【3490】株式会社アズ企画設計 事業概要と成長戦略に関するIRインタビュー

※本コラムは2024年7月17日に実施したIRインタビューをもとにしております。

株式会社アズ企画設計は投資家の皆様のAからZまで幅広いニーズにお応えし、長期的な成長を目指しています。

代表取締役社長の松本 俊人氏に事業戦略の変遷や今後の成長方針を伺いました。

目次

株式会社アズ企画設計を一言で言うと

富裕層の資産ポートフォリオを様々な不動産商品で支える企業です。 

アズ企画設計の沿革

株式会社アズ企画設計代表取締役社長 松本 俊人氏

創業経緯

私の父は渋谷区神宮前でうなぎ屋を経営していましたが、いくつかの収益物件も保有していました。

私が不動産業界に足を踏み入れたのは、学生時代に父の所有する物件の集金やトラブル対応を任されたことがきっかけです。

大学では公認会計士の勉強をしていましたが、経営を学ぶために某飲食チェーンに入社しました。

数年間、飲食店の経営を学びましたが、やはり会計の知識を活かしたいと考え、不動産会社の経理として働き始めました。

その後は約6年間、経理と営業を兼務しながら、不動産業界の知識やノウハウを身につけました。

そして、1989年4月に独立し、当社を設立しました。

埼玉での事業開始と拡大

創業当初は自宅を拠点に不動産仲介事業を行っていましたが、賃貸管理事業への拡大を見据え、埼玉県の東川口駅近くのテナントを借りて店舗を構えました。

店舗を構えたことで集客が容易になり、初月から売上が100万〜200万円を達成しました。

その後、従業員を増やしながら事業を拡大し、2015年ごろまでは埼玉を拠点に事業を行っていました。

都心への進出と上場

埼玉でのビジネスが10億円台で数年推移したため、より収益性を高め、事業を拡大させるために2015年に神田に東京支社を設立し、都心でのビジネスを始めました。

それと同時に、収益不動産の販売事業を本格的にスタートさせました。

これにより、従来のビジネスとはターゲットが変わり、単価が向上し、売上を2倍、3倍と伸ばすことに成功しました。

そして、2018年3月にはJASDAQ(現 東証スタンダード)に上場を果たしました。

2023年8月には東京本社を丸の内に移転し、現在は東京本社と東川口の本店で事業を展開しています。

アズ企画設計の事業概要と特徴

概要

当社は3つの不動産ビジネスを展開しています。

主要ビジネスである不動産販売事業は、売上の約9割を占めています。

この事業は2015年ごろから開始しました。

収益不動産を取得し、リノベーションによるバリューアップやリーシングによる満室稼働を実現します。

その後、利回りを高めた資産性のある商品として不動産投資家や決算対策を必要とする企業に販売しています。

また、不動産賃貸事業と不動産管理事業によるストック収益を獲得しており、安定収益元としての成長を目指しています。

株式会社アズ企画設計 2025年2月期第1四半期 決算補足説明資料 より引用

事業における優位性

「90:9:1」の原則

当社のエリア戦略として、「90:9:1」の原則があります。

具体的には、都心のビジネスを90%、郊外のビジネスを9%、東北の被災地でのビジネスを1%という割合で展開しています。

都心は東京23区が中心で、単価が高く引き合いも強い商品を多数取扱っています。

また、郊外では本店所在地の東川口を中心に埼玉エリアでのビジネスを行っており、長年のノウハウを活かして安定的に事業を行っています。

そして、割合は1%と小規模ではありますが、宮城県南三陸町では、高校寮やコールセンター施設を保有し、外部へ賃貸物件としてお貸ししています。

このように、地域のリスクを分散させて事業を展開しています。

社員50名程度の少数精鋭ながら、地方展開が可能な企業は業界内では珍しく、他社にはない強みだと考えています。

リーシングとバリューアップ

当社の事業は不動産賃貸・管理事業からスタートしており、リーシングとバリューアップに関して長年のノウハウがあります。

収益不動産を獲得した後、すぐにバリューアップを図るためにリノベーションなどを行い、賃貸収入の引き上げを実現しています。

中古物件を購入する際には、物件エリアの市場環境や周辺比較物件の調査、物件自体の管理状況を把握した上で、リノベーションやリーシングを行います。

また、収益不動産の回転率の速さも当社の強みです。

仕入れ段階から販売を念頭に置き、同一社員がワンストップで仕入れから販売まで行うので、スピード感を持って商品化することができます。

回転期間が早いため、急激な金融情勢の悪化にも柔軟に対処し、販売を行うことができます。

株式会社アズ企画設計 2025年2月期第1四半期 決算補足説明資料 より引用

アズ企画設計の成長戦略

営業利益向上

利益率を向上させるため、大きなアップサイドを見込める物件は長期保有をし、価値を最大限に高めていきます。

また、希少性の高い物件を長期保有し、ストック収益を拡大していくことにも取組みます。

これまでは仕入れから販売までを半年程度で行っていましたが、物件を成熟させるためには、時間をかけてバリューアップを行い、独自性を持った物件に仕上げることが重要です。

