【5137】株式会社スマートドライブ 事業概要と成長戦略に関するIRインタビュー

※本コラムは2024年4月4日に実施したIRインタビューをもとにしております。

株式会社スマートドライブは、「データの力で、より迅速に、よりオープンかつフェアな社会を実現したい」という想いの下、多くの人々の移動体験をより良く変えていきます。

代表取締役CEOの北川 烈氏に事業戦略の変遷や今後の成長方針についてお話しを伺いました。

目次

株式会社スマートドライブを一言で言うと

「データで移動の進化を後押しする会社」です。 

スマートドライブの沿革

株式会社スマートドライブ 代表取締役CEO 北川 烈氏

創業の経緯

当社の創業は、2013年10月のことです。

私自身、大学院でデータ分析に関する研究を続けていました。

その中でいつも頭の片隅にあったのが、「自分が学んできたこのデータ分析という技術を、社会のどの分野で活かせるのか」ということでした。

振り返ると、私がアメリカに留学していた経験が大きく影響しているように思います。

アメリカにいた頃、友人たちが次々とGoogleやTesla、Metaといった最先端の企業へと入っていく姿を見ていました。

当時の私は、彼らと交流しながら、多くの刺激を受けました。

中でも特に忘れられないのは、Googleのキャンパスで自動運転車に試乗したことです。

またTeslaの車が実際に街を走り、販売されているのも間近で目にしました。

それまでは雑誌やネットの記事でしか知ることのできなかった世界が、目の前で動いているのです。

その光景を見たとき、強い衝撃を受けました。

私にとってそれは、「移動の未来」を肌で感じた初めての瞬間でした。

そして同時に、「こういう未来が本当に実現するのなら、一刻も早く自分たちの手で形にしたい」と、強く感じるようになったのです。

「自分が培ってきたデータ分析の力を、モビリティの分野に応用したい」、そんな想いを抱いたことこそが、スマートドライブの創業へとつながる原点になりました。

BtoBからBtoBtoCビジネスへの拡大

現在、当社では「フリートオペレーター(FO)事業」と「アセットオーナー(AO)事業」という2つの事業を展開しています。

主力としているのはFO事業ですが、実はもともとはAO事業を通じて、データ分析の基盤やノウハウを築き上げてきました。

当初のビジネスは、自動車メーカーや自動車保険会社といった企業を対象に、走行データの有効活用を支援するアルゴリズムを提供するところから始まっています。

現在のような、さまざまなデータをつなぎ合わせて活用できるプラットフォームを作ることに、創業初期は非常に力を入れていました。

この取り組み自体は業界からも高い評価をいただき、お客様からも一定の手応えを感じていました。

そんな中でターニングポイントになったのは、企業のお客様から「もっとエンドユーザーに近いデータが欲しい」というご要望が次第に増えてきたことです。

たとえば、保険会社ならドライバーの運転状況、自動車メーカーならユーザーの車の利用状況など、より細かな情報が求められるようになりました。

そこで私たちは、現在のFO事業につながるフリートマネジメント、つまり車両管理を通じて、エンドユーザーのデータを直接収集する仕組みを作り始めました。

具体的に動き出したのは2016年頃です。

この頃から、FO事業が本格的に立ち上がり、データの「質」も日を追うごとに高まっていきました。

そして、分析のノウハウが蓄積されるにつれて、データの「量」も順調に増え、データの質と量が相乗効果を生んでいくという良い流れを作ることができました。

この好循環こそが、今の事業の大きな成長要因になっています。

私たちにとって、このビジネスモデルの方向性が明確に見えてきた2016年頃こそが、大きな転換期だったと考えています。

FO事業の確立を経て、2022年12月に上場2022年12月に上場

フリートマネジメント(車両管理)サービスの立ち上げには、大きく分けて3つの要素があります。

まず1つ目が、データ収集に必要なハードウェアの「開発」です。

物理的な装置を伴うため、一定の投資が避けられません。

次に「ソフトウェアによるデータ分析」、そして「ユーザー向けのアプリケーション開発」です。

これら3つの要素を同時に立ち上げ、バランスよく推進していく必要があったことが、私たちにとって非常にチャレンジングな部分でした。

そのため、上場に至るまでの間は、かなり積極的な資金調達を行ってきました。

エクイティ(株式)やデット(借入)による資金調達に加えて、各種助成金なども活用しながら、これまでの累計で50億円弱を調達しています。

その過程では一定の赤字も経験しましたが、徐々に事業が軌道に乗り、「ここから黒字化が現実味を帯びてきた」というタイミングである2022年12月15日に上場を果たしました。

