【274A】株式会社ガーデン 事業概要と成長戦略に関するIRインタビュー

※本コラムは2025年3月18日に実施したIRインタビューをもとにしております。

株式会社ガーデンは企業再生型M&Aを通じて、外食産業において高い収益性と成長性の両方を目指しています。

現在、主なブランドとして「壱角家」と「山下本気うどん」を展開しています。

代表取締役社長の川島 賢氏に事業戦略の変遷や今後の成長方針を伺いました。

目次

株式会社ガーデンを一言で言うと

外食産業において「収益性が高く、成長性のある企業」です。 

ガーデンの沿革

株式会社ガーデン代表取締役社長 川島 賢氏

創業の経緯

1994年、私が26歳の頃のことです。

ある知人から「赤字で苦しんでいるカラオケ店があるのだが、無償で譲り受けて再建してみないか」と声をかけられました。

これが、いまの株式会社ガーデンの前身となる有限会社シグマック(のちの株式会社マック)のスタートです。

当時のカラオケ業界は、大手チェーンが続々と市場に参入し、中小規模の個人経営店舗は軒並み厳しい状況に追い込まれていました。

しかし、その厳しい状況が、私にとっては逆に大きなチャンスとなり、通常であれば1億円から3億円ほどの資金が必要なカラオケ事業を、ほぼゼロコストで引き継げるという幸運に巡り会うことができました。

このチャンスを最大限に活かそうと決意し、埼玉県で譲り受けたカラオケボックスの再生に全力で取り組みました。

結果として、その店舗は見事に黒字化し、事業としても順調に軌道に乗せることができました。

その成功をきっかけに、私は居抜きの物件を低コストで引き継ぎ、再生させて収益化する「居抜きビジネスモデル」を積極的に展開していきました。

その手法が功を奏し、創業からわずか2〜3年という短期間で、売上を10億円規模にまで拡大させることができたのです。

飲食業界に参入

赤字カラオケ店の再生事業が順調に進むにつれて、その実績を評価した金融機関や周囲の知人たちから「この手法なら飲食業界や他の業種でも活かせるのではないか」という声をいただくようになりました。

そうした声に後押しされる形で、2003年、私は赤字で苦しんでいたあるステーキ店を買収し、初めて飲食業界へと進出することにしました。

その後もステーキ事業を足がかりとして、数多くの飲食店舗の再生案件を手掛けてきました。

そして、2014年には牛丼チェーンの「東京チカラめし」や「神戸らんぷ亭」の店舗事業を譲り受けました。

これが大きな転機となり、当時40店舗ほどしか展開していなかった当社が一気に成長するきっかけとなりました。

しかし、当時の「東京チカラめし」は創業以来、毎月8,000万円もの赤字を出し続ける厳しい状況にありました。

しかし私は、短期間で収益を改善するために明確な戦略を立て、このピンチをチャンスに変える挑戦を始めました。

具体的には「東京チカラめし」の店舗の立地や設備をそのまま活用し、業態を家系ラーメン店「壱角家」へと大胆に転換することで、早期の再生を図ったのです。

その結果、半年という短期間で見事に黒字化を果たし、私たちの取り組みが間違っていなかったことを証明することができました。

事業再編と飲食事業への集中投資

2015年に、私は持株会社として新たに株式会社ガーデンを設立し、それまで個別に運営していたカラオケ事業と飲食事業を統合して、多角化を進めることにしました。

しかし、その後すぐに私自身が感じたのは「選択と集中」が必要であるということでした。

そこで、2017年、創業以来続けてきたカラオケ事業(カラオケマック)を第一興商さんに売却し、経営資源を飲食事業に集中させるという大きな決断をしました。

この戦略転換によって、当社がこれまでM&Aを通じて手に入れてきた多彩な飲食ブランドを、より深く掘り下げ、育てていくことが可能になったのです。

翌2018年にはグループ内の子会社12社を吸収合併し、飲食事業をシンプルかつ効率的に一本化しました。

こうして基盤を整えることで、事業間の連携を高め、新たな成長フェーズへと踏み出すことができました。

そして2021年、私たちは新たな挑戦として「山下本気うどん」の商標権を取得し、本格的に高付加価値路線のうどん事業を展開することになりました。

「山下本気うどん」を選んだ理由には、「伸びる事業をさらに大きく伸ばしたい」という狙いがありましたが、実際に目黒にあった店舗は赤字経営で、正直なところ企業再生に近い案件でもありました。

