アドバイザーナビ株式会社(本社:東京都中央区日本橋兜町8-1、代表取締役社長:平行秀)は、ユーザーの実体験を元にした資産運用や保険など、金融の様々なカテゴリーにおける情報を発信するサイトを運営しています。本記事では、2024年6月に行った20代の投資信託運用に関する調査結果をご紹介いたします。
調査会社:アドバイザーナビ株式会社
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2024年6月24日 〜 2024年7月8日
調査母集団:112人
アンケート回答者の詳細データ:末尾に記載
アンケートサマリー
- 20代が投資信託を始めた理由として最も多かったのは、「老後資金のため」(66.1%)だった。次点で「日々の生活費の足しにするため」(32.1%)と「新NISAが始まったから」(30.4%)が続き、将来の生活を見据えて行動する20代が多いことが読み取れる。
- 20代の投資信託の運用経験は「1年未満」が最も多く(38.4%)、次いで「1年以上3年未満」が35.7%で、20代には投資初心者が多いことが伺える。ただ「3年以上5年未満」が17.9%、「5年以上」が8.0%と、中級者や上級者も一定数いることがわかった。
- 20代の投資信託の運用実績を確認したところ、「儲かっている」回答者の割合が76.8%で最も多かった。「損している」回答者は3.6%しかおらず、投資信託が初心者でも利益を出しやすい運用手法であることが読み取れる。
- 20代が投資信託を選ぶ基準としては、「運用実績」(54.5%)、「収益性」(50.9%)、「コスト」(47.3%)が特に重視されていた。このことから、20代は過去の実績からリターンを分析し、コストパフォーマンスを意識して投資先を選んでいると考えられる。
- 20代から最も人気を集めている投資信託は「インデックスファンド」(93.8%)であり、おすすめの投資信託も「インデックスファンド」(86.6%)で圧倒的な支持を得ていることがわかった。リスクとリターンのバランスがよく、安定して運用しやすいインデックスファンドが20代のニーズに合致しているといえる。
- 投資信託以外の資産クラスを運用している20代は32.1%であった。残りの67.9%は投資信託だけで資産運用を行っており、多くの回答者が運用先を投資信託に絞っている現状が読み取れる。
- 20代の運用ポートフォリオの中で投資信託が占める割合としては、「10%〜30%台(57.8%)」が最も多い結果となった。また、投資信託以外の運用先としては「株式」を選んでいる人が88.9%と突出して多く、投資信託と株式を組み合わせて運用している20代が多いことがわかった。
20代の投資信託の運用経験に関するアンケート
まずは、20代が投資信託の運用を始めた理由と運用歴、運用パフォーマンスに関するアンケート結果について取り上げる。
あなたが投資信託での運用をはじめたきっかけは何ですか?
アンケートによれば、「老後資金を貯めるため」と回答した20代が66.1%で圧倒的に多かった。
次いで、「日々の生活費の足しにするため(32.1%)」と「新NISAが始まったから(30.4%)」を理由に挙げた回答者も多くなっている。さらに、「SNSやYouTubeを見て興味を持った」20代も、17.0%と一定数いることがわかった。
この結果から、将来の資産形成を目的に投資信託を運用し始めた20代が多いことが読み取れる。少子高齢化が進み、年金制度の存続が危ぶまれる日本において、資産運用の重要性は日に日に高まっているのだ。
なお、以下の記事では20代が老後資金のためにいくら準備するべきなのか、目安となる金額の計算方法について解説している。将来の資産運用計画を立てる際には参考にしてみるといいだろう。
投資信託での運用経験はどれくらいありますか?
アンケートによれば、20代の投資信託の運用経験は「1年未満」が最も多く、全体の38.4%を占めている。続いて「1年以上3年未満」が35.7%となっており、運用経験が3年未満の初心者が多いことが読み取れる。
ただ、「3年以上5年未満」が17.9%、「5年以上」が8.0%と、限定的ではあるがすでに投資経験を積み重ねている人もいる。
アンケート結果から、投資信託を運用している20代の背景は多岐にわたることがわかった。投資信託は初心者から経験者まで、様々な投資家のニーズを満たしてくれる万能な運用手法なのである。
現在の投資信託の損益状況を教えてください。
アンケートによれば、「儲かっている」が76.8%と大多数を占めている。一方で、「トントン」、すなわち損失と利益が相殺されている人は19.6%、「損している」人は3.6%に留まった。
このデータから、投資信託が運用初心者でもリターンを得やすい資産クラスであることが伺える。
投資信託は、一つの商品に投資するだけで資産運用の王道戦略である長期・分散・積立投資が実行可能で、リスクを抑えながらリターンを期待することができるのだ。20代から投資信託で運用を始めれば、将来の資産形成を大きく助けてくれるはずである。
20代におすすめの投資信託に関するアンケート
続いて、20代が投資信託を選ぶ基準や実際に運用しているファンド、おすすめの投資信託に関するアンケート結果について取り上げる。
あなたが投資信託を選ぶ基準を教えてください。(複数回答可)
アンケートによれば、20代が投資信託を選ぶ際の最も重要な基準は「運用実績」であり、54.5%の回答者がこれを挙げている。次いで、「収益性(期待リターン)」が50.9%、「コスト」が47.3%となっている。
この結果から、20代は投資信託を選ぶ上で、過去の実績から将来のリターンを予測しつつ、コストパフォーマンスも重視していると考えられる。
また、「基準価格(29.5%)」や「純資産総額(13.4%)」も一定の考慮に入れられており、「運用会社の信頼性」についても12.5%の回答者が重要視している。
アンケート結果から、20代はリスクとリターンのバランスを慎重に評価しながら、ファンドを選択していることが伺える。
現在、どの投資信託で運用していますか?