上場は、すでに私たちが築き上げた基盤をさらに広げ、事業の幅を拡張していくための戦略的なものだと位置づけています。

具体的には、私たちが持っている移動データの基盤を軸として、周辺の領域によりシームレスに展開していきたいのです。

そうした拡張を着実に進めていくためには、資金調達の柔軟性や社会的な信用など、「上場企業として得られるメリットを最大限に活かしていきたい」という想いが、上場の決断に大きくつながっています。

海外事業を拡大

近年、私たちは東南アジアを中心に海外展開を積極的に進めています。

これからもグローバルな市場を視野に入れ、さらに事業拡大を推し進めていく予定です。

振り返ってみると、創業のきっかけ自体がアメリカで「移動の未来」を目の当たりにした経験にあります。

世界の最先端に触れたことで、「移動」というテーマは決して日本国内だけにとどまる問題ではなく、世界中で共通して抱えている課題だと強く感じたのです。

そのため、創業当初から、自然と海外への展開を常に意識してきました。

実際、これまでにも海外に向けた取り組みをいくつも行っています。

たとえば、保険会社との連携では、グローバルに事業を展開するアクサ社から出資をいただき、共同で新しい保険商品を開発したことがあります。

また、台湾の大手企業関連の投資ファンドからも出資を受け入れたりと、創業初期から国境を越えたパートナーシップを築いてきました。

こうした活動を通じて、私たちはグローバル市場を見据えた強固な事業基盤を着々と整えてきました。

これからも国内にとどまらず、世界中で当社の価値を届けられるよう積極的にチャレンジしていきたいと考えています。

株式会社スマートドライブ 2024年12月 統合報告書 より引用

スマートドライブの事業概要と特徴

概要

当社では「フリートオペレーター(FO)事業」と「アセットオーナー(AO)事業」という2つの事業が柱になっており、この両輪の相乗効果によって成長を続けています。

株式会社スマートドライブ 2024年12月 統合報告書 より引用

「フリートオペレーター」と「アセットオーナー」という言葉は、私たちが独自に定義して使っているものです。

まず「フリートオペレーター」についてですが、これは法人として業務で車を使っている企業を指しています。

具体的には営業や配送、保守メンテナンスなどで、日々車を活用している企業です。

こうした企業では、保有する車両が5台以上になると、安全運転管理者を設置することが法的に義務付けられており、安全運転を確保するための運行管理や、事故防止のための報告といった業務が日常的に求められます。

手作業でこれらをこなしている会社もまだ多いのですが、

私たちのサービスを導入いただくと、これまで手間のかかっていた車両管理業務を自動化・効率化することが可能になります。

フリートマネジメント(車両管理)機能を核に、アルコールチェックの義務化対応といった法令遵守支援や、CO2排出量の可視化、営業効率化支援など、非常に幅広い分野に対応しています。

車に関わる業務課題は、データを活用することで一つひとつクリアにできます。

私たちはそのデータ分析技術を活かし、企業が抱える課題を丁寧に解決していくサービスを展開しているのです。

一方、「アセットオーナー」とは保険会社や自動車メーカーなど、自動車産業に関連する企業側を指します。

現在、FO事業ではおよそ2,000社弱のお客様にサービスをご利用いただいているため、日々多くの運行データが我々のデータ基盤である「モビリティデータプラットフォーム」に蓄積されています。

そして、情報を組み合わせて高度な分析を行うことで、事故のリスク予測や、車両メンテナンスの最適なタイミングの予測など、さまざまな用途に活用しています。

保険会社と一緒に新しい保険商品の開発に取り組んだり、リース会社と共同で次世代型のリース商品を設計したりと、自動車産業全体のDXを進めているのです。

こうした運行データは、自動車メーカーや保険会社にとっては非常に関心の高い情報となります。

なぜなら、自動車メーカーは販売後の車がどのように使われているかを把握しきれていないからです。

また、保険会社にとっても、実際に事故が起こるまでその人の運転傾向を掴むことが困難です。

そのため、リアルな運転データを活用したいというニーズは自動車産業全体に広く存在します。

私たちはこうした企業に対して、蓄積したデータに基づく分析結果や、独自のアルゴリズム、そして必要に応じてサービスの基盤自体も提供し、彼らのビジネス革新を支援しています。

