください。
アンケートによれば、担当者に改善してほしいポイントには「資産運用の知識を身につけてほしい(26.5%)」という要望を挙げた人が最も多かった。
具体的には、「暗号資産やFXなど専門性の高い運用手法に関するアドバイスをしてもらいたい」「担当者の経験を活かした実践的なアドバイスが欲しい」などの意見が寄せられている。
また、「担当者に都合の良い商品を無理矢理勧めないでほしい(18.9%)」、「顧客の事情を理解して対応してほしい(16.2%)」など、会社や担当者都合の運用提案に嫌気がさしている投資家の様子も伺えた。
これらのフィードバックもまた、投資家にとってどのような担当者が信頼に値するのかを見極める重要な指標といえる。総じて、「豊富な金融知識や商品知識を持ち、真に顧客のためになる提案やアドバイスをくれる担当者」こそが投資家が選ぶべき相談先だといえるだろう。
IFAに関するアンケート
続いて、資産運用の相談先の1つであるIFAに関するアンケート結果について取り上げる。
IFA(独立系資産運用アドバイザー)のことを知っていますか?
アンケートによれば、回答者の多くはIFAの存在を認知していなかったことが判明した。具体的には、78.2%の投資家が「IFAを知らない」と回答しており、「IFAを知っている」と答えたのはわずか21.8%である。
このデータは、IFAの認知度の低さを示しており、資産運用の相談先として利用されていないこととの関連性を示唆している。
この結果は、国内でのIFAの変遷や規模を考えると妥当とも考えられる。ただ、IFAの最大の特徴が独立した立場で顧客目線の提案ができる点であることを考慮すれば、より良い相談先を探す投資家にとって、IFAがその解決策になる可能性は十分にある。
IFAが資産運用の相談先の選択肢として普及するためには、まずはその存在を多くの投資家が知ることが最初の一歩となるだろう。
IFAを知ったきっかけは何ですか?
アンケートによれば、IFAを知ったきっかけとしては「インターネット/SNS」が83.3%で圧倒的多数を占めた。
このことから、資産運用の相談先を探す手段としてネットが一般化していることが読み取れる。
また、「家族や友人からの紹介(21.4%)」を挙げている回答者もおり、信頼できる人からの情報を頼りにする投資家の傾向も明らかとなった。
近年、大手のIFA法人を中心に、会社としての運用方針や各IFAの経歴・キャリアなどの情報をHPにて積極的に公開する姿勢が見られ始めている。また、IFAに関する情報を発信するメディアも少しずつだが増えてきている。
IFAに興味があれば、まずはこれらの媒体から情報を掴んでみるのもいいだろう。
現在、IFAに資産運用の相談をしていますか?
アンケートによれば、IFAを知っていると答えた人のうち、実際にIFAに運用相談をしているのはわずか9.5%であった。
このデータから、IFAの認知度だけでなく、そのメリットやサービス形態を十分に理解している投資家の割合もまた低いことが推測される。IFAが国内で普及・拡大し始めたのはここ数年のことであり、その有効性を正確に理解している投資家はまだほんのわずかなのだろう。
ただ、先述したように、IFAが多くの投資家にとってメリットが大きい相談先であることも確かである。「百聞は一見にしかず」というように、メディアを介して自身で情報を集めるだけでなく、「実際に話を聞いてみる」というのも一つの手だ。
弊社が運営するIFA検索サービス「わたしのIFA」では、自分の条件にあったIFAを自由に選び、その場で無料相談に申し込むこともできる。これらのサービスを使ってまずはIFAに話を聞いてみることが、IFAの魅力を理解する一番の近道かもしれない。
なぜIFAに相談しようと思いましたか?
アンケートによれば、IFAに相談する理由としては、「知識が豊富で専門性も高い(50.0%)」ことを挙げた回答者が最も多かった。
実際にIFAに相談している回答者は、「アドバイスの質が銀行や保険会社の担当者よりも高い」と評価している。
また、「中立の立場から提案してもらえる(25.0%)」ことを評価する投資家もいた。IFAは証券会社や銀行などの金融機関に所属していないため、ノルマなどはなく中立目線で資産運用のアドバイスを行うことができる。そのため、顧客の希望する商品を的確に紹介できる点が評価されていると考えられる。
これらの結果が示すように、IFAへの相談は資産運用を充実させるための有効な手段といえる。今後、投資家にとってIFAが欠かせない存在になることも十分に考えられるだろう。
IFAに資産運用の相談をするメリットは何ですか?