ただ、私は現場を見てすぐに「これは立地を改善すれば必ず成功する」と確信しました。

ブランドの基礎はしっかりできていましたから、味のクオリティを維持しつつ、当社が得意としてきた「一等地への移転戦略」を適用すれば、短期間で黒字化が可能だと思ったのです。

また、既存の強いブランド力に加え、「創作うどん」という新しいコンセプトを打ち出すことで、さらなる付加価値を提供できるとも考えました。

その戦略が功を奏し、「山下本気うどん」はいまでは当社の第二の柱とも呼べるほどに成長しました。

当社の将来を語る上でも、なくてはならない大切なブランドへと育っています。

株式会社ガーデン2025年2⽉期第3四半期決算説明資料 より引用

東証スタンダード市場に上場

約6年前から「いつかは上場したい」という思いを強く持ち続けていましたが、創業からちょうど30年という節目を迎える2024年、東証スタンダード市場への上場を果たすことができました。

これまで当社は企業再生型のM&Aを主軸に成長を続けてきましたが、実際に上場を目指すとなると、準備期間中には新規のM&Aが難しくなるため、成長が一時的に停滞してしまうリスクがあることも事実でした。

しかし私は、外食企業として安定的な成長が期待できる「壱角家」というブランドを中心に据えることで、そのリスクは乗り越えられると判断しました。

また当社の成長戦略において、透明性や健全性は極めて重要な要素です。

特に、M&Aを継続的に推進していくためには、社会的な信頼と信用力が必要不可欠だと考えています。

そのため、まずは東証スタンダード市場への上場という形を選び、企業としての信頼性を確立した上で、次の成長ステージへ進むことが最善だと考えました。

上場の目的は、はっきりとしています。

それは「外食業界でトップを目指し、企業価値を最大化する」ということです。

上場することによって企業の信用力が高まり、資金調達の方法も広がり、優秀な人材の採用にもつながります。

もちろん、M&A戦略を推進する上でも大きなメリットになるでしょう。

私は今回の上場をゴールとは考えておらず、むしろこれからの成長に向けた重要な通過点だと捉えています。

ここからさらに飛躍し、皆さまに評価いただけるような企業を目指していきたいと考えています。

ガーデンの事業概要と特徴

概要

飲食事業を軸にM&Aを活用した成長戦略を進めており、ラーメン店をはじめ、レストラン、ステーキ店、寿司店など、さまざまな業態の飲食店舗を全国で展開しています。

また、自社ブランドのフランチャイズ展開や、それらに付随する不動産事業なども手がけています。

当社の特徴は、多様な飲食ブランドを持ちながらも、特に主力のブランドがしっかり育っていることです。

現在、業績を支える最大の柱は家系ラーメンの「壱角家」で、売上の約8割を占めています。

そして近年では、次なる主力ブランドとして成長が著しい「山下本気うどん」にも力を注いでいます。

株式会社ガーデン2025年2⽉期第3四半期決算説明資料 より引用

事業における優位性

企業再生型M&Aのノウハウ

当社の最大の強みは、やはり「企業再生型M&A」のノウハウにあると思っています。

ただし、私たちには明確なポリシーがありまして、「再生の見込みがない企業には絶対に手を出さない」ということを徹底しています。

具体的に言いますと、買収の話が持ち込まれる前の段階で、その企業の現状を私たち自身で徹底的に検証し、細かく分析を行います。

その中で、本当に黒字化できる要素があるかどうかを慎重に見極めます。

その結果、「これなら確実に再生できる」と確信が持てた企業にのみ、初めて買収を仕掛けるというのが実際の流れになっています。

つまり、決して闇雲にM&Aを行うわけではありません。

買収した後にどうやって黒字化するのか、最初から戦略的に明確な道筋を立てた上で案件を選びますので、これによって失敗するリスクを最小限に抑えられているわけです。

実際に、「東京チカラめし」の買収案件を例に挙げてご説明しましょう。

この案件が市場に出回るよりも前に、私たちはすでに独自の分析から、「このまま放置すれば赤字はさらに拡大してしまうだろう」という結論を出していました。

それならば、他の企業が手を挙げる前に、自分たちの方から先にアプローチしようと考え、「ぜひ私たちに任せてほしい」と直接交渉を申し入れました。

