アドバイザーナビ株式会社(本社:東京都中央区日本橋兜町8-1、代表取締役社長:平行秀)は、ユーザーの実体験を元にした資産運用や保険など、金融の様々なカテゴリーにおける情報を発信するサイトを運営しています。本記事では、2024年6月に行った20代の資産運用に関する調査結果をご紹介いたします。
調査会社:アドバイザーナビ株式会社
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2024年6月24日 〜 2024年7月8日
調査母集団:121人
アンケート回答者の詳細データ:末尾に記載
アンケートサマリー
- 20代が資産運用を始めたきっかけとしては、「老後資金を貯めるため」が65.3%で最も多い結果となった。また、「新NISAが始まったから」を理由に挙げた回答者も19.8%おり、20代の間で資産運用に関する興味が高まっていることが伺える。
- 20代の運用経験は「1年以上3年未満」が40.5%、「1年未満」が30.6%で、7割以上が経験の浅い運用初心者であることがわかった。
- 20代の保有資産がどれくらい資産運用へ回されているか調査したところ、全体平均は34.3%となった。保有割合は20%未満〜70%台まで幅広く分布しており、経済状況やリスク許容度など各個人の要素が反映されていることが読み取れる。
- 20代の運用先として最も選ばれているのは「投資信託(71.1%)」であり、次が「株式(43.8%)」であった。同様に、ポートフォリオの構成も投資信託(全体平均54.5%)と株式(全体平均23.1%)が中心となっており、これら2種類の資産クラスが20代から高い人気を集めていることがわかった。
- 20代が運用先を選ぶ上で重視する点は、「安定性(リスク)」が78.5%、「収益性(期待リターン)」が68.6%で圧倒的に多かった。これらのことから、20代の間で分散投資でリスクを抑えられる投資信託や期待リターン値が高い株式の人気が高いことが読み取れる。
- 20代が選ぶおすすめの運用先としては、投資信託が62.8%で最も多く、次いで株式が23.1%であった。おすすめの理由としては、「リスクを抑えつつ運用できる(52.5%)」「知識のない初心者でも始めやすい(24.2%)」「YouTubeなどのメディアを通じて情報を集めやすい(9.2%)」などの様々な意見が寄せられた。
20代の運用経験に関するアンケート
まずは、20代が資産運用を始めた理由と運用歴に関するアンケート結果について取り上げる。
資産運用を始めたきっかけは何ですか?
アンケートによれば、20代が資産運用を始めたきっかけは多岐にわたることがわかった。
最も多い理由は「老後資金を貯めるため(65.3%)」で、次いで「日々の生活費の足しにするため(41.3%)」「もともと興味があったから(31.4%)」という順番になっている。
また、「新NISAが始まったから(19.8%)」を理由に挙げた回答者も一定数見られた。このことは、新NISAをきっかけに金融リテラシーを身につける努力を行なった若年層がいることを示している。
これらのデータから、20代の間で資産運用に関する興味や必要性が高まっていることが読み取れる。
資産運用の経験はどのくらいですか?
アンケートによれば、「1年以上3年未満」と回答した20代が40.5%で最も多く、次いで「1年未満」と答えたのが30.6%であった。
このデータは、資産運用を始めて3年以内の初心者が20代に多いことを示している。
一方で、「3年以上5年未満」と「5年以上」の経験を持つ者は、それぞれ19.8%と9.1%となっており、運用経験が豊富な20代の投資家は少数派であるといえる。
これらの結果から、資産運用の必要性を意識する20代の割合が増えていることが推測される。物価上昇や急激な円安進行などの現状から、将来への危機感を感じた20代が資産運用を始めているのだろう。
20代の保有資産に関するアンケート
続いて、20代の保有資産における投資割合や運用先、ポートフォリオに関するアンケート結果について取り上げる。
保有資産における運用資産の割合を教えてください。
アンケートによれば、「20%〜40%台」が39.7%で最も多く、次いで「20%未満(27.3%)」「50%~70%台(25.6%)」「80%以上(7.4%)」という順番になった。
20代の保有資産に占める運用資産の割合は、全体平均で34.3%となった。仮に保有資産を300万円とした場合、毎月約8万5,000円を運用に回している計算になる。保有資産に対する割合としては少々高く、無理なく資産運用を継続するには20%程度に抑えるべきといえるだろう。
また、アンケート回答にばらつきがあったことから、資産運用に取り組む20代の姿勢は、保守的な人から積極的な人まで幅広く分布していることもわかった。
どの資産クラスで運用していますか?
