- 20代におすすめの投資先が知りたい
- 20代の資産運用におけるポイントを理解したい
- 20代の投資の実態を把握したい
近年は、新NISAの普及などもあって投資を始める20代の方も増えてきた。
「20代に適した投資先が知りたい」「20代が資産運用で注意すべきことを知りたい」などと考えている方もいるだろう。
本記事では、20代が資産運用を始めるべき理由や、アンケート結果を元にした20代の投資実態などを詳しく解説する。
これから投資を始めようか迷っている20代の方は、本記事を参考にして自分に合ったおすすめの資産運用を探ってみてほしい。
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なぜ20代から資産運用を始めるべきなのか
そもそもなぜ20代から資産運用を始めた方がよいのだろうか。
ここではその理由を解説していく。
長期投資で資産を効率よく増やせる
20代から投資を始めると、人生のうち長い期間を投資に費やせる。
長期投資を行うことで複利効果によって資産を大きく増やしやすくなるため、なるべく早いうちから投資に取り組むのが重要だ。
例えば、毎月3万円の積立を続けた場合の運用シミュレーションは下記の通りだ。
運用期間/運用利回り | 10年 | 20年 | 30年 | 40年 |
---|---|---|---|---|
0.1% | 3,617,909円 | 7,272,177円 | 10,963,169円 | 14,691,255円 |
3% | 4,192,243円 | 9,849,060円 | 17,482,107円 | 27,781,786円 |
5% | 4,658,469円 | 12,331,011円 | 24,967,760円 | 45,780,605円 |
定期預金の金利を0.1%とすると、3万円を毎月積み立てた時に10年間で貯まるお金は約360万円だ。
これに対して、年利回り3%で運用しながら積立した場合は約419万円、5%で運用した場合は約466万円が貯まる。
20代から資産運用を始めれば、老後資金の準備のために40年間運用を続けることも可能だ。
40年間で貯まる金額は、投資をするかしないかによって大きく変わることがわかるだろう。
また、長期投資によって資産を増やしやすいということは、投資期間が長くなるほど少ないリターンでも目標金額を達成しやすいということでもある。
目標とする資産額に対して運用期間が短い場合、リスクをとって目標リターンをあげないと、なかなか目標金額を達成できない。
しかし、ハイリスク・ハイリターンな運用では失敗したときの損失も大きくなりやすいという点がデメリットだ。
運用期間を長く取れることで、余裕を持ったリスク・リターンで運用しやすくなるため、無理なく投資を続けやすいだろう。
時間を味方につけて投資に取り組むことで、効果的に資産を増やしやすくなる。
積立投資で投資タイミングを分散できる
投資を始める時期が早いと、定期的にコツコツと資産を積み立てていく積立投資の効果が高まる。
積立投資を行えば、毎月少額から投資ができるだけでなく、購入タイミングに迷わずに淡々と投資を継続できるというメリットがある。
「毎月1日に1万円を投資する」など積立投資の設定を決めておけば、自動的に毎月積立が行われるため、手動で買い付け手続きを行ったり、相場を見て売買タイミングを見計らったりする手間が省ける。
仕事やプライベートで忙しい20代の方であっても、無理なく投資を継続しやすいだろう。
加えて、積立投資を行うと、自然と購入タイミングが分散されることでリスクが抑えやすくなるという効果がある。
金融商品を定期的に一定額ずつ買い付ける方法を「ドル・コスト平均法」といい、金融商品の価格が高い時は購入する量が減り、価格が下がると購入する量が増える。
このため、投資を続けるうちに購入単価が平準化され、金融商品の価格変動リスクを抑えやすくなる。
投資期間が長くなるほど積立投資の効果は大きくなるため、20代という若いうちから投資に取り組むのがおすすめだ。
知識を身につけながら投資に取り組める
20代から投資に取り組むと、ゆっくりと知識を身につけながら投資に取り組む時間も確保しやすい。
金融や経済についてよくわかっていない初心者のうちは少額投資から挑戦し、徐々に理解が深まってきたところで投資額を増やす、といったように自分の習熟度に合わせて投資スタイルを変更することも可能だ。
近年は、20代など若い世代向けの投資セミナーも多く開催されているため、興味のある方は足を運んでみるのも良いだろう。
20代の投資実態
20代が投資を始めるメリットについて解説したところで、実際に20代がどのように投資に取り組んでいるかをチェックしていこう。
ここでは、弊社で実施したアンケートの内容をもとに、20代の投資実態を解説していく。
投資を始めたきっかけ
「投資を始めたきっかけは何ですか?」という質問に対しては、下記のような回答結果が得られた。
始めたきっかけ | 回答率(複数回答) |
---|---|
老後資金を貯めるため | 64.7% |
