【3469】株式会社デュアルタップ 事業概要と成長戦略に関するIRインタビュー

※本コラムは2024年4月16日に実施したIRインタビューをもとにしております。

株式会社デュアルタップは「エンターテインメント」を“相手が笑顔になること”と意味付け、不動産の販売を通じてお客様の幸福に貢献していく会社です。

2024年6期で創業17年目を迎え、東京23区内の駅から徒歩10分以内の立地に特化した不動産企画・開発・販売を主力事業としております。

代表取締役社長の臼井 貴弘氏に事業戦略の変遷や今後の成長方針を伺いました。

目次

株式会社デュアルタップを一言で言うと

笑顔創造企業

「エンターテインメント」を“相手が笑顔になること”と意味付け、不動産の販売を通じてお客様の幸福に貢献したいと思っています。

そしてこれを企業理念として掲げ、これからも一人でも多くの方の笑顔を創造したいと考えています。

 

デュアルタップの沿革

株式会社デュアルタップ代表取締役社長 臼井 貴弘氏

創業経緯

初めての社会人経験は、通信機器や保険商品の卸売業を主とした強い営業力で有名な企業で、営業の基本を徹底的に学びました。

その後、不動産売買・仲介会社の大手に転職し、前職で学んだ営業ノウハウを活かして営業セールスでトップになり、営業部門取締役に就任しました。

その後独立を目指しリーマンショック前の2006年8月に、総合不動産企業として株式会社デュアルタップを創業しました。創業1年目には東京23区を中心に展開している資産運用型マンションシリーズ「XEBEC(ジーベック)」の販売を開始。創業当初より、オーナー様の資産形成ならびに資産価値の向上に大きく貢献しております。

海外への展開と上場

2012年2月に国内外の投資家に双方向で収益不動産を紹介する海外事業を開始し、同年5月にはマレーシア現地法人を設立しました。

クロスボーダー事業の他、大規模コンドミニアムの建物管理事業を展開するなどスピード感を持って成長してきました。

国内でも2013年に建物管理事業をスタートし、不動産の企画開発・販売を中心としてシナジーを創出できる事業へ積極的に拡大し、順調に成長して参りました。

そして2016年7月には創業当初より目標の一つとしていた東京証券取引所へ上場したことで、信用度が高まり、ファンドや大手企業からのオファーもさらに増え、事業展開の機会が益々増していると感じております。

2022年6月には売上高100億円を突破し、更なる事業の発展のために経営体制の強化を図っております。

デュアルタップの事業の概要と特徴

概要

東京23区の駅から徒歩10分以内の立地に特化した資産運用型マンションの「XEBEC」シリーズを展開する不動産の企画・開発・販売を主力事業として、賃貸管理、建物管理、海外不動産など、積極的に事業を拡大し、総合不動産企業として成長を続けております。

事業における優位性

ワンストップサービス

当社は不動産の企画・開発・管理をワンストップで提案できることが強みです。

絶え間なく変化する時代とお客様のニーズに合わせた立地選定や企画開発を行うだけでなく、建物管理・賃貸管理まで一気通貫で行う仕組みを構築しているため、投資用不動産として高付加価値の提供を実現し、他社との差別化を図っております。

個人のマンションオーナー様をはじめ、REITや事業法人など多くのお客様から安心感があるとご支持いただいております。

賃貸マンション経営の頼れるパートナー ワンストップサービスのデュアルタップ より引用

好立地 × 高品質の素材と機能性 × 高いデザイン性

わたくしどもは、「オーナー様に金融商品を提供している」という強い想いをもって、マンションの企画・開発を行っております。

そして、「金融商品である」という観点から、物件においてもっとも重視しているのは“場所”です。

東京23区内であれば、どこでも入居者が集まるものではなく、便利で人気があるエリアの希少な物件でこそ高い稼働率が期待できます。

そのため、将来的に土地価格の更なる向上が期待できるかどうかを、土地の仕入れにおいて最も重視しております。

ただし、東京は土地に限りがあり、選択肢は少ないため、常に情報にアンテナを張り、培ってきた信頼・実績・ノウハウやネットワークを駆使して、より良い土地を仕入れて、その土地に最も適した形態のマンションを建てることを心掛けております。

デュアルタップクオリティ より引用

当社が提供するXEBECシリーズは賃貸マンションですが、基本的に分譲マンションに求められるような高品質の素材や高い機能性を持った空間づくりを重視しております。

具体的には、床材のフローリングやドア・収納に使用するシート材には、美しく、より強く、傷のつきにくい素材を採用しました。

株式会社デュアルタップ より提供

また、水回りには耐久性があり割れにくくデザイン性の優れたタイル素材を採用するなど。機能面においては、「暮らしやすい住まい」を実現するために、開き戸より引き戸を採用・トイレや洗面台での収納スペースを必ず設ける等、スペースの有効活用に徹底的にこだわっております。

