- 資産運用とは何かを理解したい
- 資産運用や投資に興味はあるが、ギャンブルのようで少し怖い
- 資産運用が自分にもできそうならチャレンジしてみたい
世界的なインフレによる物価高や老後2,000万円問題など、将来に不安をもっている方は多いだろう。
将来のためにお金を運用することを資産運用と呼ぶ。ただし資産運用と聞いても、初心者の方は具体的に何をするかイメージしにくいだろう。
本記事では初心者向けに、資産運用とは何か、初心者におすすめの資産運用と投資手法、資産運用のコツなどを解説する。
後半では政府が投資を後押しするための制度であるNISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)についても解説している。
本記事を読めば資産運用の全体像を把握でき、将来のための一歩目を踏み出す手助けになるだろう。
また、こちらではアンケートをもとに、年代別に資産運用のよくある失敗も紹介しているので、参考にしてほしい。
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資産運用とは?
資産運用をはじめる前に、資産運用の定義を知っておく必要がある。
- 預貯金や投資で資産を運用して増やすこと
- 資産運用とギャンブルは別物
以上2つのポイントについて、詳しく解説する。
預貯金や投資で資産を運用して増やすこと
資産運用とは預貯金や投資で資産を運用して、利息や配当によって資産を増やす活動である。
資産運用の定義で見ると、銀行の貯金でも利息で資産は増えるため、立派な資産運用だ。
しかし国内銀行の普通預金金利は高くても0.2%程度であるため、将来増える資産額を考えると心許ない。
銀行にお金を預けるよりも資産を増やしたい場合、他の方法で資産を運用しなければならない。
資産運用の種類には預貯金以外にも、株式投資や債券投資、不動産投資など多岐にわたる。自身の目標やライフスタイルにあった方法を選び、資産運用をしていこう。
資産運用とギャンブルは別物
資産運用はしばしばギャンブルとひとくくりにされる。しかし資産運用はギャンブルとは異なる。
資産運用は適正なリスクを取りつつ、一般的には「投資」によって安定的に資産を増やす手法だ。
一方ギャンブルは「投資」ではなく「投機」であり、ハイリスクハイリターンで資産を大きく増やすことを目的とするため、とても安定しているとは言えない手法である。
金融庁ではギャンブルのことを、射幸行為(偶然に得られる成功や利益を当てにする行為)と呼んでいる。
資産運用は「投資」によって資産を増やし、ギャンブルでは「投機」によって一攫千金を狙うという、明確な相違点があると覚えておこう。
資産運用をはじめる前に理解しておいて、自分が行っているのはギャンブルではないと安心して資産運用に取り組もう。
資産運用初心者に適した5つの投資手法
資産運用の初心者に適した5つの投資手法を用意した。
- 投資信託
- 株式
- 債券
- ETF
- REIT(リート)
上記は投資手法として確立されており、初心者にとってはじめやすい点がメリットだ。資産運用をはじめる際は、これらの投資手法の中から選んではじめてみよう。
投資信託
投資信託とは多くの投資家から集められた資金を、プロの投資家が株式や債券などさまざまな資産に投資して運用してくれる商品だ。
投資信託の魅力はプロが自分の代わりに商品を運用してくれるため、初心者のように専門的な知識がなくても手軽に投資できる点だ。
購入したらあとは基本的に投資信託を持っておくだけであるため、管理も楽である。
たとえば、投資信託には以下のような商品がある。
商品名 | 内容 |
---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 株式100%の投資信託。世界中の株式に投資をしている。 |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 株式100%の投資信託。米国の主要500企業の株式に投資している。 |
三菱UFJ-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 国内外の株式・債券・不動産にバランスよく投資している。 |
ニッセイ外国債券インデックスファンド | 債券100%の投資信託。海外の債券に投資している。 |
