【7369】株式会社メイホーホールディングス 事業概要と成長戦略に関するIRインタビュー

※本コラムは2024年4月2日に実施したIRインタビューをもとにしております。

株式会社メイホーホールディングスは「中小企業の経営を改善するプラットフォーマー」として、資本提携を行った地域企業の経営効率化・人材供給・業務連携をサポートする会社です。

2021年6月上場時のグループ会社数16社から現在23社へと拡大を続けている代表取締役社長の尾松 豪紀氏に事業戦略の変遷や今後の成長方針を伺いました。

目次

株式会社メイホーホールディングスを一言で言うと

中小企業経営支援プラットフォームを核とした実業を営む中小企業の集合体です。 

メイホーホールディングスの沿革

株式会社メイホーホールディングス代表取締役社長 尾松 豪紀氏

創業経緯と代表就任経緯

当社は1981年にメイホーエンジニアリングとして創業し、初期は測量を主な業務としていました。

その後、1992年に当社に入社し、2001年に当社代表取締役に就任しました。

2003年建設技術者を派遣する子会社を設立し、建設コンサルタント事業に加えて、技術者派遣事業を展開し、現在の人材関連サービス事業の基礎を築きました。

現在のビジネスモデルへ

2000年代初頭、多店舗展開で全国に拡大していくビジネスモデルを目の当たりにして、当社も別の地域に拡大していきたいと考えていました。

そして2006年に岐阜県高山市の測量会社を初めてM&Aし、その後立て続けに3社の経営の支援を行ったことが現在の事業の始まりです。

当時はまだ、中小企業のM&Aは一般的ではない中でPMI(経営統合作業)を手探りで行っていきました。

元々それらの会社は赤字体質でしたので、経営改善に苦労しましたが、会社が存続する事は、地域の雇用を守るという重大な役割がある事にも気づきました。

その後、中小企業経営者の高齢化による事業承継問題が社会の課題となる中、M&Aのお話をたくさんいただき、中小企業の経営陣への教育、四半期毎の計数管理、従業員への教育など、当社が培ってきた経営のノウハウを提供することで、ともに成長していくビジネスモデルを確立させました。

現在(2024年4月)に至るまで全国各地の建設・人材・介護関連企業22社のM&Aを実施しています。

株式会社メイホーホールディングス 2024年6月期上期 決算説明会資料 より引用

メイホーホールディングスの事業概要と特徴

概要

現在、メイホーグループでは建設関連サービス事業、人材関連サービス事業、建設事業、介護事業など地域のインフラや暮らしを支える4事業を展開しています。

まず建設関連サービス事業は、主に国や地方公共団体からの公共工事を受注し、幅広い建設関連サービスを提供しています。

具体的には、測量、各種設計業務、補償コンサルタント業務、発注者の施工管理サポートなどです。

次に人材関連サービス事業では、ゼネコンへの建設技術者派遣と製造業や管理部門へのスタッフ派遣を行っています。

また警備業や技能実習生の送り出し事業も行っており、これらの事業を通じて女性・高齢者・外国人に活躍の場を提供しています。

そして建設事業では、地方公共団体や国を主な顧客としており、地元の道路・橋梁・河川護岸の新設・維持管理工事などを行っています。

最後に介護事業では、高齢者の方々に対して、通所介護(デイサービス)や居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)などを運営しています。

