アドバイザーナビ株式会社(本社:東京都中央区日本橋兜町8-1、代表取締役社長:平行秀)は、ユーザーの実体験を元にした資産運用や保険など、金融の様々なカテゴリーにおける情報を発信するサイトを運営しています。本記事では、2024年6月に行った主婦の資産運用に関する調査結果をご紹介いたします。
調査会社:アドバイザーナビ株式会社
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2024年6月24日 〜 2024年7月8日
調査母集団:195人
アンケート回答者の詳細データ:末尾に記載
アンケートサマリー
- 主婦が資産運用を始めた理由としては「老後資金を貯めるため(73.3%)」が最も多くなった。また、「日々の生活費の足しにするため(34.4%)」や「子供の教育費のため(32.3%)」を理由に挙げた回答者も一定数おり、主婦が生活を充実させるために資産運用へ取り組んでいる様子が伺える。
- 主婦の運用経験は、「1年未満」から「5年以上」までの各項目の割合が全て20%台となっており、主婦には運用初心者から経験者まで幅広い層が存在していることがわかった。ただ、過半数を超える回答者が1年以上の運用経験があり、主婦の間で資産運用への意識が高まっていることが推測される。
- 主婦の保有資産がどのくらい運用されているか調査したところ、「20%未満(39.7%)」としている回答者が最も多かった。この結果から、多くの主婦が慎重に資産運用を行っており、適切にリスク管理を行っている様子が伺える。
- 主婦が主な運用先として選んでいるのは「投資信託(73.3%)」と「株式(53.3%)」であった。これらの資産クラスについて、「プロに運用を任せられる」「株主優待や配当金が受け取れる」といった点が主婦から高く評価されていることが考えられる。また、回答者のポートフォリオの大部分は、これら2種類の運用手法を軸に構成されていた。
- 主婦が運用先を選ぶ際は、「安定性(83.6%)」や「収益性(50.3%)」が主な判断基準となっていることがわかった。主婦が資産の多くを投資信託や株式で運用しているのも、これらの基準を満たしていることが要因と考えられる。
- 主婦が選ぶおすすめの運用先は「投資信託(63.1%)」が最も多く、「プロに運用を任せられること(50.8%)」が主な理由であった。家事や育児で時間の取れない主婦のニーズに投資信託が合致していると考えられる。また、「株主優待や配当金がもらえる(14.9%)」ことを理由に「株式」を推奨する主婦も全体の25.6%いた。
主婦の運用経験に関するアンケート
まずは、主婦が資産運用を始めた理由と運用歴に関するアンケート結果について取り上げる。
資産運用を始めたきっかけは何ですか?
アンケートによれば、主婦が資産運用を始めた理由としては「老後資金を貯めるため(73.3%)」が大半を占める結果となった。
また、「日々の生活費の足しにするため(34.4%)」や「子供の教育費のため(32.3%)」を挙げた回答者も一定数いることから、多くの主婦が明確な目的を持って資産運用へ取り組んでいることが示唆されている。
アンケート結果から、主婦が現在や将来の生活を充実させるために資産運用へ取り組んでいることが読み取れた。
資産運用の経験はどれくらいですか?
アンケートによれば、主婦の運用経験は多岐にわたることが明らかとなった。
「1年未満」から「5年以上」まで、各項目の割合がいずれも20%台となっており、運用初心者から経験者まで様々な主婦がいることが示されている。
ただ、回答者の76.4%は1年以上資産運用を続けているともいえる。新NISA制度の開始で資産運用はさらに身近な存在になりつつあり、運用経験が豊富な主婦の割合は今後ますます増えていくと考えられるだろう。
主婦の保有資産に関するアンケート
続いて、主婦の保有資産における運用資産の割合や投資先、ポートフォリオに関するアンケート結果について取り上げる。
保有資産における運用資産の割合を教えてください。
アンケートによれば、主婦の保有資産に占める運用資産の割合は、「20%未満(39.7%)」が最も多く、「20%〜40%台(32.0%)」、「50%〜70%台(23.2%)」が続く結果となった。
運用資産の割合を増やせば期待リターンは高くなるがその分リスクも大きくなるため、適切にリスク管理を行うには投資額を増やしすぎないことが大切なのだ。この結果は、慎重に資産運用に取り組む主婦が多いことを示しているのだろう。
特に、家計管理をしている主婦にとって資産運用での損失は家族全体の生活にも影響を及ぼしかねない。
運用割合を適切に調整することは、主婦の資産運用におけるコツの一つだといえるだろう。
なお、主婦が投資を成功させるための秘訣を解説した以下の記事では、少額で資産運用を始めることもテクニックの1つとして紹介されている。他のポイントと合わせて運用を始める前に見ておくと良いだろう。
どの資産クラスで運用していますか?