以上の表のように、投資信託に含まれる投資対象はさまざまだ。株式や債券がおかずだとすれば、投資信託はそれらを詰め合わせたお弁当のようなイメージである。
個人が投資信託のように商品を選んで運用するとなると、非常に高度な知識が必要であるが、投資信託はその必要がなく初心者でも手軽に運用できる。
資産運用で迷ったら、まずは投資信託の購入を検討するといいだろう。
株式
株式投資とは特定の企業の株式を購入し、その企業の業績や株価の上昇を期待して収益を得る投資手法である。
投資信託は利益を自動的に再投資する商品が多い一方、株式投資では分配金を受け取れるという特徴がある。
つまり投資した企業が配当金を分配する方針であれば、定期的にお金が入ってくる。
配当金を定期的に受け取ると、生活が豊かになったり、将来の蓄えになったりする。後述する複利の効果を得たい場合は配当金を再び投資して、より大きな利益を狙うこともできる。
投資信託ではなく株式投資を選択する人は、キャピタルゲインである売却益を重視する運用方法とインカムゲインである配当金や株主優待を目的とする場合がある。
株主優待とは日本独自のインカムゲインであり、自社の商品やサービスを提供する制度である。優待の内容で銘柄を選ぶ人も多い。
ただし株式投資は投資信託とは異なり、自分で株式を購入して運用しなければならない。
そのため投資信託よりも知識がいる上、株価だけでなく会社の業績なども都度チェックする必要がある。
株式投資の魅力は、何といっても大きな値上がり益が期待できることだ。
金融商品のなかでも、相対的に価格の変動が大きく、予想通りの動きをした場合は短期間でも利益を出すことが可能である。
しかし、その反面予想とは違う動きをした場合は大きな損失を抱えることになる。
会社の業績なども自分で分析することが求められるので、投資初心者にはハードルが高いといえるだろう。
債券
債券投資とは、企業や政府が資金を調達するために発行する債券を購入し、利子収入や債券価格の変動による収益を得る投資だ。購入者は発行者から一定の利息を受け取る権利を得る。
リスクとリターンの観点から見ると、株式や投資信託よりもリスクは低く、安定した収益を期待できるため、資産の分散や安全性を求める投資家に適している。
ただし、リスクが低いとはいえ元本割れの可能性もあるため注意しよう。債券には国が発行する国債や、企業が発行する社債など、さまざまな種類が存在する。
利率や期間、信用リスクによって収益性やリスクが異なるため、投資する際はこれらの要因をよく理解し、自身の投資目的に合った債券の選択が重要である。
債券の価格は、市場金利と反対に動く傾向がある。市場金利が上昇すると、債券の価格は下落し、逆も同様である。金利の動きを予測することは、債券投資の成果を大きく左右する要因となる。
初心者が債券投資を行う際には、特性や市場環境をよく理解することが必要である。資産運用で債券投資を検討する際は、債券のリスクや値動きの特徴を考慮してみよう。
ETF
ETF(Exchange Traded Fund)は、取引所に上場している投資信託の一種である。
ETFの最大の特長は株式のように取引所でリアルタイムに売買できる点だ。
先述した一般的な投資信託は、日々の基準価額に基づき一日一回の取引しかできない一方、ETFは取引の手軽さや流動性が高まる点がメリットである。
さらにETFは通常の投資信託よりも手数料が安い傾向にある点も魅力だ。
ETFの投資対象は国内株や外国株、債券など多岐にわたる。多くの投資対象へ手軽に投資できるため、初心者にとってETFは非常に有用である。
ETFで資産運用することを検討する際は、資産の流動性や手数料、投資できる対象などを考慮してみるとよいだろう。
REIT(リート)
REIT(Real Estate Investment Trust:リート)は、不動産関連資産への投資を目的とした投資信託のひとつである。
REITは不動産からの家賃収入や売却で得られる収益を投資家に分配する点が特徴である。
そのため投資家は、REITを通じて不動産投資のメリットを享受できる。
REITの大きな特徴は取引所に上場しているため、株式のようにリアルタイムでの売買が可能である点だ。
前述した一般的な投資信託は、原則一日一回の取引しかできない。そのためREITは不動産への投資を手軽に行いたい投資家や、資金の流動性を求める投資家にとって魅力的な選択肢なのだ。
REITはオフィスビルや商業施設、住宅、ホテルなど、さまざまな不動産に投資できる。