当社メイホーホールディングスは、このような複数の事業を展開する中で、グループの効率的な運営を実現するために各管理部門を統括し、仕組み作りを実践しています。

株式会社メイホーホールディングス 2024年6月期上期 決算説明会資料 より引用

事業における優位性

グループの成長サイクル

当社は中小企業経営支援プラットフォームを展開し、M&Aを行ったグループ企業の成長をサポートしています。

具体的には、私たちの経営理念、ビジョン、価値観を共有することが重要です。

特に、中小企業では月次決算が行われていないことが多いため、これをしっかりと行い、月次目標と実績を比較することでPDCAサイクルを効率的に回す体制を築いています。

さらに、人手不足に対しては人材支援、人事サポート、DXの推進を通じて各社の生産性を向上することで、個社の利益拡大に貢献します。

結果、グループ全体の資金力を拡大し、更なる資本提携によるグループネットワークの拡大をする好循環を実現していることが当社の特徴です。

株式会社メイホーホールディングス 2024年6月期上期 決算説明会資料 より引用

M&Aの方針

当社のM&Aの方針としてはグループ入りする企業の永続的発展を最優先に考えています。売却を前提とせず、経営者及び全従業員の雇用を継続します。

そのため、長期に渡り十分な営業実績があり、ブランド力・参入障壁・顧客基盤・経営資源・安定収益の5つを満たす中小企業が対象です。

また、当社の事業シナジーがあることはもちろんのこと、現社長の経営方針も考慮して、グループ入りして頂けるかを検討します。

単なる売上増加や規模拡大のためのM&Aではなく、グループに入り、お互いが努力し合うことで成長していきます。

株式会社メイホーホールディングス 2023年9月 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

当社PMIの特徴

当社は、M&A後のスムーズな統合を実現するためにPMIの効率化とスピード感を重視して進めています。

まず、M&Aが決定した時点で、専門家によるPMIチームを設立し、各タスクの担当者と期限を明確に定義します。

株式譲渡実行日から7日以内には、決裁システム、会計システム、人事労務システムなどの主要な業務システムの導入を開始する一方、窓口を一本化することで対象企業の負担を軽減したり、グループに先に加わっている先輩企業からの様々なフォローや励ましにより、経営体制のスムーズな移行が可能になっています。

株式会社メイホーホールディングス 2023年9月 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

メイホーホールディングスの成長戦略

三段ロケット方式での成長

私たちは成長戦略を『三段ロケット推進方式』と称しています。

まず既存事業はグラフの下の部分ですが、オーガニックグロースとして中小企業支援プラットフォームや各セグメントとのシナジー効果で成長していきます。

そして建設関連、建設、人材、介護の4つの主要セグメントの新たなM&Aを通じた成長がグラフの真ん中です。

さらにグラフの一番上の部分が既存セグメント以外でのM&Aによる成長で、新しい領域に積極的に取り組むことで伸びていくと考えています。

株式会社メイホーホールディングス 2024年6月期上期 決算説明会資料 より引用

注目していただきたいポイント

当社のビジネスモデルの中核でもある中小企業経営支援プラットフォームに注目していただきたいです。

このプラットフォームを通じて、私たちのビジョンでもある「グループに集う主体的な仲間と共にイキイキと働き、やりがいを感じ、満足できる給与、休暇を得ることができる企業の全国ネットワークを築く」ことを達成するためにM&Aを積極的に行っていきます。

これまで多くの中小企業のM&Aを手掛けてきましたが、その過程でマインドの変革や組織の再構築を行い、どんなに小さな企業でも売上10億円を目指せる自信があります。

また、この業界において中小企業をM&Aしながら成長させていこうと考えている企業はほとんどありません。

このニッチな領域での、確かなノウハウと実績を持った当社のビジネスモデルに注目していただければと思います。

株式会社メイホーホールディングス 2024年6月期上期 決算説明会資料 より引用

投資家の皆様へメッセージ

2021年上場時の売上高は52億円であり、「まずは100億円」を目標にしていましたが、2024年6月期には既に3件のM&Aがありましたので売上高100億円を達成できる予想を開示しています。

当社の展開する中小企業経営支援プラットフォームは、今後も事業承継による後継者不足や地域創生という観点でも非常に社会性が高いビジネスだと考えています。

今後も組織化かつ標準化されたPMI体制の構築を推進し、増え続けるM&A案件への対応を強化して、更なる成長を目指していきますので引き続きご支援いただけると嬉しいです。

株式会社メイホーホールディングス

本社所在地:〒500-8326 岐阜県岐阜市吹上町六丁目21番

設立:2017年2月1日(創業:1981年7月25日)

資本金:4億4,649万2,080円(2024年4月アクセス時点)

上場市場:東証グロース市場・名証ネクスト市場 (2021年6月2日上場)

証券コード:7369

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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