その後、実際に市場に話が出てきた頃には、私たちはもう十分な検証を済ませ、買収に必要な資金調達もすべて完了させていました。

おかげでスムーズに話を進めることができ、迅速な事業再生を実現することができました。

このように、市場分析を入念に行い、早期に戦略的判断を下すことが、企業再生を成功に導く大きなポイントになっているのだと私は考えています。

さらに、当社のもうひとつの優位性は、やはり人材の豊富さです。

私たちはこれまで数多くのM&A案件をこなしてきましたので、経理のプロ、店舗開発のプロ、人材マネジメントのプロなど、それぞれの分野で経験を積んだメンバーが揃っています。

彼らが自分たちのノウハウを常にブラッシュアップしながら企業再生に取り組んでいますので、今残っているメンバーは、本当にその道のプロフェッショナルばかりです。

また、買収した企業の中にも、過去にM&Aの経験を持つ優秀な人材が残っている場合があります。

そうした方々の力を借りながら、互いに協力して再生を進めていくことも多くあります。

さらに、私たちは社外監査役にもM&Aや企業再生の専門家を迎えていますので、外部の意見も積極的に取り入れ、より客観的で健全な視点を持ちながら判断を下せる環境になっています。

このように、人材と戦略、この二つが掛け合わさったことが、当社がM&Aを成功させる大きな原動力になっていると思っています。

株式会社ガーデン2025年2⽉期第3四半期決算説明資料 より引用

M&A後の経営統合について

M&Aを成功させる上で最も大事なポイントのひとつは、やはり「経営統合」をスムーズに進めることだと考えています。

私自身、これまでの経験から痛感しているのですが、実はこの部分はとてもアナログで、人の気持ちに大きく関わるところです。

具体的には、M&A後も従業員の方々はそのまま引き継がれますので、まずは「いかに従業員の皆さんに気持ちよく働いてもらえるか」、そこを大切にしています。

やはり、会社が変わると不安を感じる人もいますし、「自分の居場所があるのかな」と思ってしまう人も少なくありません。

だからこそ、しっかりとモチベーションを高めるためのコミュニケーションをとり、一緒に会社を成長させていこうという意識を共有できるように心がけています。

一方で、財務面での経営統合については、買収した企業の資産を丁寧に見直し、貸借対照表上に眠っている不要な資産を売却して現金化することを徹底しています。

そして、それを成長が見込める分野への再投資に回すという戦略を取っています。

これにより、無駄なコストを削減し、より効率的に企業の成長を加速させることができるわけです。

実際に、私たちがこれまで手掛けてきた案件では、このプロセスを徹底したおかげで、M&A後の黒字化を非常に早く実現できています。

こうしたことからも、やはり人材面と財務面の両輪をうまく回すことこそが、企業再生の大きな成功要因になっていると自負しています。

株式会社ガーデン2025年2⽉期第3四半期決算説明資料 より引用

不動産事業 × 出店戦略

当社の強みの一つに「不動産事業のノウハウ」があります。

実はもともと、私は不動産事業会社を経営していました。

現在はガーデンに吸収合併されていますが、事業部としてしっかり機能しており、その経験とネットワークを十分に活かしています。

たとえば、当社が運営する「飲食店居抜き買い取り.com」というサイトを通じて、独自の物件情報ネットワークを持っているのですが、このネットワークが非常に大きな財産になっています。

株式会社ガーデン2025年2⽉期第3四半期決算説明資料 より引用

また、駅前の一等地をいかに早く、良い条件で確保できるかという点にも自信がありまして、私たちは長年の交渉経験を積んできましたので、駅前などの好立地を比較的容易に確保できるノウハウが蓄積されています。

外食業界の中には、「駅前の一等地なんて家賃が高すぎて、とても手が出せない」とか、「そもそもどうやって物件を見つけるのかがわからない」と考えている企業が意外に多いのが事実です。

しかし、私たちにとっては、駅前一等地の確保というのはむしろ日常的な業務の一環で、難しいと思われる物件でも、独自のネットワークを活用し、粘り強く交渉を行えば、十分に良い条件で取得できると考えています。