今後は保有期間を1年以上としたものを織り交ぜながら、内部成長を充実させ、利益を確保しながら収益性を高めていきたいと考えています。

株式会社アズ企画設計 2025年2月期第1四半期 決算補足説明資料 より引用

社外との連携

社外との連携を含め、戦略的業務提携やM&A、連携先の拡充やサービスの活用を進めていきます。

特にM&Aについては、オフィス分野の強化を図っています。具体的には、オフィスのリーシング、リフォーム、管理、そしてレジデンスの賃貸管理を手掛ける企業が対象です。

また当社がまだ進出していないエリアで活動している企業があれば、M&Aや提携を進めていきたいと考えています。

様々な可能性を考慮し、当社の不足している領域を補い、シナジーを生み出せる企業との連携を検討しています。

株式会社アズ企画設計 2025年2月期第1四半期 決算補足説明資料 より引用

販売事業の規模の拡大

取扱高や取引件数の増加を目指して取組んできた2つの営業戦略も引き続き進めて行きます。

1つ目は取扱物件の大型化で、取扱う物件の価格帯を向上させてきています。

ある程度進捗してきたため目標値を「5億円以上」に引き上げました。

2つ目は取扱物件の多様化で、様々なアセットタイプの商品を取扱うことで、マーケットのニーズに柔軟に対応できるように商品ラインナップを整えていきます。

株式会社アズ企画設計 2025年2月期第1四半期 決算補足説明資料 より引用

価格帯の向上

当社のターゲットは、富裕層や黒字企業など、融資が付きやすい不動産投資家です。

そのため、相続対策や決算対策に活用される商品を提供する必要があり、5億円以上の不動産に加えて、10億円〜20億円規模の不動産の取扱いも拡充していきます。

株式会社アズ企画設計 2025年2月期第1四半期 決算補足説明資料 より引用

商品種別の多様化

近年、事業用不動産の買換え特例を活用する企業が増えています。

また、富裕層は不動産の購入に関して様々なチャネルを持っているため、当社が選ばれるためには商品ラインナップを多様化し、顧客満足度を向上させる必要があります。

そこで、一棟ものの不動産開発だけでなく、区分所有の不動産や居住用のプレミアムマンションなど、様々なアセットタイプを増やしていきます。

中でも、特にニーズの高い事業用不動産の開発を進め、オフィスや商業施設の取扱を増やしていく方針です。

株式会社アズ企画設計 2025年2月期第1四半期 決算補足説明資料 より引用

注目していただきたいポイント

最近、積極的に情報発信を行っているにもかかわらず、株価が伸び悩んでいます。

改めて当社の「90:9:1」の原則にご注目いただきたいと思います。

これまで成功を続けてきたこのエリア戦略に基づいて、事業を拡大させていきます。

今後は収益性を高めるため、一人当たりの利益を3,000万円まで引き上げることを目標にしています。

中長期的には都心を攻め、自社保有によるストック収益を得ながら、安定した事業基盤を築いていきます。

そして、売上の1%は社会貢献、地域活性をすることであげていきたいと考えています。

ぜひ、今後も当社の成長戦略にご注目いただき、期待していただければ幸いです。

投資家の皆様へメッセージ

アズ企画設計は、富裕層のお客様に向けて様々な不動産商品を提供し、バランスの取れたポートフォリオを提案しています。

当社の存在が長期的な資産価値の向上を実現できると確信しています。

これまでも変化の激しい時代の中で、多様な市場ニーズに応え、事業を柔軟に適応させてきました。

投資家の皆様には、この強みを活かした最適な投資機会を提供いたします。

ぜひ、当社に興味を持っていただき、ご支援いただけると幸いです。

詳細なご質問やご相談に関しては、当社HPよりお気軽にお問い合わせください。

株式会社アズ企画設計

本社所在地:〒100-0005東京都千代田区丸の内一丁目6番2号新丸の内センタービルディング17階

設立:1989年4月26日

資本金:3億7,250万円(2024年7月アクセス時点)

上場市場:東証スタンダード市場(2018年3月29日上場)

証券コード:3490

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

目次