初心者がREIT投資を検討する際、配当利回りや地理的な分散、投資法人の経営体制などを考慮することが重要である。
また経済状況や不動産市場の動向といった外部要因も、REITの運用成績に影響を及ぼすため、投資判断の際の参考になる。
REITの動きは株式や債券とは異なるため、株式や債券と同時に保有してリスクを分散させる手法がおすすめだ。
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資産運用初心者に適さない4つの投資手法
先ほど初心者におすすめの投資手法を紹介したが、本章では初心者の方におすすめしない投資手法を紹介する。
- 不動産
- 外国為替証拠金取引(FX)
- 仮想通貨
- デイトレード
紹介する投資が悪であるわけではなく、あくまで初心者にとって適さない手法である点を理解して読んでほしい。
不動産
資産運用初心者にとって、不動産投資はとくにハードルが高い。まず大きな資金を必要とするため、多くの初心者にとっては手が出しにくいからだ。
また不動産の取得や管理には専門的な知識や経験が求められ、初心者が独力で行うには困難である。
物件の選び方や購入時の契約内容、税務、管理・運営方法と、さまざまな要因を考慮する必要がある。
さらに不動産投資は資産の流動性が低く、一度購入した物件の売却が難しい。市場の動向や経済状況の変化によっては、予期せぬ損失を被るリスクもある。
そのため不動産投資を行う際は、十分なリサーチと知識が必要である。
資産運用初心者は、リスクと手間を十分に理解した上で、他の運用方法と比較検討することが望ましい。
不動産投資が気になる方は、不動産への投資に特化した投資信託であるREIT(リート)を検討するとよいだろう。
外国為替証拠金取引(FX)
外国為替証拠金取引、通称FXは、通貨の価格変動を利用して利益を追求する投資手法である。
しかしFXは資産運用初心者には推奨できない。なぜならFXは高いレバレッジによる大きな利益の可能性と同時に、大きな損失を被るリスクも伴うからである。
FXの特徴は価格の変動が大きい点や、市場が24時間動いており夜間にも価格が変動する点だ。
そのため初心者が十分な情報や知識を持たずに参加すると、予期せぬ価格変動により大きな損失を被る可能性が高まる。
また為替の動きを予測するための専門的な知識や経験、そして最新のニュースや情報に常にアクセスすることが求められる。
さらにFX取引を提供する業者によっては、スプレッドや取引手数料、その他のコストが発生し、それらが初心者の利益を圧迫することも考慮しなければならない。
結論としてFXはリスクが高く、専門的な知識や経験を必要とするため、資産運用初心者には適さない投資手法であると言える。
仮想通貨
仮想通貨は、近年大きな注目を集めるようになったデジタル資産である。
ブロックチェーンと呼ばれる技術を基盤としており、中央銀行や特定の管理者が存在しない点が特徴である。
しかし資産運用初心者が仮想通貨投資に手を出す際は、資産の特徴やリスクを理解する必要がある。
仮想通貨の価格は非常に変動性が高く、短期間で大きな価格変動が発生する。
このため短期間での大きな利益を追求できる反面、大きな損失を被るリスクも高い。
また仮想通貨市場は歴史が浅く成熟していないため、取引所の安全性や規制の不確実性など、他の投資手法とは異なるリスクが存在する。
さらに仮想通貨の技術的な側面や取引方法に関する知識が求められる。ウォレットの管理やセキュリティ対策、手数料やスプレッドなど、多くの要因を考慮しなければならない。
仮想通貨は特性上、初心者が十分な知識や経験を持たずに参入するのは難しく、注意深く取り組む必要がある投資手法である。
デイトレード
デイトレードは証券や仮想通貨などの取引を一日の間に複数回行い、短期的な価格変動を利用して利益を追求する投資手法である。
短期的に利益を得られる点が魅力である一方、さまざまなリスクを孕んでいる点を知っておくべきだ。
デイトレードは市場の小さな価格変動を的確に予測する高度な技術と、情報収集能力を要する。
また取引回数が増えるため、取引手数料やスプレッドなどのコストが積み重なりやすい。これらのコストは取引の利益を圧迫し、結果として損失を拡大する可能性がある。
さらに短期間での取引が続く中で、感情が取引判断に影響するリスクも増加する。
資金管理の失敗や過度なリスクの取り扱いなどで、ひとつの失敗が連鎖的な損失を招く可能性がある。
総合的に見ると、デイトレードは市場の動きに対する深い理解と経験、十分な資金管理のスキルが必要である。
