- NISAを活用して退職金運用を始めたい
- 退職金を何で運用するべきかわからない
- NISAで始める退職金運用におすすめの方法が知りたい
老後の生活を支える大切な退職金。より資金を有効活用するためには、NISAで運用することもひとつの方法だ。
ただし、退職金での運用は慎重にリスクをコントロールしながら取り組む必要がある。
本記事では、おすすめの退職金運用方法のひとつとして、NISAで運用する際の投資先やポートフォリオ、注意点について解説していく。
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退職金運用にNISAがおすすめな理由
退職金運用にNISAを活用すべき理由として、次のようなものが挙げられる。
- 運用益に税金がかからない
- 生涯非課税で運用できる
- 対象となる金融商品が多い
それぞれくわしく解説していこう。
運用益に税金がかからない
NISA制度とは、株式や投資信託の運用で得た利益が非課税となる制度だ。
通常、株式や投資信託で得た売買益や配当金(分配金)には、20.315%の税金が課される。
しかし、NISAではその税金が非課税となり、利益をそのまま受け取ることができる。
たとえば、株式投資で30万円の利益が出た場合、通常は約6万円の税金が差し引かれるが、NISAであれば30万円をそのまま受け取れる仕組みだ。
およそ20%もの税金が非課税となるのは、投資家にとって効率よく利益を上げられる嬉しいメリットである。
生涯非課税で運用できる
NISA制度は2014年からスタートし、2024年1月に大きな制度改正が行われた。
当初は期限付きの制度であったが、今回の改正で非課税期間が無期限化されている。
これまではつみたてNISAが最長20年、一般NISAが最長5年の非課税期間が定められていたため、投資家は出口戦略を考える必要があった。
その点、新しいNISAでは非課税期間が無期限化されているので、生涯非課税で運用することも可能だ。
人生100年時代といわれる現在、期限を気にせず非課税で運用できるのは利便性が高いといえる。
対象となる金融商品が多い
NISA制度では、次のような金融商品が投資対象となっている。
- 上場株式
- 投資信託
- ETF
上場株式では日本国内の株式だけでなく、外国株に投資することも可能だ。
また、投資信託については「成長投資枠」と「つみたて投資枠」のどちらでも購入できるようになっており、次のようなファンドが対象となっている。
非課税枠 | 投資対象 |
---|---|
成長投資枠 | 投資信託(信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託は除外) |
つみたて投資枠 | 長期の積立・分散投資に適した投資信託 |
このように、NISAでは幅広い金融商品が対象となっており、投資家は豊富な選択肢の中から投資先を選定することができる。
NISAで始める退職金運用におすすめの投資先
NISAでは、上場株式や投資信託、ETFに非課税で投資ができる。ここからは、退職金運用に活用する際の金融商品別の特徴について解説していこう。
上場株式
株式投資は、証券会社を通じて証券取引所に上場している株式へ投資する方法だ。
企業が成長することで株価が上昇すると、株式を保有している投資家もその恩恵を受けられる仕組みである。
NISAでは「成長投資枠」の対象となっており、年間240万円まで投資することが可能だ。
生涯投資枠は1,800万円の限度額が設けられているが、成長投資枠については最大1,200万円となっているため注意しよう。
また、上場株式の中には定期的に配当金を出す銘柄もある。仮に上場株式に500万円投資し、3%の配当利回りを得る場合、年間15万円の配当金を受け取れる計算となる。
通常は配当金にも税金がかかるが、NISAの場合は非課税で受け取れるのがメリットだ。
「年金以外の収入源を作りたい」という人は、配当銘柄を中心に投資するのもよいだろう。
投資信託
投資信託は、複数の銘柄を組み合わせて運用する金融商品だ。
実際の運用は「ファンドマネージャー」と呼ばれるプロが行い、投資家はその運用成果を受け取る仕組みとなっている。
投資信託の大きなメリットは、1つのファンドを通じて分散投資ができる点だ。
株式投資のように自分で投資先を選定する必要がないので、投資経験が浅い人でもチャレンジしやすいといえる。