つまり、FO事業によって車を使う企業の業務をデジタル化し、そのデータをもとにAO事業で自動車産業のサービスや仕組みを進化させているのです。

この両方を連動させ、「車を使う側」と「車を提供する側」をデータによってシームレスにつなげることで、新たな価値を生み出しているのが当社のビジネスモデルとなります。

株式会社スマートドライブ 2024年12月 統合報告書 より引用

事業における優位性

モビリティデータプラットフォームを中核とする価値創造

当社のビジネス上の優位性を挙げるとすると、データの「インプット」と「アウトプット」が共に「N対N」という、多対多の柔軟な構造になっていることだと思っています。

もちろん現在、特定のドライブレコーダーを利用した車両管理サービスは既に多く存在します。

ただ、そうしたサービスの多くは「導入後に機器を変えるとサービスが使えなくなる」「複数メーカーのデバイスを同時に利用したい」というお客様の課題に対して、どうしても応えにくい状況がありました。

そこで当社では、ETCなども含め、さまざまな種類のデバイスからデータを収集できるプラットフォームを構築しています。

データの「インプット側」を特定のメーカーやデバイスに限定せず、幅広いニーズに対応できるよう柔軟に設計しているのです。

さらに、当社の特徴は「アウトプット側」にもあります。

私たちは単なるフリートマネジメント(車両管理)だけでなく、収集したデータを事故リスクの予測に活かしたり、新しい保険商品の開発に展開したり、あるいは他のデータと組み合わせてさらに付加価値を高めたり、多様なサービスへの展開を実現しています。

このようにデータの取得元(インプット)も活用先(アウトプット)も多対多の関係で自由につなぎ合わせられる仕組みこそが、当社ならではの競争力だと考えています。

株式会社スマートドライブ 2024年12月 統合報告書 より引用

加えて、特定の自動車メーカーや保険会社に依存していない「独立系企業」であることも、大きな強みになっています。

たとえば競合他社には「ある自動車メーカーの車でしかサービスが使えない」、「特定の保険会社のサービスとしか連携できない」といった制約があります。

当社は誰とでも、どのサービスとも、オープンかつ自由に連携できる立場をとっています。

株式会社スマートドライブ 2025年9月期 第1四半期 決算説明資料 より引用

こうした柔軟性と拡張性を兼ね備え、データのインプットとアウトプットを自在に広げていける基盤を整えている企業は、少なくとも日本国内にはほとんど見当たりません。

東南アジアなど海外市場においても、まだ同じようなモデルは存在していないと感じています。

そのため、私たちは今後アジア市場を中心に、積極的にこのビジネスモデルの展開を進めていくつもりです。

顧客からの信頼と評価がもたらした安定成長

当社が多くのお客様から評価いただいている理由のひとつに、「ソフトウェア志向」という点があります。

競合他社と比較されたときに感じるのは、ハードウェアメーカーやデバイス中心の会社は、最初に「高性能な製品を出すこと」に集中するあまり、「使い勝手」という部分では少し遅れているということです。

もちろん当社にもハードウェアのエンジニアが在籍していますが、メンバーの多くがソフトウェア出身の人材で、ユーザーインターフェースやユーザー体験にとてもこだわりを持っています。

機能そのものが他社と同じであったとしても、実際に使っていただくと「スマートドライブのサービスはとにかく使いやすい」と評価いただくことが多いのは、まさにその設計思想の違いから来ていると考えています。

また、先ほどご説明したとおり、当社ではFO事業とAO事業の両方を展開しています。

そのためサービス自体が常に進化し続けている、というところも評価をいただいている理由のひとつだと思います。

たとえば、一番最初に契約をしてくださったお客様は、サービス開始時から現在までの間に500以上もの新機能が追加されており、それを追加費用なく利用していただいています。

日々のアップデートを繰り返すうちに、「いつの間にかアルコールチェック機能が追加されていた」「新しい分析が利用できるようになった」というように、自然にサービスが追加され、進化を続けているのです。

たとえるならば、動画配信サービスに似ているのかもしれません。

ユーザーの方は、単に今提供されているコンテンツだけではなく、「将来的にも新しい映画やドラマが追加されていくだろう」といった期待感をもって毎月の料金を支払っているはずです。