アンケートによれば、20代の中で最も人気のある投資信託は「インデックスファンド」であり、その割合は93.8%にのぼった。
この圧倒的な割合から、若年層にとっては安価な手数料で安定的な運用成果が見込めるインデックスファンドの特徴が魅力的に映っていると考えられる。
次いで、少数派ながらも「アクティブファンド(テーマ型ファンド)」が8.0%、さらに「レバレッジ型ファンド」と「債券ファンド」がそれぞれ3.6%の投資家から選ばれている。一方、「REIT型ファンド」を選択しているのは0.9%に留まった。
このデータは、20代の間では多様な投資スタイルが存在するものの、大多数がリスクとリターンのバランスの良さからインデックスファンドを選んでいることを強調している。
なお、20代におすすめの具体的な投資信託銘柄については以下の記事で紹介している。気になった方は、目を通しておくと良いだろう。
あなたが思う、20代におすすめの投資信託はどれですか?
アンケートによれば、20代が推奨する投資信託としては「インデックスファンド」が86.6%と圧倒的な支持を得ている。
インデックスファンドの支持が高い理由としては、コストの低さ、取扱銘柄の幅広さ、値動きのわかりやすさといった点が挙げられる。
また、「アクティブファンド(テーマ型ファンド)」をおすすめしている回答者も、6.3%と少数ながら存在した。特定のテーマやセクターに焦点を当てて運用を行うアクティブファンドは、そのテーマに関心があったり、インデックスファンドよりも利益を出したいという20代に注目されていると考えられる。
ただし、その他のファンドを支持した割合が非常に限られていたことからも、安定してリターンを積み重ねやすいインデックスファンドが老後資金の形成を重視する20代から人気を集めているといえるだろう。
20代の資産運用全般に関するアンケート
最後に、20代が投資信託以外の資産クラスを運用しているか、どれくらいの割合で投資信託を保有しているか、実際に保有している資産クラスはどれか、に関するアンケート結果について取り上げる。
投資信託以外の資産クラスを運用していますか?
アンケートによれば、「はい」が32.1%、「いいえ」が67.9%という結果であった。これは、運用先を投資信託に限定している20代が多いことを示している。
この理由としては、投資信託で目標のリターンが得られており、あえて他の資産クラスを運用して損失を出すリスクを抱えたくない20代が多いことが考えられる。
ただ、インデックスファンドでは短期間で大きなリターンを得ることが難しいため、別の資産を運用している人も一定数いると推測できる。
資産運用を成功させるには、自分の運用目標を達成しやすい資産クラスを選ぶことが大切だ。
あなたの運用資産における投資信託の割合を教えてください。
アンケートによれば、「10%〜30%台」が57.8%で最も多く、複数種類の資産クラスでポートフォリオを構成している20代は投資信託の保有割合が低くなりがちになることがわかった。
次いで、「40%〜60%台」が24.1%、「70%〜90%台」が18.1%と続いており、20代が様々な資産クラスを組み合わせて運用していることが読み取れる。
選択肢が多様化している理由としては、資産運用を行っていく中で、株式やFXなど他の運用手法に対する興味を持つ20代が増えていることが考えられる。
投資信託以外にどの資産クラスで運用していますか?
アンケートによれば、「株式」に投資している人の割合が88.9%で圧倒的に高く、これに「ETF(30.6%)」と「FX(25.0%)」が続く形となった。
これらのデータは、投資信託以外の資産クラスを運用している回答者の多くが株式市場に強い関心を持ち、多様な資産クラスへ分散投資を実践していることを示している。
また、「債券」や「不動産投資」をしている回答者は比較的少なく、それぞれ11.1%と2.8%に留まっている。これは、若年層がハイリターンを求める傾向にあることや、初期投資額が大きく管理も煩雑な不動産投資に対して心理的ハードルを抱えている現状を反映している可能性がある。
20代で投資信託以外の資産運用をするなら、まずは株式投資から始めるのがおすすめだ。
今回のアンケートを通じて
今回のアンケートを通じて、20代がリスクとリターンのバランスを重視して投資信託を選んでいることが明らかとなった。
多くの20代は将来を見据えて投資信託の運用を始めており、中でもインデックスファンドの人気が高いことが確認された。これは、低コストで安定的なリターンが見込める特性から、老後資金の形成を目的とする若年層に適した選択であることが理由だと考えられる。
また、運用経験が3年未満の初心者が大半を占める中で、回答者の76.8%が投資信託の運用で利益を得ていることがわかった。この事実から、投資信託は運用初心者が多い20代でも十分にリターンを積み重ねられる運用手法であることが読み取れる。
今回の調査結果を元に、投資信託を活用してバランスよく資産形成を進められる20代が少しでも増えてくれれば幸いだ。