また、ワイドシンクのキッチン・ゆったりサイズのバスルーム・お風呂の追い焚き機能やIoT機器の導入など、一般的な投資用物件ではあまり見られないような機能を備え、住みやすい物件作りを心がけております。

株式会社デュアルタップ より提供

デザイン性においては、単にトレンドを取り入れるだけでなく、色のコーディネーションにこだわり、全てゼロから選んでおります。結果として当社の開発物件は、その高いデザイン性と持続可能な美しさが評価され、国内の「グッドデザイン賞」や、イギリスの「FXデザインアワード」や、イタリアの「A‘デザインアワード」など多数受賞しております。

株式会社デュアルタップ より提供

現在では、お客様から高い評価をいただき、当社が手掛けたXEBECシリーズは累計75棟2,460戸に上り、2024年3月時点での入居率は99.8%と高い水準を維持しております。

株式会社デュアルタップ より提供

このように一般的な賃貸不動産で見られるような「安価で作ること」に重点を置いた物件ではなく、高品質で長期的に価値が保持されるような物件を目指し、オーナー様に長期的に保有していただけるようなコンセプトのもと企画・開発を行っています。

デュアルタップクオリティ より引用

デュアルタップの成長戦略

「医・食・住・遊」を展開するコングロマリット企業へ

私たちデュアルタップは、ディズニーランドのような存在を目指しております。

ディズニーランドは人生の様々な段階で訪れる場所であり、その度に違う楽しみ方ができます。

小学校の時は親と、中学や高校では友達や恋人と、親になってからは自分の子供と一緒にというように、私たちも物件の開発を通じて「人生のパートナー」としての役割を担いたいと考えております。

それがこの「医・食・住・遊」というコンセプトです。

株式会社デュアルタップ 2023年6月期 オンライン決算説明会資料 より引用

一例ですが、2022年に当社の独自性をもったアプローチが評価されグッドデザイン賞を受賞した集合住宅のコンフォリア北沢の開発コンセプトを固めるにあたり、当時の様々な事情で実現こそしませんでしたが、バスルームの鏡の前に立つと自動で体重を計測し、顔色や心拍数に基づいて健康診断を行うことができるという革新的な機能を備え、その健康診断結果を元に薬を配送するサービスを導入することも考えていました。

またいつか別の機会に実現したいと考えております。

3か年計画

社会・環境の変化を見据えつつ、当社が抱える事業課題や果たすべき目標を明確にし、戦略的に対応していくために、「3か年計画」を立てました。

2024年6月〜2026年6月の3年間は今後の成長に向けた地盤固めの期間で、言わばホップ・ステップ・ジャンプの「ホップ」に当たります。

そのためには安定した財務基盤が必要ですので、数値目標はあくまでも必達厳守の最低数値に留めております。

投資家の皆様の信頼を裏切ることは絶対にしたくないので数値に織り込んでいませんが、上振れの材料は当然持っております。

上場10年目にもあたる2026年での「3か年計画」の達成に向けて、役職員一丸となり、努めてまいります。

株式会社デュアルタップ 2023年6月期 オンライン決算説明会資料 より引用

注目していただきたいポイント

お客様の満足度を向上させることができる事業モデルに注目していただきたいです。

当社は国内外を問わず、グループシナジーを活かした開発・分譲・管理・運用までをワンストップで提供できることが強みです。

当グループ内にて、賃貸管理・物件管理を整備することでお客様の大切な資産の価値向上に努めております。

資産としての不動産という視点を明確にし、「持っていて良かった」と思える不動産を開発し続け、これからもお客様の幸福に貢献したいと考えております。

投資家の皆様へメッセージ

現在、デュアルタップは大きな変革期を迎えております。

先ほどお話したように、昨年、投資家の皆様に今後の成長をイメージしていただくため、経営基盤の強化・安定成長へ向けた4つの重点戦略を掲げた「3か年計画」を立てました。

そして4月には新たな人材を迎え「経営企画室」を立ち上げ、成長戦略および事業戦略の立案・IR活動を目指し、より当社の事業への理解を深めていただけるよう邁進しております。

また、当社株式の投資魅力を向上し認知度のアップを目的として、株主優待制度の新設を決定しました。

配当との総合利回りは開示の4月8日終値ベースで最高12%を超え、あの「桐谷さん」にも注目銘柄として紹介いただくなど、有難いことにたくさんの皆さまからご支援をいただいております。

個人投資家への認知度向上としては、名古屋証券取引所への重複上場申請をするなど、より多くの方へご興味を持っていただけるよう、取り組んでおります。

今後とも、投資家の皆様の ご期待にお応えできますよう努力してまいりますのでご支援いただけると幸いです。

株式会社デュアルタップ

本社所在地:〒103-0005 東京都中央区日本橋久松町4-7

設立:2006年8月4日

資本金:217,457千円(2023年6月末時点)

上場市場:東証スタンダード市場 (2016年7月21日上場)

証券コード:3469

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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