こうした「立地を押さえる力」こそ、外食企業として非常に重要な競争力の一つだと思っています。

当社が競合他社に対して一歩リードできているのは、まさにこの不動産事業のノウハウと、交渉力があるからだと確信しています。

株式会社ガーデン2025年2⽉期第3四半期決算説明資料 より引用

高い利益率を実現

外食業界、特に飲食事業に携わっていると、「この業界は利益率が低いのが当たり前だ」というような考え方を耳にすることが多くあります。

しかし私は、もともとカラオケ事業からスタートしたということもあり、「低い利益率が当たり前」という常識に対しては強い違和感を持っていました。

実際、カラオケ事業では、店舗の営業利益率を40〜50%まで引き上げることに成功していました。

ところが飲食業界に進出した途端、「営業利益率が5%も出れば十分成功だ」と言われることが多く、正直かなり驚きました。

「それは違う、もっと改善できるはずだ」というのが私の率直な感想でした。

そこで私は、飲食業界でもカラオケ事業と同じレベルの高い利益率を実現することを目標にしました。

そのために、収益性の高いブランドを厳選して、なおかつ店舗の立地は妥協せず一等地を確保するという戦略を徹底的に実行したのです。

その結果、収益構造は目に見えて改善していきました。

現在では、当社が運営する店舗の中には、利益率が40%を超えるところも複数あります。

さらに、グループ全体の店舗平均でも20%を超える利益率を維持しており、外食業界の中でも極めて高い水準を実現できていると自負しています。

私は「業界の常識」を鵜呑みにするのではなく、自分たちの基準で目標を設定し、徹底的に収益性を高めることを常に意識しています。

これこそが、当社が他の飲食企業と差別化できている最大のポイントではないかと思っています。

ガーデンの成長戦略

持続的に成長するブランドに注力

これまで当社では、30を超えるブランドに関わり、ステーキや寿司、居酒屋、バル、さらにはハワイアンレストランまで、多彩な外食業態を手掛けてきました。

さまざまな業態を運営するなかで、私が強く実感したのは「外食業界はトレンドの移り変わりが非常に激しい」ということです。

そのため、一時的な流行に乗るだけではなく、長期的に安定して収益を上げ続けられる業態をしっかりと見極める必要があると考えました。

そこで、当社では成長するブランドを選定する際に次のような視点を重視しています。

一つは「流行に左右されにくい業態であること」、次に「収益性が高いこと」、また「オペレーションが簡素でスピーディーに展開できること」、そして最後に「市場規模が十分に大きいこと」の4つです。

このような条件をすべて満たし、長期的な成長が期待できるブランドとして選ばれたのが、「壱角家」と「山下本気うどん」でした。

30以上の業態を経験した結果、最終的にはこの2つのブランドが当社の将来を支える柱になり得るという確信を持ちました。

現在は、この2つのブランドに経営資源を集中し、より一層の成長を目指して戦略を進めているところです。

積極的にM&Aを推進

当社が成長する上で欠かすことができないもう一つの軸は、やはりM&A戦略です。

今後も引き続き積極的に推進していきます。

実際に今現在、いくつかの上場企業に狙いを定めて交渉を進めています。

ただ、M&Aというのはタイミングを読むことが非常に難しいもので、なかなかすぐには決まりません。

しかし、当社は上場前の非上場の頃と同じように、積極的に、粘り強く交渉を続けています。

また、当社のM&Aにおける大きな特徴は、基本的に買収資金を自己資金でまかなっているという点です。

これまでのM&Aの中で、買収が決まった後に資金調達をしたということは一度もありません。

私たちは、買収候補を選定した段階で十分に分析を行い、実際に買収を決断する前には、すでに買収に必要な資金を準備しています。

つまり、交渉がまとまった段階で銀行に融資を依頼するのではなく、話が具体的になりそうな時点で「必要な資金はすぐに用意できますよ」とはっきり提示するスタンスを取っています。

この姿勢が交渉の相手方に対して非常に説得力があり、交渉の成功率を高める一つのポイントになっています。

今後もこの潤沢な資金力と、交渉力を活かして、より大規模でインパクトのあるM&Aを仕掛けていければと考えています。

当社がさらに飛躍していくためにも、引き続きスピード感を持ってM&Aを進めていく方針です。

海外展開の方針

当社は今後、海外市場への展開にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。

国内市場だけにこだわってしまうと成長に限界がありますし、特に私たちが力を入れている「麺事業」は海外でも大きな可能性があるため、現在しっかりと準備を進めているところです。