資産運用初心者はデイトレードに挑戦する前に、リスクを充分に理解し、適切な知識と経験を身につけることが求められる。
資産運用で重要な複利について解説
複利とは「利益が利益を生む」という概念である。複利の考えは資産運用において非常に重要であるため、しっかり理解しておこう。
複利の具体例を紹介する。たとえば100万円を年利5%で運用すると、1年後には105万円となる。
この105万円を同じ条件で運用すると、2年後には110.25万円となる。このように、2年目の利益は5万円ではなく5.25万円と、初年度よりも2,500円多くなるのが複利の特徴である。
複利は短期間の投資では効果が小さく、長期的に投資すればするほど効果が高まる。
利益の再投資を継続すれば資産は雪だるま式に増加するため、複利の効果を高めるには長期的な運用が重要だ。
資産を効率的に増やすためには、複利と長期投資を意識しておこう。
資産運用をはじめる前に知っておきたい3つのポイント
資産運用をはじめる前に、事前に理解しておいた方がよいポイントは以下の3点だ。
- 生活費と資産運用のお金を分けておく
- 運用方針(リスク許容度)を決める
- 長期・分散を意識する
それぞれのポイントについて、詳しく解説していく。
生活費と資産運用のお金を分けておく
まずは生活費と資産運用のためのお金を分けよう。生活費を資産運用に使ってしまった直後に、リーマンショックやコロナショックのようなイベントが起こってしまうと生活ができなくなってしまうためだ。
生活費と資産運用のお金は、以下のように算出するとよいだろう。
- 食費や日用品費、水道光熱費、通信費など、基礎的な生活を送るためにかかる費用を月ベースで計算
- 任意の期間にかかる費用を計算
- 現在の資産額から2の計算を差し引いて資産運用に回す
2番目のステップの期間は、個人の考えによって大きく変わるが、少なくとも半年以上は生活費を確保しておくべきだ。心配な場合は1〜2年ほどの期間を考えてもよいだろう。
このように生活費と資産運用のお金を分ければ、あとは期間分の生活費が減らないように月の収入から補填して、収入の残りを資産運用に回せばいい。
最初の準備をしておくと資産運用の安心感が増すため、生活費を計算しておくのは非常に大切である。
運用方針(リスク許容度)を決める
次に資産運用の方針を決める必要がある。運用方針とはリスクをどれだけ取れるか(リスク許容度)を考えることだ。
事前に運用方針を決めておかなければ、必要以上のリスクをとってしまい大きな損失につながる可能性があるためである。
リスク許容度に正解はなく、個人のライフスタイルや性格によって異なる。
たとえば未婚の20代会社員であればリスクを取りやすく、すでにリタイアした60代であれば高いリスクは取りづらい。
このように現状のライフスタイルや家族構成、年齢などを考慮して、リスク許容度を考えてほしい。
長期・分散を意識する
安定的に利益を得るためには「長期」と「分散」を意識する必要がある。
長期の投資については過去の統計的な調査から、15年から20年の投資によって安定したリターンを得られるとの結果が出ている。
そのため短期的な利益を求めるのではなく、長期目線で資産運用をすることが非常に重要だ。
また投資するエリアやジャンル、商品を分散することでリスクを低くできる。分散投資は、以下のような例が挙げられる。
- 日本企業だけでなく他国の企業にも投資する
- 自動車産業だけではなく食品産業にも投資する
- 株式だけではなく債券も購入する
このように分散投資を意識すると、コロナショックのような出来事があったときでも、すべての資産が一度に大幅に減ってしまう自体を避けられる可能性が高くなる。
短期的な利益は魅力的だが、安定的に資産を増やしたいのであれば長期目線で分散した投資を心がけよう。
年代別に資産運用の例を紹介
一般的に、年代別に資産運用の方法は異なる。ライフスタイルや仕事の有無によってリスク許容度が異なるためだ。本章では年代別の資産運用の例を解説する。
- 20代から30代の資産運用の例
- 40代から50代の資産運用の例
- 60代からの資産運用の例
本章では「ポートフォリオ」という言葉が出てくる。ポートフォリオとは株式や債券、REITなどを所有している割合を指す。
解説する内容は一般的に考えられる年代別の例だと理解した上で、自分の年代の項目を参考にしてみてほしい。
20代から30代の資産運用の例