アンケートによれば、主婦は、「投資信託(73.3%)」と「株式(53.3%)」を中心に資産運用を行っていることが明らかになった。次点の「外貨預金」が10%未満であることからも、2種類の資産クラスの人気の高さが伺える。
具体的には、投資信託の「プロに運用を任せられる」点や株式の「株主優待で生活必需品を手にいれることができる」点が、多くの主婦に評価されていた。
これらの結果から、投資信託や株式が、家事や育児で日々忙しく過ごしている主婦のニーズを満たす運用商品であるといえるだろう。
現在の運用ポートフォリオ(資産クラスの割合)を教えてください。
アンケートによれば、主婦は原則として「投資信託」と「株式」を軸としてポートフォリオを構成していることが読み取れる。
具体的には、運用資産を投資信託に限定したポートフォリオが34.3%と最も多かった。また、投資信託と株式を併用したポートフォリオが30.7%、運用資産を株式に限定したポートフォリオも15.8%と一定数存在した。
この結果から、7割以上の主婦が上記2種類の資産クラスをポートフォリオに組み込んでいることがわかり、その人気の高さが伺える。
例えば、投資信託と株式をメインに外貨預金を組み込んだ、以下のようなポートフォリオがその一例だ。
ただ、他の運用手法を活用している主婦が全くいないわけではなく、以下のように4種類の資産クラスをうまく組み合わせたポートフォリオも存在している。
全体として、主婦は安全性を重視してバランスの取れたポートフォリオを構成していることが読み取れる。
主婦の運用先の選定基準に関するアンケート
最後に、主婦が運用先を選ぶ基準やおすすめの投資先、その理由に関するアンケート結果を取り上げる。
あなたが運用先を選ぶ基準を教えてください。(複数回答可)
アンケートによれば、主婦が運用先を選ぶ際に最も重視する要素は「安定性(リスク)」であり、83.6%の回答者が選択している。
この傾向は、先ほど取り上げた実際の運用先に関する質問で、手軽な分散投資とリスク管理が可能な投資信託が7割以上の主婦から選ばれていたこととも一致する。
また、「収益性(50.3%)」を選んだ回答者も多く、期待リターンの高い株式が主婦の人気を集めている理由の裏付けにもなっている。
これらの結果は、主婦がリスクとリターンのバランスを考慮し、運用先を慎重に見極めていることを示すものといえる。
あなたが思う、主婦におすすめの運用先はどれですか?
アンケートによれば、主婦におすすめの運用先としては「投資信託(63.1%)」が圧倒的支持を獲得する結果となった。
この要因としては、投資信託の少額から投資できる点やプロに運用を任せられる点を主婦が評価していることが考えられる。
また、「株式」も25.6%の回答者から推奨されており、配当金や株主優待などの特典を重視する主婦が多いことが推測される。
運用先としておすすめの理由を教えてください。
アンケートによれば、主婦が投資信託を推奨する理由としては、「プロに運用を任せられる(50.8%)」点が最も多く挙げられた。
具体的には、「子育てや家事で投資に時間をかけられないので、ほったらかし投資を実践できるのが便利だ」「投資に関する知識がなくても、オール・カントリーやS&P500を新NISA口座で積立すれば一定のリターンが期待できる」といった意見が数多く寄せられている。
また、「リスクが抑えられる(35.4%)」点や「少額投資に向いている(20.5%)」点を取り上げた回答者もおり、特に「自分の収入が少ないので、少額投資で損失を抑えられる点がありがたい」という主婦が多かった。こういった回答は、主に運用初心者の主婦から挙げられていると考えられる。
また、株式に関しては「株主優待や配当金がもらえる(14.9%)」ことを理由に挙げた回答者が多かった。中でも「優待券を使って子どもたちと外食に行けるのが嬉しい」「QUOカードなどお得な特典がもらえる」など、主婦ならではの着眼点から株式を評価する声が多かった。
このように、主婦たちは自身の生活状況や目的に合わせて投資先を選んでおり、それぞれの資産クラスのメリットを理解して活用していることが伺える。
今回のアンケートを通じて
今回のアンケートを通じて、主婦にとって資産運用が身近なものとなりつつあることが明らかとなった。
回答者の73.3%が「老後資金を貯めるため」に投資を始めており、1年未満の初心者から5年以上の経験者までその運用経験は多岐にわたっている。
また、多くの主婦は投資信託と株式の2種類を軸にポートフォリオを構成しており、少額で運用できる点や株主優待、配当金を受け取れる点がそれぞれ高く評価されていた。
年金の支給額が減少している近年の日本において、将来への備えとして資産運用を始める主婦は今後ますます増えていくだろう。