なかでも、日本国内で実績を積んできた「壱角家」の家系ラーメンや、「山下本気うどん」のような高収益ブランドに対する海外企業の関心は非常に高く、すでに数多くのお問い合わせをいただいています。

ただ実際のところ、海外のラーメン市場はすでに飽和状態に近い地域も出始めているため、意外かもしれませんが、現在はうどんに対する関心のほうが高まっているという印象を持っています。

一方で、海外市場は単純に日本のブランドをそのまま持ち込めば成功するというものではありません。

各国ごとの食文化や嗜好に合わせてアレンジを求められることが多く、たとえば「うどんに肉を加えたい」「寿司とセットで展開できないか」というような国ごとのニーズもあります。

その点、当社は「肉寿司」ブランドや「鉄板王国」など、肉料理や鉄板焼き・ハンバーグ業態も運営していますので、海外各国のニーズに合わせて柔軟に業態を組み合わせることができるのも、大きな強みだと思っています。

うどんを主力として展開しつつも、各国の食文化に応じて肉料理や寿司を組み合わせて、その地域で最も受け入れられやすいスタイルを確立していくという戦略を描いています。

また最近では、海外の有力企業から提携や合弁会社設立などのオファーも増えており、そういった現地パートナーと組むことで、一気に市場を拡大する大きなチャンスも出てきています。

引き続き海外展開を積極的に推し進めていき、国内にとどまらない大きな成長を目指していきたいと考えています。

店舗オペレーションの効率化と人材への投資

当社では、店舗運営を効率化する一方で、人材への投資にも非常に力を入れています。

社員やアルバイトはもちろんのこと、外国人スタッフもバランスよく採用しており、さまざまな人材が働きやすい環境を整えています。

業態によって採用しやすさにはやはり差がありますが、たとえば「山下本気うどん」やハワイアン系の業態は、おしゃれなイメージが強いため、比較的採用活動はスムーズに進んでいます。

一方で、ラーメン業態の場合は人材確保が難しく、正直苦労する場面もあります。

ただ当社の場合は、そもそも駅前の一等地という好立地に店舗を構えているため、通勤の利便性が非常に高く、採用においても他社より優位に立っています。

さらに近年では、タイミーやシェアフルといった隙間時間を利用するアルバイトのプラットフォームも積極的に活用しています。

特にタイミーにおいては、当社のリピーター率が他企業と比較してもかなり高くなっており、「なぜこんなにリピートしてくれるのだろう」と社内でも理由を分析しているくらいです。

その理由として私が考えているのは、店舗のオペレーションを徹底的に簡素化し、新しく入ってきた方でもすぐに馴染めるような仕組みを作っていることが大きいと思います。

また、駅前の新築物件で店舗展開しているため、スタッフの立場からすると「綺麗で通いやすい職場で働きたい」というニーズに非常にマッチしています。

たとえば「壱角家」は、新宿エリアだけでも13店舗ありますので、働きたい店舗で募集が埋まってしまった場合でも、近隣の店舗にすぐ移動して勤務できるというような、柔軟な働き方も可能になっています。

このように、利便性の高さや働きやすさにこだわっているからこそ、採用力が高まり、人材が定着しやすくなっているのだと感じています。

また当社はここ2年ほどで賞与を約3倍に増やしました。

飲食業界は一般的に給与水準が低いとされていますが、業界の中でもトップクラスの企業の平均年収は550万円程度だと言われています。

それに対し、当社の平均年収は560万円を超えており、業界内でも高い水準になっています。

こうした労働環境の改善が評価され、大手企業からの転職者も増えてきています。

転職してきた社員からは、「前職は大手の上場企業だったけれど、ガーデンの方が労働環境が良くて、賞与もしっかり出る」といったポジティブな声をよく聞きます。

このような口コミが広がることで、前職の同僚や知人にまで良い評判が伝わり、結果としてさらに多くの優秀な人材が集まるという好循環が生まれています。

注目していただきたいポイント

当社について特に注目していただきたいポイントは、主力ブランドである「壱角家」と「山下本気うどん」の高い収益力です。

これらは国内だけでなく海外市場にも十分に通用する業態であることも、ぜひご理解いただければと思っています。

特に「山下本気うどん」については、「味は本当に美味しいのか?」という質問をよくいただくのですが、実は香川県の老舗製粉会社としっかり提携し、店舗ごとに製麺機を設置して、店内で麺を打っています。