当社のサービスに対するお客様の期待値も、それに近いものではないでしょうか。

こうした「ソフトウェア志向」という当社ならではの強みが、お客様に高く評価され、安定した成長につながっているのだと感じています。

株式会社スマートドライブ 2024年12月 統合報告書 より引用

スマートドライブの成長戦略

FO事業の強化と拡大

今後、フリートオペレーター(FO)事業を拡大するうえで、おそらく課題がさらに顕在化していくのは中規模から大規模のお客様だろうと感じています。

ただ、大企業の多くはすでに一定のデジタル化対応を進めているケースが多く、私たちが新たな価値を提供できる余地という意味では、むしろ中小企業のほうが大きな可能性を秘めていると思っています。

特に地方に目を向けてみると、たとえば運行日報の提出が法令で義務付けられているにもかかわらず、未だに紙ベースでの管理により対応漏れや不備に悩まされている企業が非常に多いのが実情です。

こうした企業は当社のサービスを導入することで大きな改善効果を得られる余地が十分にあります。

これまでは代理店やパートナーを経由した販売戦略を中心に進めてきましたが、今後はそれに加えて、より多様な顧客層に直接アプローチしていきたいと考えています。

自社保有、リース、レンタカー、カーシェアなど、多様化が進む車両保有形態に対応したアップデートを繰り返し、あらゆる状況下でも一元的に安全運転管理や業務効率化ができるソリューションを提供していきます。

現在提供しているサービスの多くは、車両管理を担当する管理者のための機能です。

一方で、実際に車を運転するドライバー向けの機能については、まだ十分に着手することができていません。

日報記入やアルコールチェックといった最低限の機能だけを提供しているのが現状です。

しかし実際のところ、ドライバーのニーズというのはもっと幅広く、たとえば駐車場を探したり、レンタカーを手配したり、ガソリン代を精算したり、出張を手配したりと、車を使う業務にはさまざまな負担があります。

そこで今後は「車を使う人」、つまりドライバーにとっても直接的なメリットが感じられる機能やサービスを、自社開発で提供していきたいと考えています。

もうひとつの重要なテーマとして、業種ごとに特化したニーズへの対応があります。

物流業界であれば効率的な配送計画の策定、保守・メンテナンス業界であればフィールドワーカーの行動管理といったように、それぞれの業種特有の課題に対して、今の私たちのサービスではまだ十分に応えられていない部分があります。

そのため、今後は特定の業種にフォーカスして、より深く課題を掘り下げたサービスを提供していきます。

必要に応じてM&Aも活用しながら、専門的で質の高いソリューションを迅速に展開していくつもりです。

こうした新規サービスの開発・提供を通じて、顧客単価の向上を目指すと同時に、顧客基盤をさらに広げ、売上規模の拡大を実現していきます。

AO事業の深耕

アセットオーナー(AO)事業では、自動車メーカー、リース会社、レンタカー会社、保険会社などのアセットオーナー企業に向けて、当社のモビリティデータプラットフォームを活用し、新しい事業創出や既存業務の効率化を支援していきます。

具体的には、これまでFO事業で培った豊富なデータや分析ノウハウを活用し、OEM供給や共同での事業創出など、より踏み込んだ形でアセットオーナーとの連携を強化していく方針です。

実際に現在も、保険会社に対して事故リスクを予測するアルゴリズムを提供したり、リース会社向けには車両の整備時期を予測するデータを提供したりしています。

ただし、私たちがデータを活用して新しい保険商品を開発したとしても、実際に事故が起きてしまったあとの処理に目を向けると、まだまだアナログな作業が多く残っています。

たとえば、事故の過失割合を決めるためには、保険会社間の電話でのやり取りが中心で、決着までに1か月近くかかるケースもあります。

また、現金による支払いや代車の手配、整備工場とのやり取りに関しても、未だに電話連絡などが主流となっています。

そこで、私たちは「アルゴリズムの提供」だけではなく、「アルゴリズムの先にある業務プロセス」まで含めたデジタル化と効率化を目指しています。

具体的には、事故発生時の各種手続きや整備工場との連絡をデジタル化し、さらに事故の過失割合を自動的に分析・判断できるような仕組みづくりを進めています。

こうした分野には、すでに専門的に取り組んでいる企業も存在しています。

そのため、私たちが独自に新規事業として展開するのか、あるいはM&Aを通じてスピーディーに取り込んでいくのか、状況を見ながら最適な方法を模索している段階です。

「移動」に関わる全ての分野でサービスを提供

FO事業とAO事業、この2つの取り組みを通じて私たちが実現したいのは、「移動」というものにまつわるあらゆるシーンに自然と入り込んでいる世界観です。

たとえば、ある人が出張で移動するとき、その移動データが自然とスマートドライブに集まっていく、駐車場の予約情報や決済履歴、車両の整備履歴までもが、一箇所にシームレスに統合されているようなイメージです。