20代から30代で子どもがいない会社員を想定する。一般的に働きざかりの年代であることと、子どもがいないことからリスクが取りやすい。
今回は株式中心で、株式60%、債券30%、REIT10%のポートフォリオを組んでみた。
株式や債券は、個別で購入しても、同じような割合のポートフォリオの投資信託やETFを購入してもいい。
株式の割合が多くリスクは多少高くなるが、その分リターンを期待できるポートフォリオである。
▼20代の資産運用については、以下の記事で詳しく解説している。
▼30代の資産運用については、以下の記事で詳しく解説している。
40代から50代の資産運用の例
40代から50代の子どもがいる家庭を想定する。一般的に子どもの教育資金や老後の資金が必要であるため、20代や30代と比べて低リスクなポートフォリオだ。ポートフォリオはバランス型で、株式30%、債券55%、REIT15%とした。
債券が多くの割合を占めるため、リスクを抑えつつ安定的なリターンを狙えるポートフォリオだ。
株式や債券は個別で購入しても、同じような割合のポートフォリオの投資信託やETFを購入してもいい。
▼40代の資産運用については、以下の記事で詳しく解説している。
▼50代の資産運用については、以下の記事で詳しく解説している。
60代からの資産運用の例
60代以降は一般的に退職している方が多いため、収入源は年金が大半であり、資産運用ではリスクを取りにくい。
そのため一般的に低リスク資産と言われる債券が大半を占めるポートフォリオを組んだ。
40代から50代のポートフォリオよりも、さらにリスクを低くしたポートフォリオである。
個人のライフスタイルや性格によっては、債券の割合をさらに大きくしてもいいだろう。
他の年代と同様に株式や債券は、個別で購入しても、同じような割合のポートフォリオの投資信託やETFを購入してもいい。
▼60代の資産運用については、以下の記事で詳しく解説している。
資産運用で失敗する人の特徴
資産運用で失敗する人の特徴を知っておき、同じ行動を取らないようにすると失敗する確率が低くなる。
- 短期目線で投資してしまう
- リスク許容度以上のお金を投じてしまう
- 株価の下落で狼狽売りをしてしまう
上記3点の特徴について、詳しく解説する。
短期目線で投資してしまう
資産運用で短期的な利益を求めてしまうと、初心者は失敗しやすい。
資産運用は長期的に安定した投資を行い、複利の力で資産を増やす。
しかし短期目線の投資は株価や金利の上下が激しい中で投資をするため安定せず、複利の効果も得られないため資産運用初心者には向かないのである。
また短期の投資は機関投資家やプロのトレーダーが参戦しているため、初心者は負けてしまう可能性が高い。
短期的な利益は魅力的に見えるが、資産運用は長期的な継続がもっとも重要であることを忘れてはいけない。
リスク許容度以上のお金を投じてしまう
リスク許容度以上のお金を投資してしまうと、取り返しのつかない損失を招く可能性がある。
リスク許容度は主にライフスタイルや家族構成、年齢、資産額などによって決まる。
そのためリスク許容度は、投資対象や投資額を決めるために重要な概念である。
しかし許容度以上のリスクをもった商品に投資してしまった場合、生活に大きく影響する損失を出してしまう可能性がある。
たとえば40代で子どもを2人持つ会社員が、これからの教育費や生活費が必要になるタイミングで、資産の大半を新興国の株式に投資するのはリスク許容度を超えている。
投資する前に、利益を求めすぎて投資対象がリスク許容度を超えていないか確認しよう。
株価の下落で狼狽売りをしてしまう
株価の下落によって落ち着きをなくしてしまい、即売却してしまう「狼狽売り」をすると資産運用はうまくいかない可能性が高い。
株価が低い時に売ってしまうと、その後の株価上昇による利益を得られないためだ。
そもそも資産運用は長期投資が前提で、株価の下落がつきものだ。リーマンショックやコロナショックなどのイベントが起こると株価が大きく下落するが、2023年10月時点では下落前よりも世界全体の株価は高い。
長期投資は最終的に株価の右肩上がりを期待する投資手法であるため、一時的な下落で売却せず、持ち続けた方がいいのである。
資産運用中に株価が大幅に下がっても、慌てて売却せずに長期目線を忘れないようにしてほしい。
NISAやiDeCoで効率的に資産運用しよう
資産運用においてNISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)は非常に有効な制度である。