日々の生活費の足しにするため | 41.4% |
もともと興味があったから | 31.9% |
欲しいものを買う資金を貯めるため | 27.6% |
新NISAが始まったから | 19.8% |
家族・友人に勧められたから | 16.4% |
SNSやYouTubeを見て興味を持ったから | 15.5% |
子供の教育費のため | 8.6% |
証券会社から提案されたから | 0.9% |
その他 | 0.9% |
「老後資金を貯めるため」という回答が最も多く、6割以上の回答率となった。
また、日々の生活費の足しにしたり、欲しいものを買う資金にしたりなど、近い将来に使う予定のある資金として投資を始める人も多いようだ。
一方、20代という若い世代では「子供の教育費のため」「証券会社から提案されたから」という理由で投資を始めた人は少ない。
資産における投資割合
「保有資産における投資資産の割合を教えてください」という質問に対しては、以下のような回答が得られた。
保有資産割合 | 回答率 |
---|---|
10%未満 | 6.9% |
10%以上20%未満 | 20.7% |
20%以上30%未満 | 19.8% |
30%以上40%未満 | 9.5% |
40%以上50%未満 | 11.2% |
50%以上60%未満 | 16.4% |
60%以上70%未満 | 4.3% |
70%以上80%未満 | 2.6% |
80%以上90%未満 | 5.2% |
90%以上 | 3.4% |
「10%以上20%未満」の保有率が最も多く、次に「20%以上30%未満」という順となった。
回答者の約4割が10%以上30%未満の保有率であることがわかる。
投資している資産クラス
「どの資産クラスで運用していますか?」という質問に対しては、以下のような結果となった。
保有資産 | 割合 |
---|---|
投資信託 | 70.7% |
株式 | 44.0% |
FX | 14.7% |
ETF・REIT | 9.5% |
債券 | 6.9% |
外貨預金 | 5.2% |
不動産 | 2.6% |
ファンドラップ | 0.9% |
その他 | 1.7% |
投資信託が最も多く、約7割の回答率となっている。
次に株式が44.0%、FXが14.7%と続くが、投資信託と比べると大きく差がある。
投資信託は少額からでも始めやすく、分散投資も容易なため、若い世代でも人気が高まっているものだと推測できる。
投資先を選ぶ基準
「あなたが投資先を選ぶ基準を教えてください。」という質問に対しては、以下のような回答結果が得られた。
選ぶ基準 | 割合 |
---|---|
安定性(リスク) | 78.4% |
収益性(期待リターン) | 67.2% |
手数料 | 37.9% |
投資期間 | 12.9% |
流動性(換金しやすさ) | 10.3% |
目標金額 | 5.2% |
安定性(リスク)を重視して選ぶ人が最も多く、次に収益性(期待リターン)を重視する人が多いという結果となった。
また、手数料についても4割弱の人が重視しており、しっかりとチェックしたいポイントだと言える。
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20代におすすめの投資先
次に、20代におすすめの投資先についてもアンケート結果を元に確認していく。
「あなたが思う、20代におすすめの投資先はどれですか?」という質問に対しては、以下のような結果となった。
おすすめの投資先 | 割合 |
---|---|
投資信託 | 62.1% |
株式 | 24.1% |
FX | 8.6% |
債券 | 1.7% |
外貨預金 | 1.7% |
ETF・REIT | 0.9% |
不動産 | 0.9% |
上位の項目について、理由を確認していこう。
投資信託
投資信託は、投資家から集めた資金を運用会社がまとめて運用し、得られた収益を投資家に分配する仕組みの金融商品だ。
約6割の人がおすすめの投資先として選択していた。
- 投資の知識が少なくてもプロに任せて資産運用ができる
- 数百円から始められるので収入が少ない20代にもぴったり
- 株式と比べて商品選定が簡単
- 運用中にあまり手間がかからない
【回答例】
初心者でも簡単に投資に挑戦できることや、少ない金額から投資を始められることなどを理由として挙げている人が多かった。
株式
おすすめの投資先として株式を挙げていた人は、全体の約24%だった。
- NISAの成長投資枠で株式を購入すれば値上がり益が非課税になるのが魅力的だった
- 単元未満株(ミニ株)であれば、少ない資金でも株式投資を始めやすい
- 他の資産クラスと比べて高いリターンが期待できる
- 株主優待が魅力的
高い収益性や株主優待、配当などを魅力に感じている人が多かった。
複数の企業に分散投資を行えばリスクも低減しやすいといった声もあった。
FX
おすすめの投資先としてFXと回答していたのは、全体の8.6%だ。
- 仕組みがわかりやすく初心者でも始めやすい