投資信託は、成長投資枠・つみたて投資枠のいずれでも購入できる。一括投資と積立投資を上手に活用しながら非課税投資枠を利用するとよいだろう。
なお、投資信託にも分配金を出す銘柄がある。ただし、投資信託については「普通分配金」と「元本払戻金」の2種類の分配金があり、元本払戻金については預けた元本を切り崩してもらうこととなる。
利益を受け取るわけではないため、株式の配当金とは異なることを理解しておこう。
ETF
ETFとは、証券取引所に上場している投資信託である。通常、投資信託は1日1価格で売買を行うが、ETFはリアルタイムで売買できることが特徴だ。
値動きを見ながら売買できるので、市場を見ながら取引したい人におすすめの金融商品である。
また、ETFは少数ではあるものの、一部つみたて投資枠の対象となっているものもある。
つみたて投資枠対象のETF
- iシェアーズ・コア S&P 500 ETF
- iFreeETF JPX 日経400
- iFreeETF TOPIX(年1回決算型)
- iFreeETF 日経225(年1 回決算型)
- 上場インデックスファンド米国株式(S&P500)
- 上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本
- 上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)
- 上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)
自分の投資意向に合うものはないかチェックしてみよう。
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NISAで始める退職金運用におすすめの運用ポートフォリオ
NISA退職金運用を始める際は、自分の投資意向に適したポートフォリオを構築する必要がある。
ここでは、リスク許容度別に3つのポートフォリオ例を紹介していこう。
ポートフォリオ①リスク低め
リスク許容度が低い人には、次のようなポートフォリオ例が挙げられる。
資産クラス | 資産配分 |
---|---|
国内債券 | 30% |
海外債券 | 30% |
国内株式 | 10% |
海外株式 | 10% |
国内REIT | 10% |
海外REIT | 10% |
リスクを低減して運用したい場合は、債券の割合を高めにするポートフォリオが向いている。
上記のポートフォリオでは全体の60%を債券で運用し、残りの40%を株式やREITで運用することで収益性を狙う配分となっている。
よりリスクを低くしたい場合は、海外債券よりも国内債券の配分を多くすることもひとつの選択肢である。
ポートフォリオ②リスク中程度
リスクと収益性を同程度求める人には、次のようなポートフォリオ例が挙げられる。
資産クラス | 資産配分 |
---|---|
国内債券 | 25% |
海外債券 | 25% |
国内株式 | 15% |
海外株式 | 15% |
国内REIT | 10% |
海外REIT | 10% |
上記ポートフォリオでは、債券が50%、株式とREITが50%となっており、安定性と収益性の資産クラスを半分ずつ保有する資産配分だ。
株式やREITで収益性を狙いつつ、債券で保守的な運用ができるため、資産を守りながら増やす運用が可能となっている。
「リスクを抑えながら利回りも追求したい」という人は、この資産配分を参考にしてみよう。
ポートフォリオ③リスク高め
「リスクを取りながら収益性を追求したい」という人には、次のようなポートフォリオ例が挙げられる。
資産クラス | 資産配分 |
---|---|
国内債券 | 10% |
海外債券 | 10% |
国内株式 | 30% |
海外株式 | 30% |
国内REIT | 10% |
海外REIT | 10% |
上記のポートフォリオは債券を20%に抑え、残りの80%を株式とREITで運用する資産配分だ。
ポートフォリオの大半を変動要因の大きい資産クラスへ充てているため、かなりリスクの高い資産配分といえる。
退職金はその資金の性質上、なるべくリスクを抑えて運用する必要がある。
株式や投資信託でリスクを取りたいときは、退職金の全てを注ぎ込むのではなく、一部は保険商品で運用するなど、全体のリスクバランスに配慮するようにしよう。
NISAで始める退職金運用のポイント・注意点
