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資産管理会社とは?資産運用を法人化するメリット・デメリットを徹底解説

この記事で解決できるお悩み
  • 資産管理会社とは何かを知りたい
  • 資産運用を法人化するメリットが知りたい
  • どのような投資家が資産運用の法人化を検討するべきなのか知りたい

不動産や株式で多くの所得を得ている資産家の方の場合、資産管理会社を設立するという選択肢が視野に入る。

資産管理会社はどういった法人であり、設立においてどのような利点があるのだろうか。

本記事では、資産管理会社の概要や設立するメリット・デメリット、法人化を検討すべき人の特徴を解説していく。

会社設立の流れや相談先としておすすめのIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の特徴も紹介するので、ぜひ本記事を参考にしてほしい。

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目次

資産管理会社とは

資産管理会社とは、個人で所有している不動産や株式などの資産の管理を目的に設立される法人のことだ。

基本的に資産の運用・管理以外の事業は行われず、不動産による賃料収入や株式からの配当収入がメインの収入源となる。

一般的に資産運用は個人で行うケースがほとんどだが、資産収入が多い地主や事業オーナーなどの富裕層の場合は資産管理会社の設立による利点が多い。

税負担の軽減や所得の分散、相続手続きの簡易化などのメリットを求め、資産管理を行う法人を設立するパターンが多くなっている。

資産管理会社のメリット・デメリット

次に、資産管理会社の設立に伴うメリット・デメリットを紹介する。魅力的な側面と注意すべき側面を両方理解し、法人を設立すべきかどうかを判断しよう。

設立のメリット

法人を設立する利点として、主に以下のようなものが挙げられる。

設立のメリット
  • 税負担が軽減できる
  • 所得を分散できる
  • 相続手続きを簡易化できる
  • 繰越控除の期間が長くなる

個人の所得に対する所得税の税率は最大45%、住民税と合わせると最大55%となる。

一方で法人化した場合、所得に対する法人税の税率は原則23.2%となっており、住民税等と合わせても約30%となる。

所得が一定以上ある場合、法人化した方が税負担が軽減できる点がメリットだ。

また、個人で資産の運用を行う場合、運用益は資産家本人のみに帰属する。

しかし法人化して親族を役員にし、役員報酬を支払う場合は運用益は親族に分散される。親族全体での税率が下がり、納税負担を抑えることが可能だ。

そして、資産管理会社の株式に不動産や株式などの相続財産を一本化させることで、相続時の手続きを簡易化できるという利点もある。

例えば、不動産を相続する場合、通常は相続人同士で持分を分割しなければならない。

不動産を相続した後、土地や物件を有効活用したい場合は持分を所有している相続人同士で意見を擦り合わせなければならない。

しかし、不動産が法人に移転されていれば、相続時には不動産の分割は発生せず、法人の株式をどのように分割するかだけを考えれば良い。

さらに相続・贈与などで所有権が移転する際の登記費用も、法人に移転していれば発生しない。相続時の手続き等でのトラブルを回避できる点がメリットだ。

ほかにも発生した損失を翌年以降に繰り越して相殺する「繰越控除」の期間が、個人であれば最長3年であるのに対して法人化によって最長10年まで繰り越し可能である点などもメリットとして挙げられる。

上記の利点を踏まえた上で、資産管理会社を設立すべきかどうかを検討しよう。

設立のデメリット

法人を設立する場合、以下の注意点を頭に入れておこう。

  • 設立・運営にコストがかかる
  • 資産の移転にもコストがかかる
  • 会社の資産を自由に動かせない

一般的な事業活動を行わないとはいえ、法人の設立時には一般的な法人と同様のコストが発生する。

登録免許税や印紙代、定款認証手数料などがかかり、株式会社の場合は25万円程度かかると言われている。

合同会社の方がコストを抑えやすいが、それでも10万円ほどの設立コストが発生してしまう。

そして、法人の設立後にも運営を維持するためのコストがかかる。

利益に対する法人税や地方法人税、法人住民税、事業税などの税金に加え、税理士などの専門家に会計処理を相談する場合には年間で数十万円単位の費用が発生する可能性もある。