アンケートによれば、IFAに相談するメリットが多岐にわたっていることが読み取れる。
母数が少ないため割合に大きな差が出なかったと考えられるが、特に注目すべきなのが、「同じ担当者から長期的に支援が受けられる」点と「中立目線でアドバイスがもらえる」点の2つだ。これらはまさに、IFAならではのメリットである。
特定の金融機関に所属しないIFAには異動や転勤がなく、投資家が希望しない限り担当者が変更されることはない。自身と担当者の投資期間の目線にズレがなくなるため、特に長期目線での資産運用を希望する投資家にとって、信頼関係を構築しやすい存在といえる。
また、先述したようにノルマを追わないIFAからは、真に顧客本意の提案が期待できるのだ。
これらの結果が示すように、IFAは顧客へ寄り添った資産運用のアドバイスが行える、投資家の頼もしいパートナーになり得る存在だといえるだろう。
IFAに資産運用の相談をするデメリットはありますか?
アンケートによれば、「手数料が高い」点や「自分に合った担当者を探すのが難しい」点を指摘する声が寄せられた。
証券会社と同じように、IFAを介して金融商品を購入する際も手数料が発生する。その目安は概ね対面証券と同等で、ネット証券の手数料水準に慣れている人からすると、「割高だ」と感じざるを得ない。この点については、メリットで挙げられた担当者の専門性に対する対価として、負担するに値するのかを判断する必要があるだろう。
また、「IFAをどこから探せばいいのか分からず、複数の担当者を比較するのも大変だった」という意見もあり、IFAへの相談ルートがまだ確立されていない現状も示されている。
こちらについては、先述した「わたしのIFA」を利用するのが効果的だ。費用はかからないので、少しでも興味があれば積極的に相談してみると良いだろう。
あなたの担当IFAの満足度を5段階で評価してください。
アンケートによれば、すべての回答は「満足」または「やや満足」のいずれかにまとまっており、中でも「満足」と答えた回答者が75.0%にのぼったことから、IFAに対する満足度の高さが伺えた。
また、その理由については、「過去の運用経験や保有資格を基に実践的なアドバイスが得られた」「様々な証券会社の商品を紹介してもらい、FPや保険会社の営業よりも信頼できると感じた」といった内容が挙げられている。
これらの意見から、顧客の資産状況や運用目標に合わせて的確な支援を行うIFAの姿勢が読み取れた。
IFA法人に関するアンケート
最後に、IFAの所属先となるIFA法人に関するアンケート結果について取り上げる。
現在、どのIFA法人に所属するIFAと取引をしていますか?
アンケートによれば、「株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル」へ相談している回答者が50.0%で最も多くなった。
アイ・パートナーズフィナンシャルは国内最大手のIFA法人であり、その知名度の高さから取引している投資家が多いことが推測される。
その他、「ファイナンシャルスタンダード株式会社」と「その他(株式会社フィナンシャルクリエイト)」を活用している回答者も、それぞれ25.0%ずつとなった。
おすすめのIFA法人はどこですか?
アンケートによれば、全ての回答者が自身の取引しているIFA法人を推奨しており、そのサービス品質の高さが伺える結果となった。
具体的には、以下のような意見が挙げられている。
「自分の話を親身に聞いてもらい、最適なプランを提案してもらった。不明点もすぐに回答してくれたので安心できた。(株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル)」
「リスクを抑える安定運用を提案してもらい、自分の考えと一致していたので信頼感が持てた。(ファイナンシャルスタンダード株式会社)」
これらのIFA法人は、顧客のニーズに応じたサービスを提供し、回答者から高い評価を受けているといえるだろう。
なお、以下のコラムではファイナンシャルスタンダード株式会社を含むおすすめのIFA法人10社の情報を詳細に解説している。どのIFA法人が自分に向いているのか、記事を参考に検討してみると良いだろう。
あなたがIFA法人を選ぶ基準を教えてください。
アンケートによれば、IFA法人を選ぶ要素としては、「取り扱い金融商品の幅広さ」「IFA法人の資産運用に対する考え方」「口コミや周囲の評判」などが挙げられた。
この結果から、投資家はIFA法人に対して「自分の要望を汲み取って、適切な商品や運用のアドバイスを提供してほしい」と考えていることが読み取れる。
また、口コミや周囲の評判も重要な判断基準となっており、顧客がIFA法人に対して信頼感を求めている様子が伺える。
顧客はこれらの基準をもとに、自身の運用目的に最も適合するIFA法人を選定しているといえるだろう。
今回のアンケートを通じて
今回のアンケートを通じて、資産運用の相談先に求められる条件や、新たな相談先としてのIFAの可能性が明らかとなった。
回答者の90%以上は、銀行やFP、証券会社など知名度の高い機関や専門家を選んでおり、IFAを認知していたのは全体のわずか21.8%であった。
ただし、相談先に求める条件としては顧客目線のアドバイスや高い専門性が挙げられており、これらはIFAに相談することで叶う可能性が高い。
アンケート結果から、資産運用の相談先としてIFAが潜在的なニーズを満たしていることが示されている。今後、IFAの存在が周知されて認知度が高まれば、資産運用のパートナーとして多くの投資家から選ばれることも考えられるだろう。