アンケートによれば、回答者の71.1%が投資信託で運用しており、20代の中で圧倒的な人気を誇っていることがわかった。次いで、株式(43.8%)の人気が高く、3位のFX(14.0%)とは3倍以上の差があることから、これら2種類の資産クラスが20代の資産運用の中心となっていることが読み取れる。
一方、ETF・REITや債券、不動産といった他の資産クラスは比較的少数派であった。これは、手軽に分散投資できる投資信託が20代の投資家から受け入れられやすい一方で、より高度な専門知識を必要とする資産クラスは選ばれにくいことを示している。
20代が資産運用を始めるなら、まずは投資信託や株式の購入を検討してみるといいだろう。
現在の運用ポートフォリオ(資産クラスの割合)を教えてください。
アンケートによれば、20代が実際に構成しているポートフォリオの形が様々であることが浮かび上がってきた。
最も多かったのは、以下のような投資信託のみでポートフォリオを構成している回答者で、全体の37.1%であった。
上記結果から、投資信託を中心に運用戦略を組み立てている20代が多いことが読み取れる。
ただ、投資信託と他の資産クラスを組み合わせている場合もあり、以下のように投資信託・株式・ETFとREIT・FXを25%ずつ組み合わせてポートフォリオを構成している回答者もいた。
また、投資信託以外でポートフォリオを組んでいる投資家もわずかながら存在した。以下の例のように、FX(40%)・金・プラチナ(30%)・外貨預金(20%)・ETFとREIT(10%)で構成されている。
このように、同じ20代でも資産運用に対する考え方次第でポートフォリオの組み方は大きく変化する。資産運用でどれくらいのリターンを得たいのか、運用目標を明確にすると自分にあったポートフォリオを組みやすくなるだろう。
20代の運用先の選定基準に関するアンケート
最後に、20代が運用先を選ぶ基準やおすすめの資産クラス、推奨する理由に関するアンケート結果について取り上げる。
あなたが運用先を選ぶ基準を教えてください。(複数回答可)
アンケートによれば、20代が運用先を選ぶ際に最も重視する基準は、78.5%の回答者が選んだ「安定性(リスク)」であった。次いで、「収益性(期待リターン)」も68.6%の回答者が選んでおり、20代はリスクを避けつつも高いリターンを求める傾向が強いことが伺える。
この結果から、分散投資でリスクを抑えられる投資信託や収益性の高い株式が、20代の人気を集めていることがわかった。
「手数料(37.2%)」や「投資期間(12.4%)」を重視すると回答した20代もいたが、安定性や期待リターンと比較すると優先度は落ちる傾向にある。
これは、運用初心者である若年層が、リスクやリターンといった分かりやすい指標を意識していることを示しているといえる。
なお、20代で資産運用を成功させるために押さえておくべきポイントについては、以下の記事で解説されている。運用先を選ぶ際にも参考となる情報が説明されているので、ぜひ確認してもらいたい。
あなたが思う、20代におすすめの運用先はどれですか?
アンケートによれば、20代におすすめの運用先として最も多く挙げられたのは「投資信託」であり、回答者の62.8%が推奨している。次に「株式」が23.1%となっており、これら2つの資産クラスが若年層にとって魅力的に捉えられていることが読み取れる。
投資信託が推奨される理由としては、分散投資が簡単にできて運用初心者にも扱いやすいことが考えられる。また、運用期間が長く他の年代よりリスクを取りやすい20代の投資家にとって、株式投資が効果的な資産形成の手段として支持されていると推測される。
これらの結果は、若年層の投資家がリスクを分散しつつも、成長機会を求める傾向にあることを示している。
運用先としておすすめの理由を教えてください。
アンケートによれば、投資信託をおすすめする理由として最も多かったのは、「リスクを抑えながら資産形成を着実に行える(52.5%)」点であった。
具体的には、「早くから始めて長期運用すればリスクを抑えられる」「配当金の再投資で積立すれば安定してリターンを得やすい」といった意見が多く寄せられた。他にも、「プロやAIに運用を任せられる(25.8%)」「知識のない初心者でも始めやすい(24.2%)」「少額から資産運用を始めやすい(20.0%)」などを取り上げた20代も多かった。
こうしたメリットを踏まえ、20代に最適なファンドの1つが「eMAXIS Slim 全世界株式」、通称オルカンである。以下のコラムでは、オルカンを含めた20代へおすすめしたい投資信託について解説しているので、銘柄を決める際の参考にしてみると良いだろう。
また、株式については「YouTubeなどのメディアを通じて情報を集めやすい(9.2%)」「チャートを見て値動き予測をする・成長性の高い投資先を見極めるなど様々な資産運用の経験ができる(8.3%)」といった理由が挙げられている。
アンケート結果から、20代はリスクを抑えて安定的に資産運用を行う先として投資信託を、投資経験を積む先として株式を推奨していることが読み取れる。
今回のアンケートを通じて
今回のアンケート調査を通じて、資産運用に対して興味を持つ20代が増えており、実際の運用時にはリスクとリターンのバランスを重視していることがわかった。
20代が運用を始めた理由としては、老後の資金確保や新NISAの開始が大きな動機となっている。これは、早い段階から将来に向けて資産形成を行っている20代が多いことを示している。
また、運用資産としては投資信託や株式を重視する傾向が顕著に表れており、分散投資によるリスク管理や期待リターン値の高さが要因と考えられる。
これらのことから、20代における資産運用は、株式などで積極的にリターンを狙いつつ、投資信託を中・長期的な目線で運用し、リスクを管理していくことが重要となる。