設立・運営にある程度のコストがかかることを頭に入れておこう。

また、個人所有の不動産を法人に移転する場合、登録免許税や不動産取得税、消費税、登記費用などのコストが発生する。

自分自身の資産を移転するだけでもコストが発生する点に注意が必要だ。

さらに、資産を移転して法人所有となった財産については、法人のオーナーであっても自由には使えない。

資産を個人に戻すためには、役員報酬や配当などの形で支払わなければならない。法人所有の財産はたとえオーナーでも自由に使うことはできないことを理解しておこう。

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資産運用の法人化を検討するべき人

資産運用の法人化を検討した方が良いのは、以下のような属性の人だ。

  • 個人で複数の事業を営んでいる
  • 課税所得が900万円を超えている
  • 相続財産が多い

個人で事業を行っている場合、利子所得や配当所得、株式等の譲渡所得、雑所得は損益通算できない。

ある事業で赤字が発生しても、利子や配当などの資産運用で得られた所得とは損益通算ができず、税負担を抑えられない。

法人化している場合、法人の事業活動で得た所得・損失は種類に関わらず損益通算できるため、赤字の事業が発生したときに税負担を軽減できる。

個人事業として複数の事業を営んでいる場合、法人化を検討してみると良いだろう。

また、個人としての課税所得が900万円を超えている場合、所得税率よりも法人税率の方が低くなる。

税負担を軽減できるため、課税所得900万円以上を法人化の目安として考えておこう。

そして、相続財産が多い資産家の方も法人化を検討すると良い。

不動産自体を相続する場合に比べ、資産管理会社の株式を相続する場合の方が相続税評価額を抑えられる可能性があるためだ。

つまり、相続人が負担する税金が軽減される可能性があるということになる。

さらには親族などを法人の役員に設定して役員報酬を支払っている場合、事前に親族に対して財産を移転できる。

相続時に発生する財産を減らし、税負担を軽減できる仕組みだ。上記の特徴に当てはまる人は、法人化を検討してみよう。

資産管理会社を設立する流れ

資産管理会社を設立する際、基本的には以下のステップで手続きを進める。

  1. 必要事項を決める
  2. 定款の作成・認証を行う
  3. 資本金を払い込む
  4. 登記申請書類を準備する
  5. 設立登記を行う

それぞれのステップを簡単に解説していく。

STEP
必要事項を決める

まず、法人の設立にあたって必要な情報を決めていくことになる。

主に以下のような内容を決める必要がある。

  • 会社形態(株式会社・合同会社・合名会社・合資会社)
  • 会社名
  • 本店所在地
  • 事業目的
  • 出資者
  • 資本金の額
  • 決算月

上記の必要事項をそれぞれ確認しておこう。

STEP
定款の作成・認証を行う

次に、先ほど決定した事項をもとに「定款」の作成を行う。

定款とは、会社設立の際に定める基本的な規則を定めた書類のことだ。株式会社を設立する場合、定款は公証人役場で認証を受けなければならない。

定款には商号や事業目的、本店所在地、出資者などを記載する。紙の定款だけでなく、電子定款の作成も可能だ。電子定款の場合、印紙税は不要となる。

STEP
資本金を払い込む

定款の申請を行い、認証されたら資本金の払い込みを行う。

この時点では会社設立登記が完了しておらず、法人の銀行口座は開設できないため、資本金の振込先は発起人の個人口座となる。

会社法では資本金の下限が定められておらず、1円から申請可能だ。

しかし資本金が極端に少ないと社会的信用が低くなってしまうなどのデメリットがあるため、初期費用に加えて3ヶ月分ほどの運転資金を資本金として用意しておくと良い。

STEP
登記申請書類を準備する

次に、会社の設立登記のため法務局に提出する登記申請書類を作成する。

株式会社の場合、主に以下のような書類の提出が必要だ。

  • 設立登記申請書
  • 登録免許税分の収入印紙
  • 定款
  • 印鑑届書
  • 発起人の同意書
  • 設立時代表取締役の就任承諾書
  • 発起人の印鑑証明書
  • 資本金の払い込みを証明できる書類

登記申請に向け、必要な書類をしっかりと準備しよう。

STEP
設立登記を行う

必要書類が準備できたら、法務局に提出して登記申請を行う。登記申請は原則として代表者が行うが、司法書士などの代理人に任せることも可能だ。

代理人が申請を行う場合、委任状も必要となる。登記の申請後、不備がなければ1〜2週間程度で会社の登記が完了する。

法務局で登記事項証明書や印鑑証明書などを取得し、法人の銀行口座を開設しよう。

資産管理会社の設立を検討している方は、ここまでの流れを理解しておこう。

資産管理会社を設立するべきかで迷ったら誰に相談するべき?

ここまで資産管理会社のメリット・デメリットや法人化の流れなどを紹介してきたが、設立すべきかどうか悩んでいるという方も多いだろう。

資産管理会社の設立でお悩みの方は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)への相談がおすすめだ。