- 少ない元手資金でも始められる
- 24時間いつでも取引できる
- 同世代の人が多くやっていて安心感がある
ある程度リスクをとって高いリターンが欲しいという人は、FXを選択している人も多かった。
若い年代だからこそ、FXのようにリスクをとった投資をしやすいと考えている人もいた。
20代におすすめの運用ポートフォリオ
20代におすすめの運用ポートフォリオを投資目的別に解説していく。
安定型
なるべくリスクを取りたくないという安定型は、以下のようなポートフォリオがおすすめだ。
- 国内債券
- 60%
- 先進国債券
- 20%
- 国内株式
- 10%
- 先進国株式
- 10%
債券を中心にポートフォリオを組むことで、価格変動の少ない安定的な運用を期待しやすい。
具体的な投資商品は、株式や債券に連動するインデックスファンドを活用するのもおすすめだ。
バランス型
リスクとリターンのバランスをとって運用したいというタイプは、以下のようなポートフォリオがおすすめだ。
- 国内債券
- 10%
- 先進国債券
- 10%
- 国内株式
- 30%
- 先進国株式
- 30%
- REIT
- 20%
株式を中心に組み入れつつ、REITなども組み込むことで分散投資効果を狙いやすい。
リスク許容度や投資経験に合わせて配分比率を検討するのがおすすめだ。
成長型
リスクをとって積極的にリターンを求めたい場合は、以下のようなポートフォリオを参考にしてみよう。
- 国内株式
- 20%
- 先進国株式
- 50%
- 新興国株式
- 20%
- REIT
- 10%
株式を中心にポートフォリオを組むことで、大きなリターンを期待しやすい。
ただし、新興国株式は国内株式や先進国株式に比べて値動きが激しい点には注意が必要だ。
20代の資産運用の注意点
20代が資産運用をする際は、注意したいポイントがいくつかある。
以下で順番に解説していく。
投資は余剰資金の範囲内で行う
投資は余剰資金の範囲内で行うことが重要だ。
20代のうちはそれほど貯金がなく、投資に回すお金が少ないかもしれないが、生活資金や数年以内に使う予定のあるお金に手を出すのはおすすめしない。
投資にお金を回しすぎて生活に困窮してしまっては元も子もないため、毎月の収支をしっかりと把握した上で投資を始めよう。
過度にリスクを取らない
若い世代は中年〜高齢世代に比べてリスクを取りやすい傾向がある。
しかし、極端にリスクが高いハイレバレッジ商品や信用取引、オプション取引などに高額を投資するのは避けておこう。
特に、初心者のうちはすぐに投資の成果が欲しいと感じてハイリスク・ハイリターンな商品に興味を持ちやすいが、高いリターンが狙える商品はそれだけ失敗したときの損失も大きくなってしまう点に注意が必要だ。
分散投資を心がける
分散投資を意識するのも重要だ。
複数の資産にお金を分散したり、投資タイミングを分散させたりすることで、投資のリスクを抑えやすくなる。
複数の銘柄に投資を行う投資信託であれば、一つの商品を購入するだけで手軽に分散投資ができるため、手軽にリスク管理が可能となる。
20代が資産運用するなら誰に相談するべき?
20代が資産運用を始めるなら、専門家に相談するのがおすすめだ。
ここでは、専門家を活用するメリットや、おすすめの相談先を解説する。
20代が資産運用を専門家に相談するメリット
資産運用を始めるにあたっては、自分に適した運用商品を選定し、適切な資産配分で投資するように運用計画を立てるのが重要だ。
資産運用のプロに相談することで、投資初心者であっても自分に合った運用計画を立てやすくなる。
自分のイメージする理想的な人生プランや現在の家計の収支など、個人の状況を踏まえて最適な運用プランを立ててくれるため、しっかりと準備した上で投資を始められるだろう。
IFAとは何か
資産運用の専門家の中でも、特にIFAを活用するのがおすすめだ。
IFAは独立系ファイナンシャルアドバイザーとも呼ばれ、特定の金融機関に属さずに資産運用の相談業務や金融商品の提案・仲介業務を行う専門家だ。
金融機関の営業担当者と違い、会社の都合や販売ノルマなどに左右されることなく、顧客目線でのアドバイスが期待できるというメリットがある。
突然の転勤や異動によって担当者が代わるということも原則として発生しないため、長期的に信頼関係を築きながら資産運用を任せやすいだろう。
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20代の資産運用は専門家に相談するのがおすすめ
20代は時間を味方につけて効率よく資産を増やせるため、少額からでも投資を検討するのをおすすめする。
本記事では、アンケート結果の内容を参考にして、20代の投資実態を詳しく解説した。
自分に適した運用方法を選ぶためには、リスク許容度や投資スタイル、余剰資金などを考慮する必要がある。
資産運用の専門家に相談することで、手間をかけずに自分に最適な運用方法を見つけやすいだろう。
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