そのため、本場・香川のうどんに負けないような、本格的でコシの強いうどんをお客様に提供できているのです。

また、出汁についても香川の専門業者と共同で開発し、東京の人の味覚に合わせてアレンジしています。

こうした工夫があるからこそ、多くのお客様に高い評価をいただいているのです。

そして、「壱角家」のラーメンに関しては、正直なところ「アルバイトが簡単に作れるラーメンは美味しくないのでは?」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、実態は全く違います。

当社では工場で職人が十数時間かけてじっくり仕込んだスープを独自の製法で店舗に届けているため、店舗ではアルバイトの方でも手軽に提供できる仕組みになっているだけなのです。

もちろん、行列が絶えない超有名な家系ラーメンの専門店と比べると、ラーメンマニアの方には「まだまだ物足りない」という意見もあるかもしれませんが、一般的なお客様が求めるラーメンとしては十分に美味しく、クオリティをしっかり維持しています。

株式会社ガーデン2025年2⽉期第3四半期決算説明資料 より引用

ラーメンというのは実に繊細な料理で、スープの温度が1〜2度違うだけでも味が変わりますし、麺を茹で上げてから提供するまでの時間が少し長くなるだけでも風味は落ちてしまいます。

だからこそ、私たちは「品質・サービス・清潔さ(QSC)」を徹底的に高め、現状の優れた素材を最大限に活かすことで、さらに美味しいラーメンを提供していきたいと考えています。

株式会社ガーデン2025年2⽉期第3四半期決算説明資料 より引用

また、先ほどもお伝えした海外展開についても、現在すでに諸外国から数多くのオファーをいただいております。

今後の海外市場での成長にも、ぜひご期待いただければと思っています。

さらに当社は、企業再生型M&Aにおいてもすでに12社以上の買収実績を持っており、豊富な経験を積み重ねてきました。

他の外食企業にはない独自のM&Aノウハウをしっかり蓄積していますので、不動産物件取得のノウハウと同様、M&A戦略でも強みを発揮できると自信を持っています。

こちらも、今後の新たな展開にどうぞご注目ください。

投資家の皆様へメッセージ

投資家の皆様には、これからも期待を裏切ることのないよう、堅実で誠実な経営を続けていくことをお約束いたします。

私自身、イトーヨーカドーやセブン-イレブンを築き上げた伊藤 雅俊さん、ファーストリテイリングの柳井 正さんなど、尊敬する経営者はたくさんいます。

しかし、私にとって本当のメンターは、実は身近にいる従業員や幹部、あるいは日々率直な意見を投げかけてくれる方々です。

こうした身近な人々の考え方や仕事に向き合う姿勢から、日々大きな学びを得ています。

経営を進める上で私が特に重視しているのは、「信用を築くこと」と「ルールを守ること」の二点です。

「信用を築く」とは、お客様や従業員、さらには社会から必要とされる仕事を確実に行うということです。

信用がなければ、大切な仕事を任せてもらうこともできませんし、会社として持続的な成長を遂げることも難しくなってしまいます。

もう一つ、「ルールを守ること」も同じくらい大切です。

会社が成長し続けるためには、社内のマニュアルや仕組みを整理し、誰にでもわかりやすくすることがもちろん重要ですが、それだけでは十分ではありません。

どんなに優れた仕組みやルールがあったとしても、それを守る社員の意識が伴わなければ意味がありません。

意識が低いままでは、結局ルールやマニュアルは形だけのものになってしまいます。

そのため当社ではまず、「従業員一人ひとりの意識」という土台をしっかり築いた上で、仕組みやルールを整備するというアプローチをとっています。

この二つをバランスよく進めていくことが、会社の持続的な成長を支える鍵だと私は考えています。

短期的には、さまざまな課題や困難に直面することもあると思います。

しかし、一つひとつ確実に実績を積み重ねていき、「信用される企業」として皆さまに認めていただけるよう努力を続けてまいります。

今後ともぜひ、当社の成長を温かく見守っていただければ幸いです。

株式会社ガーデン

本社所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿2丁目8-8 ヒューリック新宿御苑ビル4階

設立:2015年12月1日

資本金:2,378百万円(2025年2月末日時点)

上場市場:東証スタンダード市場(2024年11月22日上場)

証券コード:274A

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「資産運用ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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