ここでは、IFAの基本的な特徴や相談先としておすすめする理由、IFA検索サービス「わたしのIFA」について解説していく。

IFAとは

IFAとは、銀行や証券会社などの金融機関から独立した立場から顧客の資産運用をサポートする専門家のことだ。

顧客から相談を受け、最適な投資プランを提案したり、商品の仲介を行ったりすることが主な役割となっている。

従来、資産運用の相談といえば銀行や証券会社の窓口に行き、アドバイザーに相談を行うというのが一般的な流れだった。

しかし金融機関で相談をする場合、自社の商品を提案されるため、手数料が高い商品などの会社が売り出したい商品ばかりを提案されるケースが多い。

IFAの場合は金融機関から独立しており、外部の客観的な立場から商品提案などを行う。

顧客に対する中立性を保っており、IFAに営業ノルマなども設けられていない。本当に必要な商品を提案してもらえるため、安心して相談できるだろう。

客観的かつ中立な視点から投資助言を提案できることがIFAの強みである。

IFAをおすすめする理由

資産管理会社の設立などの悩みをIFAに相談すべき理由として、以下の2点が挙げられる。

IFAをおすすめする理由
  • 富裕層向けの資産運用に関するノウハウが豊富にある
  • 外部の専門家と連携しながらサポートしてくれる

資産管理会社の設立を検討する方は、地主やビジネスオーナーなどの富裕層が多い。

IFAは富裕層顧客を相手に助言を提供しているケースが多く、富裕層向けの資産運用に関するノウハウを豊富に有している。

相続や贈与などの資産承継の問題や税金対策、事業承継など、富裕層ならではの悩みに対して解決策を提示できることがIFAの強みだ。

「法人を設立すべきかどうか」「どのようなアプローチで税金対策をすべきか」といった悩みはIFAへの相談をおすすめする。

また、IFAは相続・贈与や税金対策などの課題を解決するために、外部の専門家と連携しながらサポートを提供してくれることが多い。

税理士や弁護士、司法書士などの専門家を紹介してもらうことができ、資産管理会社設立をワンストップで相談できる。

「相続や贈与について悩んでいる」「資産管理会社の設立を検討している」という方は、IFAへの相談を検討してみてはいかがだろうか。

IFA検索サービス「わたしのIFA」

IFAへの相談に興味がある方は、IFA検索サービス「わたしのIFA」の利用をおすすめする。

「わたしのIFA」とは、あなたにぴったりのIFAを無料で紹介し、マッチングまでサポートを行うオンラインプラットフォームのことだ。

一口にIFAと言っても、富裕層に対する助言に特化したアドバイザーもいれば、資産形成層の支援に注力しているアドバイザーもいる。

また、IFAによって得意分野も異なっており、必ずしもすべてのIFAがあなたの悩みを解決できるとは限らない。

「わたしのIFA」であれば、あなたの希望条件をフォームに入力するだけで条件にぴったりのIFAを全国のデータベースから抽出して紹介を行う。

あなたの資産状況や相談内容に最適なIFAが自動診断され、気になるアドバイザーがいればそのまま面談を申し込むことも可能だ。

IFAの紹介料や相談費用は原則無料となっており、初回面談を何人と行っても費用はかからない。

実際に面談をしてみて「相性が良くない」と感じた場合は、ほかのIFAと再度無料で初回面談を行える。

長期にわたるサポートを依頼するパートナーをじっくり探せることが「わたしのIFA」の特徴だ。

「資産管理会社の設立について悩んでいる」「IFAへの相談に興味がある」という方は、ぜひこの機会に「わたしのIFA」を利用して自分に合うIFAを探してみてはいかがだろうか。

資産管理会社のメリットを活かして資産を運用しよう

資産管理会社は、不動産や株式などの資産を管理する目的で設立する法人である。

個人で複数の事業を営んでいる方や課税所得が900万円を超えている方、相続財産が多い方などは法人の設立を検討すると良い。

法人を設立する流れは通常の法人設立と基本的には同じであり、定款の作成・認証や資本金の払い込み、設立登記などを行う必要がある。

必要事項を事前にしっかり決めておき、書類等を準備して計画的に法人設立の手続きを進めよう。

また、資産管理会社の設立を迷っている方はIFAへの相談がおすすめだ。

IFAは富裕層の資産運用や相続・贈与などに関して豊富なノウハウを有しており、ときには外部の専門家と連携しながらサポートを提供してくれるため、安心して相談を行える。

IFA検索サービス「わたしのIFA」では、あなたにぴったりのIFAを無料で紹介するサービスを提供している。

ぜひこの機会に「わたしのIFA」を活用し、信頼できる相談先を探してみてはいかがだろうか。

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資産管理会社に関するQ&A

資産管理会社のランニングコストはいくらですか?

資産管理会社における主なランニングコストは、法人税等と税理士への報酬である。

法人は赤字であっても7万円以上の法人住民税均等割が課され、さらに所得に応じて法人税・法人住民税・事業税を支払わなければならない。

また、税理士への報酬は依頼先の税理士に報酬体系や会社の規模によって異なるが、年間で10万〜50万円程度は想定しておく必要がある。

つまり、ランニングコストは赤字であっても20万円近く、所得があれば数十万円以上がかかる。

資産管理会社の資産は相続の対象になりますか?

資産管理会社に移転した株式や不動産などの資産は法人所有となるため、相続時の対象とはならない。

相続が発生したときは法人の株式を相続人同士で分割して受け取る仕組みとなる。

資産管理会社に資産を移転するコストはどのくらいかかりますか?

個人名義の不動産を資産管理会社に移転する場合、以下のようなコストが発生する。

  • 登録免許税(固定資産税評価額の2%)
  • 不動産取得税(固定資産税評価額の3〜4%)
  • 消費税(取引価格の10%)

不動産の固定資産税評価額や取引価格によって発生するコストが異なるため、一概にいくらかかるとは言えないが、上記のコストが発生することは頭に入れておこう。

資産管理会社に株式を譲渡した場合の税金の仕組みを教えてください。

株式を譲渡する場合の課税は個人と法人で異なる。個人で株式を譲渡する場合、税率は20.315%となる。

法人で株式を譲渡する場合は会社の規模や所得によって異なるが、税率は21.4%〜34.6%である。

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