最終的な理想としては、必ずしも「スマートドライブ」という名前が表に出る必要はありません。

むしろ、私たちのサービスが社会の移動を支える見えない基盤として広く浸透し、誰もが気づかないうちに当たり前に利用しているような存在になっていくことを目指しています。

株式会社スマートドライブ 2024年12月 統合報告書 より引用

海外展開への考え方

沿革でも少し触れましたが、当社は創業初期から海外展開を積極的に進めてきました。

実は海外市場では、日本とはやや状況が異なっています。

日本国内ではFO事業が約9割、AO事業が1割程度という比率ですが、海外ではこれが逆転しています。

現地の保険会社、自動車メーカー、ディーラーといったアセットオーナーを中心としたビジネス展開が主流になっています。

東南アジアについて言えば、日本やヨーロッパと比較して規制が比較的緩やかなケースが多く、私たちはむしろその柔軟な環境を積極的に活用したいと考えています。

東南アジアで先に新しいサービスを立ち上げて、そこで得られたノウハウや仕組みを将来的に日本へと「逆輸入」するような流れも視野に入れているのです。

このように、海外市場を単なる販売拠点として位置づけるのではなく、新しいサービスやビジネスモデルを作り出すための重要な拠点として捉え、積極的にチャレンジを続けています。

注目していただきたいポイント

現在、当社の売上を見ると、FO事業が順調に拡大しています。

特に車両を保有する企業にとっては、業務に必要不可欠なサービスとして非常に分かりやすいため、安定的な成長を続けています。

一方で、投資家の皆様にぜひ注目していただきたいのは、FO事業とAO事業が相互に連携することで生まれるシナジー効果、そしてその先に広がる可能性や世界観についてです。

たとえば、FO事業が伸びればAO事業に活用できるデータも増え、逆にAO事業から得られたアルゴリズムや知見はFO事業のさらなる改善につながるなど、2つの事業間で双方向の価値創出が日々起こっています。

そして私たちが見据える未来は、単なる車両管理にとどまりません。

出張の手配や移動、レンタカーや駐車場の予約、整備情報の一元管理といった、日常のさまざまな「移動」に関する場面で、自然とスマートドライブのサービスが使われているような世界です。

こうした幅広い領域への展開については、自社での新規事業立ち上げだけでなく、M&Aなどの手法も積極的に活用しながらスピード感をもって進めています。

投資家の皆様には、当社が持つFO事業とAO事業の独自性、さらに両者の連携から生まれる広がりをぜひご覧いただき、期待を寄せていただければ大変嬉しく思います。

株式会社スマートドライブ 2025年9月期 第1四半期 決算説明資料 より引用

投資家の皆様へメッセージ

私たちスマートドライブは、「移動の進化をデータで後押しする」というビジョンのもとで事業を展開しています。

しかし、この「移動」という領域は非常に幅が広く、多面的であるがゆえに、「この会社は具体的に何をやっているのか?」と疑問を感じる場面もあるかもしれません。

私たちとしても、その点については十分に認識しており、情報の開示方法や数値の見せ方を工夫しています。

投資家の皆様により分かりやすく、納得感のある形でお伝えできるよう努めています。

だからこそ、ぜひ私たちの事業を短期的な結果だけでなく、中長期的な視点で見守っていただければと願っています。

当社が目指すのは、持続的な成長であり、社会に広く貢献できるビジネスモデルの構築です。

これからもその価値や魅力を投資家の皆様にしっかりお伝えできるよう努力してまいりますので、引き続きのご支援を心よりお願い申し上げます。

株式会社スマートドライブ

本社所在地:〒100-0011 東京都千代田区内幸町 2-1-6 日比谷パークフロント 19階( WeWork 内)

設立:2013年10月1日

資本金:2,461万円(2025年5月アクセス時点)

上場市場:東証グロース市場(2022年12月15日上場)

証券コード:5137

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「資産運用ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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