- NISAとは
- iDeCoとは
本章では2つの制度について詳しく解説する。
NISAとは
NISA(ニーサ)は「少額投資非課税制度」という日本の制度の略称である。NISAは一般的な投資家が資産を増やすためのサポートとして、2014年から金融庁によって導入された。
NISAの魅力は特定の金額までの投資において、得られる利益が非課税である点だ。
通常、株式や投資信託による利益には約20%の税金がかかる。しかしNISAでは非課税投資枠内で得られた利益はすべて非課税になるのだ。
資産運用初心者がNISAを活用するメリットは大きい。税金の負担がなくなるため、投資によるリターンが向上し、資産形成が加速されるためだ。
しかしNISAには投資金額など、利用に際して知っておくべき条件やルールが存在する。
初心者の方はこれらの詳細を理解した上で、自身の資産運用戦略に合わせて適切な活用が求められる。
NISAは政府が運用する投資施策だが、投資である以上リスクを伴う。しかし資産運用の第一歩を踏み出す手助けとなるのは確かだろう。
NISAは2024年1月から新体制となった。新体制のNISAでは、年間投資額が拡充されたり、投資の非課税期間が無期限になったりと、大幅に使いやすくなった。
▼2024年からの新NISAについては、以下の記事を参考にしてほしい。
iDeCoとは
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自らの将来のために資産を増やしていくための制度である。
日本の確定拠出年金制度のひとつとして導入された。資産運用の方法は、投資信託や定期預金などの選択肢があり、自らのリスク許容度や投資の目的に応じて選択できる。
iDeCoのメリットとして、税制上の優遇措置が挙げられる。iDeCoに加入して投資する掛金は全額所得控除となり、所得税と住民税の負担が軽減される。
また運用益についても非課税のメリットがあるため、長期間の運用を通じて資産を増やしていくには非常に有効な手段と言える。
ただしiDeCoはあくまで年金制度の一部であるため、一定の期間運用した後、受取年齢に達するまで引き出せない点に注意が必要である。
しかし将来の生活資金の一部として、また資産運用のひとつの方法として考えると、非常に有効な制度と言えるだろう。
▼iDeCoに関しては、以下の記事で詳しく解説しているため参考にしてほしい。
資産運用をはじめて将来のための準備をしよう
資産運用は難しいイメージがあるが、実際は初心者でもはじめられる。
世界的なインフレや年金支給額の減少などによる不安は、資産運用によって軽減可能だ。
たとえば資産運用で年利3.0%のリターンを達成できれば、たとえインフレ率が2.0%だったとしても資産は減らず、物価高にも対処できる。
年金の支給額が減っても、資産運用によってお金を確保できていれば、お金の心配が少ない老後生活をおくれる可能性が高くなる。
現在では政府がNISAやiDeCoで投資を後押ししており、日本でも資産運用をしていることがスタンダードになりつつある。
これらの制度を利用しつつ、ぜひ本記事で学んだ知識をもとに資産運用をはじめてみてほしい。
しかし、リスク許容度の決め方やポートフォリオの作成など、資産運用初心者の方は難しいと思ってしまうだろう。
そのような場合は、プロに相談するのがおすすめだ。プロというのは銀行や証券会社、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などが挙げられる。その中でもIFAへの相談をおすすめする。
IFAは内閣総理大臣の認可を受けており、金融機関と業務委託契約を結んでいるアドバイザーだ。
金融機関から独立しているため、中立的な立場からのアドバイスをもらえるメリットがある。
自分に合ったIFAを探す場合は「わたしのIFA」がおすすめだ。
「わたしのIFA」は、IFAを探せるプラットフォームであるため、自分に合った人材を探せるだろう。
IFAへの相談は無料であるため、ぜひ利用してみてほしい。
IFAは資産運用について幅広くアドバイスできて、ライフプランニングや個人のリスク許容度に合った金融商品の提案などが可能だ。
ライフプランやリスク許容度、顧客の性格を考慮して、あなた専用の投資戦略を組み立ててくれるだろう。
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