NISAで退職金運用を行う際は、次のような点に注意したい。
- リスクを取りすぎない
- 運用計画を立てる
- タイミングを分散する
それぞれくわしく解説していこう。
リスクを取りすぎない
NISAではさまざまな金融商品が対象となっているが、中にはハイリスクな銘柄も少なくない。
運用を始める際は、「退職金を元手に大きく資産を増やしたい」という気持ちも生まれるかもしれない。
しかし、退職金はセカンドライフを支える重要な資金となる。もしリスクを取った運用で大きな損失が生じてしまうと、セカンドライフの暮らしぶりにも影響を与える可能性がある。
退職金で運用する際は、「資産を大きく増やす」ということよりも、「資産を守りながら増やす」ということを重視したい。
ポートフォリオを構築する際は、しっかりと安定的な資産を組み入れることを意識するようにしよう。
運用計画を立てる
退職金の資産運用では、はじめに運用計画を立てておく必要がある。退職金はいずれ生活費として切り崩すことが見込まれるためだ。
たとえば、全く運用計画を立てずに運用していると、いざ切り崩す際に値動きの大きい商品ばかりに偏ってしまうことも考えられる。
値動きの大きい商品は売却のタイミングを見計らう必要があるので、資金を使いたいときに売却できないこともあるかもしれない。
つまり、資産運用は運用計画に応じてポートフォリオを変更していく必要があるということだ。
「何歳まで働くか」「家のリフォームなど大きな出費の予定はないか」など、今後のライフイベントを考えながら運用計画を立ててみよう。
タイミングを分散する
退職金は一度にまとまった資金を受け取るが、よりリスクを低減するには投資のタイミングを分散するようにしたい。
一度に投資してしまうと、高値掴みとなるリスクがあるためだ。
また、NISAには毎年の非課税限度額があり、年間360万円が上限額となる。しかし、投資するタイミング(年)を分散すれば、非課税で運用できる分も多くなる。
まとまった資金が入金されると、「早く投資に回した方がいいのでは」と思ってしまうかもしれないが、市況の動向を見ながら分散投資することを心がけよう。
なお、「せっかくの退職金を普通預金に置いておくのがもったいない」という場合は、退職金専用の定期預金などを活用することもおすすめだ。
NISAで退職金運用を始めるなら誰に相談するべき?
NISAには数多くの投資対象があり、「どの銘柄へ投資すればいいのか分からない」と悩む人も多い。大切な退職金の運用ともなればなおさらだ。
より適切な資産運用に取り組むためには、金融のプロである「IFA」へ相談することがおすすめである。
ここからは、IFAへの相談が増加している原因や、退職金運用の相談先の探し方について紹介していこう。
退職金運用はIFAへ相談しよう
IFAとは、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれる金融アドバイザーの一種である。
特定の金融機関に所属していないことが特徴で、顧客目線でのアドバイスをくれるとして注目を集めている。
IFAでは、ただ金融商品を提案するだけでなく、顧客の投資意向や家族構成、投資経験、ライフイベントなどをしっかりとヒアリングしたうえでおすすめの商品を勧めてくれる。
IFAは金融機関の職員ではないため、セールスされる心配がないのも嬉しいポイントだ。
本当に必要な商品だけを提案してくれるので、「初めて運用に取り組む」という人でも安心して相談できるだろう。
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退職金運用の相談先を探すときは、「退職金ナビ」の活用が便利だ。
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NISAで意向に沿った退職金運用に取り組もう
NISAはさまざまな金融商品が投資対象となっており、豊富な選択肢の中から投資先を選ぶことができる。
退職金運用の場合は、慎重にリスクをコントロールしながらポートフォリオを構築することが重要だ。
「自分で投資先を選ぶ自信がない」「適切なポートフォリオが分からない」というときは、IFAへ相談することがおすすめである。
ぜひ「退職金ナビ」を活用して、自分にピッタリな相談先を探してみよう。
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